獺祭 純米吟醸50

獺祭 純米大吟醸磨き二割三分

獺祭 等外 (精米歩合30%)

 獺祭 純米大吟醸

 獺祭(だっさい)を知ったのは20年以上前ですが、売上高はこの30年間で約40倍、純米大吟醸酒は日本一の出荷量で、世界20か国以上に輸出されています。蔵元は旭酒造。一桝屋師匠の友達がいる朝日酒造とは漢字違いですが、200年以上の歴史をもつ山口県の酒蔵です。
 三代目の桜井博志氏が社長となった1984年(昭和59年)、看板銘柄だった「旭富士」の生産量はジリ貧で、値引競争の中、経営状況は惨憺たるもので、倒産寸前だったとのこと。桜井博志氏は、日本酒造りはど素人。しかし、大量販売の論理から生まれた酔えばいい、売れればいい酒ではなく、おいしい酒・楽しむ酒を目指し、純米酒と吟醸造りにこだわり続け、酒蔵を立て直しました。
 ちなみに、私が2004年(平成16年)に購入した獺祭のラベルは"純米吟醸"ですが、規格も造りも既に精米歩合50%の"純米大吟醸"でした。今では39%、23%の純米大吟醸もラインナップされています。話のタネに3種を呑み比べましたが、50%で十二分に美味しいレベル。
 現在の社長は、四代目の桜井一宏氏ですが、昨年12月12日の日経新聞に「獺祭の旭酒造、米に蔵」という記事が掲載されました。アメリカ・ニューヨーク州のハイドパーク地区に、大規模な酒蔵を新設し、2019年(平成31年)から、アメリカ産の食用米を使って純米大吟醸酒を製造し、アメリカ人が日常的に飲むワイン並みの価格で販売するそうです。これからも、チャレンジが楽しみな酒蔵です。
 2020年の更新は、「獺祭 等外」の紹介です。原料米の山田錦は、栽培時に5%以上の等外米が発生します。等外米と言っても、粒揃いが悪いだけですが、これで造ると純米大吟醸表示ができず、表示上は普通酒となります。
 蔵元の旭酒造では、「社会にとって何が大事・作られた山田錦は全て美味しい酒に」の精神で、山田錦の等外米を30%まで磨き、「獺祭 等外」として販売しています。味は、通常の獺祭に比べ何の遜色もなく、価格は四合瓶(720ml)税込\1,430です。

 (2020年更新)


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