母の透析生活もゆっくりと軌道にのってきて、
同日の患者さんとロッカー室で話すゆとりも出てきた。
いつも素敵なパジャマを着てるのね、とほめられたり、
どこで買うの?と聞かれて、娘が買ってきてくれるのよと答えるのがうれしいらしい。
透析患者同士にしかわからないこともあるから、さりげなく話せる相手ができるのは
大歓迎、本当にありがたい。
寒くなってきて風邪ひかないようにとかの心配もあるけれど、
思いつめることもなく淡々と日々をこなしている様子は、とっても力強い。

私の方がいくらか平穏になってきて安心していたら、
友人の方が大変なことになっていた。
呆然自失、信じられなくて、言葉が出なかった。
信じられなくても、事実を目の前に出されたら、冷静にひとつずつ
対処していくしかない。
どうしようと落ち込んでいる暇はなく、まだ起きていない悪い事を
想像して悩む暇もなく、必死に今をやっていくしかない。
私には、祈ったり応援したりただそれだけしかできない。
言葉は無力だな・・・、と感じるばかりである。

久しぶりにO先生の写真展に行ってみた。
しばらくお逢いしていなかったので少し躊躇していたけれど、
先生のやわらかい笑顔にそんな気持ちも吹っ飛んでしまった。
先生の写真は、どこか淋しく遠くて、向こう側を想像させてくれる。
ささやかなものたちに目を向ける繊細さを、思い起こさせてくれる。
私は何がしたいんだろう・・・、考える、考えない、考えない。
自分をカラにして受けとめる、そんなチカラを磨いていきたい。



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