4月の風に吹かれて、しばらく前のことをぼんやりと思い出す。
過ぎてしまった事は、覚えている限り無くならない。
人、物、場所、景色、匂い、天気、ふとした時に、急に思い出しては
なつかしい。
それが、今の自分に元気をくれたりする。

暖かくなってからも、たびたび寒い日があったせいなのか、今年の桜は
わりと長く楽しめた。
いよいよ新葉が出てきて、時の歩みを感じる。
マスク生活も2年が過ぎた。
花粉やほこりを吸わなくていいと思えば、ありがたいものだ。

テレビを消してしずかにしていると、鳥たちがベランダに来る。
耳をすませて綺麗な声を聴く。
どんなコが来ているのかなと、こっそりカーテンの隙間からのぞくと、
もういない。
顔を想像しながら、ひととき明るい声に励まされている。

わざわざ自分を意識しなくても、やる事、選ぶ事、好む事、嫌う事、
行動のすべてに自分があふれている。
探さなくても、知りたくなくても、自分はいつでもあるのだ。
ちゃんと見たり聴いたり、使ったりいたわったり、目の前の事をいろいろ
やりながら、おもしろがって自分をやっていこう。



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