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日本の大豆☆アメリカの大豆 第12週

テーマイラスト
ばらえてぃ その6

VARIETY(品種)VOL.6

(owner)
 ああああああ!こんな人生はもうイヤだ!

(ポン太郎)
 やかましいでやんすよ、親分。予告もなく研究をさぼっておきながら、読者さんに失礼でやんす。
 忙しいなら、月刊★自由研究に看板を掛け替えるべきでやんす。

(owner)
 ・・・もう夏も終わったしなあ。自由研究って季節じゃないよなあ。

(ポン太郎)
 そこまで弱気になってどうするでやんすか!サボるのはおいらの小屋の掃除ぐらいにするでやんすよ。
 さ、今日のお題もまた品種の話でやんすね。

(owner)
 お前はテキパキしてていいねえ。代わりに連載書いといてくれよ。

(ポン太郎)
 おいらの手に合うキーボードを買ってくれたら考えて上げてもいいでやんすよ。ところで、このテーマも本日6回目でやんすが、まだ何かネタが残ってたんでやんすか。

(owner)
 それがあるんだよねえ。とっておきのが。
 ずばり、日本の大豆は男か女か!

(ポン太郎)
 ・・・親分、疲れてるでやんすね。今日はもうお休みした方がいいでやんすよ。

(owner)
 あ、思いっきりバカにしたな。せっかく重大な証拠を掴んだというのに。
ずばり、日本の大豆品種は女の子だね。

(ポン太郎)
 その心は?

(owner)
 名前にヒメがついてる品種が多い。
ヒメシラズ、ヒメユタカ、いちひめ、オリヒメ、サヨヒメ、スズヒメ、ユウヒメ


(ポン太郎)
 ・・・そ、それだけの理由でやんすか。

(owner)
 まだバカにしてるな。でも、もっと決定的だモンね。名前にムスメが入っている品種なんて10もあるんだぞ。
アソムスメ、キタムスメ、コマムスメ、タマムスメ、ツルムスメ、デワムスメ、トヨムスメ、ニシムスメ、ヒゴムスメ、フジムスメ


(ポン太郎)
 確かに、コシヒカリとかササニシキとか相撲取りみたいなのに比べれば女の子らしいでやんすけどねえ。そもそも品種の名前ってどうやって決まるんでやんすか。

(owner)
 国で育成した品種については、命名登録制度っていうのがあるんだそうで、そこで名前が決まるんだって。具体的には、品種を育成した試験場が、いろんな人の意見を聞きながら10ばかり候補を提出して、それを見ながら命名登録審査会(国語学者とかの偉い先生がメンバーになってるらしい)っていう会議で決めるんだと。

(ポン太郎)
 ふへー、堅苦しいでやんすね。

(owner)
 苦しい苦しい。この制度の下では10年くらい前まではカタカナの名前しかつけられなかったみたいだよ。ひらがなが認められてからも、例えば米の「ひとめぼれ」が固有名詞たり得るかなんてのは激論になったとかいう噂もある。都道府県で独自に育成した品種(納豆小粒とか丹波黒とか)は、もっとフレキシブルな名前にできるんだけど、大豆の新品種としては今は国が絡んでいるのが圧倒的に多いんそーだ。

(ポン太郎)
 うーん。他にはどんな名前があるんでやんすか。

(owner)
 結構、目立つのはツル(鶴)っていう文字が入っている奴かねえ。これは、北海道に「鶴の子」っていう極大粒の超高級銘柄があるから、それの子孫だったり、あやかり名前だったりするよね。
ツルコガネ、ツルセンゴク、ツルムスメ、オオツル、ユウヅル
    

(ポン太郎)
 なんで鶴なんでやんしょ。めでたいから?

(owner)
 鶴の卵が大きくて白いからかねえ。よくわかんないよ。その他に、縁起がいいのはコガネ(黄金)ってのがついた品種。
コガネジロ、コガネダイズ、あやこがね、すずこがね、タチコガネ、ツルコガネ、ワセコガネ

「鈴なりになりますように」って願いのこもったスズ(鈴)のついた名前も多い。
スズカリ、すずこがね、鈴の音、スズヒメ、スズマル、スズユタカ、おおすず、コスズ、タチスズナリ、トヨスズ、ミスズダイズ、みすず黒、ワセスズナリ


(ポン太郎)
 あれー、親分。さっきは大豆は女の子だとか云ったけど、スズユタカなんて凛々しいじゃないでやんすか。スズマルとかいうのもお小姓っぽいし。

(owner)
 確かに豊作祈願みたいな、強く逞しくみたいな願いがこもると男らしくなるなあ。ユタカっていうのは定番みたいなもんかもね。結構多いや。
カリユタカ、シロメユタカ、スズユタカ、タチユタカ、トモユタカ、ハタユタカ、ヒメユタカ、フクユタカ、ゆめゆたか
   

(ポン太郎)
 うーん、ヒメ(姫)がユタカと来られると、性別不明でやんすねえ。取りようによっては、沢山の姫に囲まれたいって、酒池肉林ぽい感じでやんすし・・・。

(owner)
 ポンちゃん、そこまで親父にならなくても・・・。
 まあ、何にせよ、沢山穫れるのはいいことだから、ユタカを音読みして豊作の「ホウ」にすると、更に仲間が増える。
ほうえん、ホウギョク、ホウライ、ホウレイ、リュウホウ

 ホウってのは「宝」とか「芳」とか、さらにいい意味の韻もふんでるなあ。宝玉、宝来、宝麗、隆宝っていう風にしても、壮絶な縁起の良さだ。

(ポン太郎)
 大豆の分際で宝玉とは、なかなかアンビシャスでやんす。

(owner)
 丸いことは間違いないからねえ。そのものずばりの「タマ(玉)」がついた名前も多いんだよ。
タマヒカリ、タマホマレ、タママサリ、タマムスメ、ムツシラタマ、たまうらら

 玉が光ったり誉れたり勝ったりして忙しいところに、「うらら」かになっちゃうのがワケわからんけど。

(ポン太郎)
 ムツシラタマってのは陸奥の国の豆でやんしょか?

(owner)
 東北農試の品種だからたぶんそうかな?地名で名付けるって云うのはこれまたお約束だよねえ。
陸奥・・・ムツシラタマ、ムツメジロ
阿蘇・・・アソアオガリ、アソマサリ、アソムスメ
北(北海道)・・・キタコマチ、キタホマレ、キタムスメ
十勝・・・トカチクロ、トカチシロ
   
 この他にも、ちょっとわかりにくいんだけど、「エンレイ」っていう品種は長野県の塩尻峠の近くで開発されたから、塩尻峠の別名である「塩嶺」を貰ってこういう名前になったらしい。

(ポン太郎)
 「艶麗」って意味じゃなかったんでやんすか?

(owner)
 うーん、せっかくカタカナ名前なんだから、好きな字を「あてる」っていうのも楽しみのうちかもしれないね。ちなみにこのエンレイは、相当有名な品種だから、これにあやかったみたいな品種もあるよ。  
エンレイ、ギンレイ、タンレイ、ホウレイ


(ポン太郎)
 どれもお酒の名前みたいでやんすねえ。 

(owner)
 むむむ、云われてみれば・・・。でも、こういう麗しい感じの名前がつくっていうのは、日本の大豆の姿の良さに対する「こだわり」みたいのがあるからかもかもね。沢山穫れればいいっていうだけじゃなくて、例えば大粒であってほしい、とかね。大げさだけどブリーダーさんの願いと苦労の歴史が名前に出てくると思う。
大袖の舞、おおすず、オオツル、ミヤギオオジロ


(ポン太郎)
 じゃ、じゃあ、そういう願いごとの一番多いのはなんでやんしょか。

(owner)
 そりゃあ、この一群をみればわかるんじゃない?桁違いに多いもん。
シロセンナリ、シロタエ、シロメユタカ、アキシロメ、オクシロメ、オシマシロメ、トカチシロ、トヨシロメ、ナスシロメ、ナンブシロメ、フクシロメ、ワセシロゲ、ワセシロメ、オクメジロ、コガネジロ、コケシジロ、シンメジロ、ナガハジロ、フクメジロ、フジミジロ、ミヤギオオジロ、ムツメジロ、ムツシラタマ

 つまり大豆の目(ヘソ)の色なんかが白いことだ。
 豆腐にするには目の色は関係ないし、褐目の品種のレトロな雰囲気を生かした納豆なんかもあるから、必ずしも白くなくたっていいんだけど。それでも品種名じゃなくて「○○県産白目大豆」なんていういい加減な通称で取り引きされる大豆もあるから、重要な形質の一つなんだよ。

(ポン太郎)
 気持ちは分かるけど、退屈な名前でやんすねえ。

(owner)
 厳しいなあ。でも、さすがに、ネタ切れなのか、ここ10年以上はシロ付き品種は出てないね。やっぱり、名前もイメージのうちだから、できれば米の「きらら」みたいに、心に落ちるネーミングがいいよね。

(ポン太郎)
 おいら、最初の方にでてきた「いちひめ」っていうのがいいでやんす。産婦人科とか子宝地蔵の前で袋に詰めて売ったら、ばしばし売れそうでやんす。

(owner)
 グッズ化するなら、幸福の豆「福豊(フクユタカ)」もすっごい縁起良さそう。受験生向けに大攻勢かけるとか・・・。

(ポン太郎)
 美人の豆「艶麗(エンレイ)」も侮れないでやんすねえ。

(owner)
 ははは、くだらない。でも、古今東西、名は体を表すんだから、やっぱり頑張ってつけなくっちゃだめだっていうことで、なんとなくまとまってきたから、そろそろSee you next week!・・・かな?

(ポン太郎)
 来週はテーマも変わるでやんすよ!

(owner)
 ああ!勝手に予告するな!(←まだお題を考えていない)
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