みむろ杉 純米吟醸 山田錦

みむろ杉 特別純米 露葉風

 みむろ杉 純米吟醸

 日本酒の発祥地には諸説ありますが、奈良県奈良市と兵庫県伊丹市は、それぞれ有力説があります。今回は、奈良県桜井市三輪にある万治3年(1660年)創業の酒蔵、今西酒造の銘柄「みむろ杉」の紹介です。
 同社HPによると、三輪は、山の麓で寒暖の差が激しい気候、神の水といわれる三輪山の伏流水、酒との深い歴史が揃う地にあり、その恵みを授かりながら酒造りが出来る唯一無二の環境。ゆえに、三輪の歴史・文化、そこから生み出される風土(水と米)を表現した酒造りをしたいと思い、銘柄のコンセプトは「三輪を飲む」です。
 酒造り発祥の地として、奈良県三輪(みわ)を語る上で欠かせない場所が、三輪にある日本最古の神社"大神(おおみわ)神社"で、本殿を持たず、三輪山を御神体として祀っています。
 古来、酒に酔っている状態が、神様とシンクロしている状態であると云われ、酒は神様と繋がる大切なものとされてきました。その神酒のことを"みき"と読みますが、昔は"みわ"と読まれていたそうです。また、古来の人々は神様のことを"みわ"と読み、大神神社のの正式名称も、"おおみわじんじゃ"です。「神酒=みわ=神」で、「酒、三輪、神」は、深い関係のようです。
 三輪山は古来から"三諸山(みむろやま)"と呼ばれ、「うま酒みむろの山」と称されるは"みむろ(実醪)"すなわち"酒のもと"の意味で、酒の神様としての信仰からの呼び名とのこと。毎年11月14日は、大神神社に日本全国から蔵元・杜氏が集まり、醸造祈願祭が行われます。
 この醸造祈願祭の後、全国各地の酒蔵へ、杉玉が配られていきます。酒蔵の軒先に吊るされている杉玉には、大神神社から送られた証として、杉玉の下に吊るされている札に、「三輪明神・しるしの杉玉」と書かれているそうです。私も初めて知りました。
 酒の神が鎮まる地、奈良の三輪に現存している酒蔵は、今西酒造のみで、三輪山が古来より"三諸山(みむろやま)"と呼ばれていること、三輪山は"杉"に神様が宿るとされていることから、創業当時から350余年「三諸杉(みむろすぎ)」という銘柄で酒造りをしています。今回呑んだのは「三諸杉」ではなく、三諸を平仮名表記した別銘柄「みむろ杉」です。
 上のラベルは、山田錦を100%使用し60%精米の低温長期発酵で、穏やかな吟醸香とまろやかに米の旨みが広がる限定流通の「みむろ杉 純米吟醸 山田錦」です。
 下のラベルは、奈良県唯一の酒造好適米露葉風(つゆはかぜ)を100%使用し60%精米の低温長期発酵で醸した「みむろ杉 特別純米 露葉風」です。
 どちらも、最近の私の晩酌定番酒なので、是非お試しください。美味いの一言です。

 (2019年)


 もどる