たいやきを買って

 

しっぽの先まであんこのつまった

たいやきをふたつ買って

いすをさがした

デパートの午後三時

すこし皺のふえた旧友と

 

迷わず頭からいただくあなたと

なにげにしっぽにかぶりつく私

甘くなっていく

ふたりを包む空気に

胸が つかえた

 

よく冷えたウーロン茶を

一本だけ買って

先に飲んでいいよ と

笑いながら差し出すあなたの

娘でいられるささやかなしあわせ

 

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