いつかみた夢
窓側が指定席
日差しに透けながら
ガラス越し 小さく手を振る君
キリマンジャロの香り
読みかけの文庫本
『待ってる時間がすきだから』
いつでも僕は勝てなかったね
坂をのぼって三軒目
いつかみた夢の続きを
尋ねてみたい気がするけれど
遠くはなれた君のほほえみ
言葉にしたくなかった四文字
いとしい時間の残像たちが
くりかえし瞳の奥に映るだけ
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