ときどき、ふとした瞬間に、意地悪された記憶が鮮明によみがえってきて、
胸が苦しくなる。
もうすっかり昔のことで、もうすっかり私もおとななのに、
心の傷っていうやつはこんなにも尾を引くのだろうかと、本当にいやになる。
だからといって、仕返しできたら気が楽になるのだろうか・・・、
それはぜったいにない。
仕返しという言葉は口にしたくないほど嫌いだし、ただむなしくなるだけである。
ジブンでジブンをおとしめるだけだ。

忘れたくても忘れることができなくても、ジブンの傷はジブンでいやすしかない。
日々を、しあわせだなぁと思えるように過ごすことだ。
すきなもの、あこがれるもの、美しくてため息が出るもの、
ジブンが心からいとしいと思えるものにたくさん出逢うことだ。
生きててよかったなぁと思える瞬間にたくさん出逢うことだ。

ここのところ、サラ・ブライトマンさんの歌声に心酔している。
きっかけは、たまたま手にとったエッセイ本を拝読して知って、
視聴してみたら、ああ探していたのはこの歌声だ♪と、とりこになった。
とくに、<プッチーニの私のお父さん>がとてもすきで、
もともとどなたが歌ってもすきなのだが、彼女の歌声だと別の世界にいけてしまう。
しおれていた気持ちがとたんにしゃんとする。
ありがとうありがとうと気持ちが透きとおってくる。
びくびくしないで、おだやかでのびのびとがんばりたいなとチカラがわいてくる。




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