天の戸 美稲

天の戸 美稲 無濾過純米80%
 天の戸 美稲

 美稲は”うましね”と読みます。その名のとおり、米の旨味がよくわかる酒で、秋田県平鹿町の浅舞酒造で造られています。「美稲」の発売開始は、1996年(平成8年)でしたが、私が初めて飲んだのは、一桝屋の店長に勧められたのが切っ掛けでした。
 当時の「美稲」は、地元の酒米”美山錦”と”吟の精”の特別純米酒で、精米歩合55%、濾過もしていなかったため、純米酒よりもコクと香りが強い感じでした。秋田県産米と秋田県で開発された酵母(AK-1)を使用するとともに、地元農家の人たちが酒米研究会を作って、丹誠込めて酒米を育てているとのことで、その意気込みが感じられました。現在も特別純米酒ですが、”美山錦”を100%使用しているようです。
 その後、浅舞酒造では、2010年(平成22年)、減農薬減化学肥料米”秋田酒こまち”で、全国新酒鑑評会10回目の金賞を受賞しました。これを契機に、酒蔵は全量純米酒へ大きく動き出し、翌年の2011年(平成23年)には、アルコール添加酒の在庫も無くなり、完全移行したとのこと。
 ちなみに酒米の”秋田酒こまち”についてですが、秋田県酒造協同組合のHPによれば、秋田県で1988年(昭和63年)から始まった酒造好適米新品種開発事業において、1998年(平成10年)、秋田県オリジナル品種”秋田酒こまち”の開発に成功したとのこと。
 今では「美稲」もバリエーションが広がり、今回紹介するのは、酒米に”秋田酒こまち”を使用した季節限定酒「天の戸美稲 無濾過純米酒」です。精米歩合80%の無濾過純米酒で、コスパ抜群のガツンと来る旨い酒です。ただし、四合瓶の設定がなく、一升瓶だけなので、女性が一人で飲むときは覚悟が必要です

 (2020年更新)


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