NEC EXPRESS SERVER 5800/110Ge

NECのエントリークラスのサーバです。

このクラスのサーバは競合が激しく、一部のモデルが驚異的な低価格で販売されているとの噂を聞き、ベアボーンPCのつもりで買ってみました。
HDD、OSなしの最小構成(Celeron430モデル)だと15000円以下で入手可能でした。(2008年6月現在)

オンサイト3年保証まで付いており、どんなに安く見積もっても2万円以上の原価が掛かっていると思いますが...

筐体

クラシカルなデザインの筐体
フロアの片隅にひっそり置くOA機器という感じがします。

最近はサーバもブラック筐体にするメーカーが増えてきたのですが、NECはホワイトで統一しているようです。

フロントパネルにUSB端子が2個あり便利。
フロントドアを開くと、5インチ、3.5インチベイが各2個あり、外部からアクセス可能。

オーディオ機能は実装されていません。

チープ感はあるものの、きっちり作られています。

背面ファンの取り付け部のメッシュも細かく、廃熱効率も良さそうです。

 

筐体サイズは173×453×448(W×D×Hmm)

内部構造全景

内部もオーソドックスなレイアウトのATX規格。

これが本機の最大の特徴。自作機のベースにもってこいです。
(他社同クラスのサーバは独自規格で、筐体の流用は困難)

搭載されているメインボードは市販のATX、M−ATX規格の製品に容易に交換可能です。

ブランド品が中心の各パーツ

 ・メインボード:ギガバイト社製
 ・メモリ:マイクロンテクノロジー社
 ・CPUファン:デルタ社製
 ・ケースファン:山洋電気社製
 ・DVDドライブ:パナソニック製
 ・電源:Lead Year Enterprise社製

5インチベイ x2
3.5インチベイ x2
3.5インチシャドーベイ x4

電源ユニット

ATX規格の380W電源

SATA用のコネクタも4つあります。
静音タイプではないが、特別うるさくもない。

フロント吸気ファン

はフロントに8cmが1器

8センチ0.11A

三洋電機製の「9AH0812P4H03」

リア排気ファン

排気ファン2器も三洋電機製の「9AH0812P4H03」
CPUファンはDELTA製の「FHS−A9025A−S284」

HDD4本構成を想定して、ファンが多数付いていますが、ディスク1本だと冷却機能はオーバースペックです。

なお、CPUファン含めすべてのファンが4ピン端子で接続されています。

メインボード

ギガバイト製オリジナルGA−5YASV−RH

チップセットはエントリーサーバ向けのIntel3200

サウスブリッジは中型のヒートシンクのみです。

要所要所に固体コンデンサが使われています。
24時間、365日運転でも5年以上は持ちそうです。

サウスブリッジ(ICH9R)とSATA端子

ICH9Rにはヒートシンクは装着されていません。

PATA端子は1つ有り、DVD−RAMドライブがMASTER接続。

拡張スロット

上から順に、

 ・PCI−E x8
 ・PCI−E x4
 ・PCI
 ・PCI

デスクトップPC向けメインボードで一般的なPCI−E x16スロットがありません。好みに合わせたビデオカードが選択できません。

 

オンボードグラフィック

XGI Volari Z9s
メモリは32MB(上のサムソンチップ1個)

統合チップセットに比べ、メインメモリを圧迫しないメリットはありますが、チップ自体のパフォーマンスが低いため、最近のゲームには不向き、動画にも弱く、やはりサーバ向けです。

OA業務やネットのブラウズなら問題ないレベルです。
発色は綺麗なので、デジカメ写真のブラウズにも良いと思います。

 
CrystalMark 2004R2 実行結果(Celeron430)
GDI 2859
D2D 732
OGL 498

ATX規格のメインボードが基盤も取り付け可能で、最初からスタットボルトも取り付けられていました。
標準搭載メモリ

マイクロンテクノロジー社製
PC2−6400、512MB、ECC、CL6

デスクトップ向けのNON−ECCメモリとの混載はできませんが、増設する場合は安価なNon−ECCメモリに差し替える事も可能です。

 

拡張カードなどの増設



ハードディスクのみを追加し、USB音源を接続して、しばらくパソコンとして使用してみましたが、意外と快適でした。

不満点としては
 ・DVD再生が綺麗ではない
 ・グラフィックの機能不足で3D系アプリが動作しない
 ・USB端子が少ない(前2基+後2基)

パーツをごっそり変えてしまえば解決しますが、それではこれを買った意味が無いので、追加費用をできるだけかけずに、増設しました。

 

<グラフィックカードの増設>

オンボードグラフィックは発色こそ綺麗でしたが、さすがにPCI接続のサーバ用チップでは、機能・性能とも貧弱なので、当初の予定通り、ビデオカードを増設することにしました。

ネットの情報を参考に、MCH側のPCIex8スロットの端を削り、PCIex16のビデオカードを挿せるように改造しました。

写真は手持ちのELSA GLADIAC 573 (GeForce7300LE) を取り付けたところです。カードエッジが半分むき出しですが、問題なく動作しています。

CrystalMark 2004R2 実行結果(Celeron430)
GDI 2859 → 9870
D2D 732 → 3761
OGL 498 → 3982

大幅に性能向上し、DVDの再生画質も向上しました。
チップセットの仕様上、PCIex1動作に制限されるようですが、PCIex16時とそれほど変わらない数値が出ています。

 

<サウンドカードの増設>

標準ではサウンド機能を持たないため、手持ちのサウンドカードを増設しました。

 

<USB端子の増設>

内部に増設用コネクタがあるので、増設ブラケットを購入し、取り付けました。

USB増設ブラケットはギガバイトのMB付属品のようでしたが、ジャンク扱いで105円で入手。コネクタのピンアサイン、形状、色もぴったり一致。

参考URL

NEC Express5800/110Ge - wiki@nothing

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