十四代 本丸

十四代 龍の落とし子

十四代 出羽燦々
 十四代 本丸

 高木顕統氏が醸す「十四代」は、最近では最も入手しにくく、インターネットでもプレミア価格で取り引きされる、超人気の日本酒銘柄です。高木酒造は、1615年創業の400年近い歴史を持つ山形県村山市の酒蔵ですが、実は顕統氏は十五代目で、十四代当主は父親の辰五郎氏。
 なぜ「十四代」なのか。高木酒造は、元々「朝日鷹」という銘柄で地元には知られており、その古酒にのみ「十四代」という銘柄を付けていました。十四代当主の辰五郎氏が、特許庁に「十三代」「十四代」「十五代」「十六代」などを商標登録出願したところ、通常、数字は許可されないのですが、なぜか「十四代」だけが登録査定されたとのこと。
 吟醸酒をメインに、龍の落とし子、愛山、山田錦、美山錦、八反錦など、様々な米を使って多くの種類を出していますが、私のお気に入りは、「十四代」が大ブレイクする切っ掛けとなった最も低価格の「本丸」生詰。五百万石を55%精米した特別本醸造酒ですが、穏やかに吟醸香が立ち、上質で膨らみのある旨さを誰もが実感できると思います。
 「十四代」は全体的に、どの酒も質が高く、リーズナブルな純米吟醸酒もあります。時代が求めている味や価格設定には、クイーンズ伊勢丹での勤務経験があり、流通業界の現場を知る若き杜氏かつ経営者でもある高木顕統氏のセンスの良さを感じます。

 (2011年更新)


 もどる