下山というより、
私はまだ上ってもいないんじゃないのかと思う。
寒いけれど両袖をえいっとまくりあげて、
ひとつずつこなしているだけである。
なるべく歩くようになったおかげで、
ジブンの身体が思うように動いてくれるのを、
実感できるようになった。
ゴールも成果もご褒美もなにもなくても、
そういう感覚があって、ほんとうれしい。

褒められなくてもいいから、
なんとかしかられないように、
それだけでやってきた頃もあった。
(
と、客観的にみられるようになった)
相手の気持ちを読めすぎると、本当に苦しいものだ。
肉親だから理解しあえるとか、優しくしあえるというのは、
願いすぎ、期待しすぎ、幻想なんだろう。
解らないから、まず、みる、きく、感じる、そのままを。
分析は、しょせん分析で、どこまでいっても想像で、
本当のところなんてやっぱり解らない。
解らなくていいのだ、いいじゃない。

もういいかな、と何度も思うこともあるけれど、
綺麗だなと感じられるものは、まだまだある。
コンタクトレンズを気にしながら、
風に向かって、前をまっすぐ見ながら歩いていく。
なにかに逢える気がしてくる。
川内さん、すごいなぁ。
潔くてすかっとする。
近所のノラたちも、この酷寒の日々、
どこかいる場所を見つけては、淡々生きている。
寒ければ寒いほど、
どうしてこんなに綺麗な景色なんだろう。
がんばりたいなと思えて仕方がない。()



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