門外不出 中取り 純米大吟醸

門外不出 裏ラベル
 門外不出 中取り 純米大吟醸

 西堀酒造は、明治5年(1872年)の創業。酒蔵は、栃木県小山市南部の旧日光街道(国道4号線)沿いに位置しています。
 実は私、栃木県の日本酒は、酒屋で買って自宅で飲んだ記憶が、ほとんどありません。今回、御紹介する西堀酒造の銘柄「門外不出」も、吞み仲間のナカムラ氏から教えていただいたのが切っ掛けでした。
 明治7年(1874年)の資料によれば、栃木県の酒類生産は全国第3位。平成30年(2018年)における、都道府県別の日本酒の生産量(製成数量)ランキングは、第1位:兵庫県、第2位:京都府、第3位:新潟県で、栃木県は第11位です。
 今でも栃木県の酒蔵は、県南部に集中しており、当時から関東平野の広大な水田に恵まれ、江戸にも近く、酒造りに適した良質な水が得られる場所であったことが理由のようです。
 栃木県は、水系が那珂川水系(県北)、鬼怒川水系(県央)、渡良瀬水系(県南)の3つに分類され、特に西堀酒造のある小山市は渡良瀬水系に位置し、水の硬度が醸造に適しており、銘醸地の歴史を築いてきたとのこと。
 昭和期は「若盛(わかざかり)」を代表銘柄として、栃木県を始め広域に展開していましたが、1970年代後半をピークに、日本酒業界の大量生産時代は節目を迎えました。
 昭和後期から平成初期にかけて、日本酒は量から質へと転換を図る中、少量生産の高品質な日本酒を、まずは地元の方へ、地産地消につなげたいという想いから、「門外不出」が誕生したそうです。
 また、西堀酒造の約3000坪の敷地内にある蔵の大半が、江戸末期から大正時代にかけての建築で、平成20年(2008年)3月、文部科学省文化審議会から、「長屋門」「仕込蔵」「瓶詰場」「煙突」の計4棟が、登録有形文化財として登録されました。
 「門外不出 中取り 純米大吟醸」は、長期低温発酵寒仕込み無濾過原酒です。フルーティーな香りと深い味わい・コクがあり、アルコール度数やや高めで、美味いの一言。詳しいスペックは裏ラベルのとおり。

 (2022年更新)


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