大七 皆伝
 大七 皆伝

 大七酒造と言えば、生酛造りにこだわる福島の酒蔵として有名ですが、大七皆伝は、五百万石を使用した生酛造り純米吟醸酒。生酛造りは、江戸時代に始まった伝統的な日本酒の醸造法ですが、多くの労力と時間がかかるため、コスト優先の現在では、ほとんどの酒蔵では行っていません。
 日本酒は、酵母で糖をアルコール発酵させて醸造しますが、酵母を培養するため、雑菌を消滅させる乳酸が必要となります。今日では、工業的に製造された乳酸を酵母とともに添加する速醸酛造りが主流ですが、自然の乳酸菌で乳酸を生成し酵母を育てるのが生酛造りです。
 大七皆伝は純米吟醸なので、冷やして飲みましたが、生酛造りの日本酒は、コクが深く、ドッシリとした味わいなので、燗で飲むのがおすすめです。大七純米生酛、からくち生酛(本醸造)など・・・。
 もう一つ、この酒蔵がこだわっているのが、精米方法。通常は、米を球状に削り上げますが、大七酒造では、独自に開発した技術で、超扁平に削り上げます。どのような技術かは、よくわかりませんが、米は楕円形なので、確かに扁平状に削ったほうが、雑味になる不要な部分を徹底除去できる一方、有用な部分を削り過ぎないと考えられます。

 (2007年更新)


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