萬寿鏡 F40  萬寿鏡 F40(エフヨンマル)

 蔵元は、新潟県加茂市にある株式会社マスカガミ。新津丘陵の南側に位置し、東に粟ヶ岳、西には弥彦山を眺望できる風光明媚な地で、古くから木工製品、とりわけ桐ダンスの産地として知られています。
 明治25年(1892年)の創業以来、130年にわたって酒造業を営み、現在の社長で五代目となります。銘柄は漢字で、「萬寿鏡(ますかがみ)」と書きますが、会社名はカタカナで「マスカガミ」です。万葉集などの和歌に由来するそうですが、創業当時の所轄税務署長が、おめでたい文字を当てて命名してくれたとのこと。
 今回御紹介するのは、2015年11月から販売が開始されたアルファベットラインシリーズの先駆け「萬寿鏡 F40(エフヨンマル)」です。アルファベットラインには、他に「J」や「S」を冠する銘柄もありますが、「F」は普通酒、「J」は純米酒、「S」はSUPREME(シュプリーム)を意味し、それに続く数字は精米歩合を表しています。
 「萬寿鏡 F40」が誕生した切っ掛けは、蔵元が大吟醸用に酒米の契約栽培を依頼している生産農家が、乾燥不足によるわずかな水分過多という理由で、等級取得できない規格外酒米を作ってしまったこと。規格外とはいえ、粒のそろった良質の酒米であり、廃棄するのはもったいないため、大吟醸並みに精米して造った普通酒が「F40」だそうです。
 Fは普通酒、40は精米歩合40%を表し、普通酒としては極めて異例の40%まで米を磨いた"普通じゃない普通酒"です。限定醸造・限定販売なので、発売開始から1週間で完売する年もありました。

 (2022年更新)


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