父の治療が始まった頃から、実家にノラ猫が来るようになった。
キジトラのオスで、すこし足が悪かった。
ごはんをあげても、きょそきょそおどおどしながら食べていた。
私がいると、ささっと父の車の下にかくれて出てこなかった。
父と母は、クロと呼んで毎日変わらずごはんをあげ続けた。
玄関の中まで来るようになり、家に上がってごはんを食べるようになり、
声もやさしくなり、よしよしさせるようになり、泊まっていくようになった。
今ではすっかり父と母のこどもで、ジブンから甘えてくるようになった。
栄養状態が良くなったせいなのか、悪い足もまあまあ良くなってきた。
すごいなぁほんとうに、日々つみあげた愛情が伝わったのだろう。
父と母もクロのおかげで毎日が楽しいらしい。
うれしい。
(でも私にはまだ慣れてくれない・・・笑)

12月になった。
小学6年生の頃、コーラスクラブの恩師に、もっとチカラを抜いて歌ってごらんと
ちょくちょく言われていた。
一生懸命やろうと想いすぎると、ついチカラが入ってジブンを発揮できない。
今でも変われなくて、ときどき先生の顔が浮かんできては笑ってしまう。
そう、私は私でいくしかないのだ。
ジブンの希望はジブンで見つけるしかない。
がんばらずにがんばるか。
猫のようにのびのびとやっていきますか。。



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