風に吹かれて歩いた。
ひさしぶりだ。
図書館への道は、走っている車をながめたり、木々を見上げたり、
人をひっそり観察したり、青空をあおいだりして進めるから、
とても気持ちがいい。
吹かれる自由、吹く自由、感じる自由、からっぽになる自由、
なんのあてもないから、心が休まる。
<煮詰まっているときほど、ひとつひとつのことを丁寧におやりなさい>
Y先生の声がきこえた気がした。
こんな幻聴なら大歓迎だ。

秋のあおぞらは、こんなに広かったかな。
みんなより遅くなってしまったセミだろうか。
全力でないていた。必死に抵抗していた。
でもなぜか、楽しそうにきこえた。
どんな人にもなにかがあり、なにもなく、今いることだけが確かだ。
親戚のおばさんのだんなさん、去年の今頃はぴんぴんしていたのに、
あれよあれよという間に脳死になり、装置を切るかどうか考えている間に亡くなった。
びっくりした。
びっくりとしか言いようがなかった。

今朝もいつものようにちゃんと目が覚めた。
身体を動かすことができる。
いただいた時間なんだと考えて一日やろう。
焦らない焦らない。
できることをやってみよう。。



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