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日本の大豆☆アメリカの大豆 第26週

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そいぷろだくつ その9

SOY PRODUCTS(大豆製品)VOL.9

(ポン太郎)
 親分!大変でやんす!!

(owner)
 おや、ポンちゃん、久しぶりだね。こうはいさんと遊んでもらってたんじゃなかったの?

(ポン太郎)
 あ、あのお姉さんは、優しい顔をしてネズミ界の悪魔でやんす。油断すると腹をかっさばかれて肝臓を取られるでやんすよ!

(owner)
 ・・・そんなことしないって。お世話になったのに失礼な。
 ところで何が大変だったのかな。

(ポン太郎)
 親分が、ふらふらしている間に世間は真夏でやんす!本物の自由研究の季節がきちゃったでやんす!
 この読者からのお手紙を見ておくれでやんす!

私は、自由研究で大豆について調べていますが、なぜ大豆からしか豆腐ができないのか理由がわかりません。また、なぜ豆腐が固まるのかもわかりません。教えてください。

(owner)
 これ、掲示板でも似たような質問があったねえ。同じ人?

(ポン太郎)
 それが違うんでやんすよ!ひょっとして今年、流行っているんでやんすか?

(owner)
 どこぞの自由研究のネタ本にでも載ってるんだろうか。
 みんなが豆腐に関心をもってくれるのはいいけど、こういうのを教えるのっていうのは学校の先生の仕事じゃないのか?

(ポン太郎)
 ・・・親分。答がわからないなら、わからないって、はっきり云いなさい。

(owner)
 だって、大豆からしか豆腐ができないなんて誰が決めたんだよ〜。もしかするとできるかもしれないじゃない。

(ポン太郎)
 そういや、卵豆腐とか、ゴマ豆腐とかの立場がなくなるでやんすね。

(owner)
 でしょ、でしょ。まあ、卵豆腐は熱で卵を固めたものだし、ゴマ豆腐は、ごまを葛で固めたり、大豆の豆腐に混ぜ込んだりっていう作り方だから、純粋な意味で豆腐じゃないのかもしれないけどさ。
 この間、枝豆豆腐っていうのがあって、浮かれて買ったら、潰した枝豆を寒天で固めた食べ物で、なんだか、ひどく裏切られた気持ちがした(←枝豆と大豆をミックスして、普通の豆腐みたいに作るパターンの製品もあります)

(ポン太郎)
 うむむ。大豆の豆腐みたいに、それだけを絞って温めて凝固剤をいれるっていう作り方とは、ちょっと違うんでやんすね。ところで、なんで、豆腐って固まるんでやんしょか。

(owner)
 これについては、このHPの掲示板にTerryさんがこんなことを書いてくれました。
 豆腐の凝固剤には、大きく分けて1)塩凝固と2)酸凝固の2つのタイプがあります。
1)塩凝固
 代表的な凝固剤として、塩化マグネシウム(ニガリ)と硫酸カルシウム(すましこ)があります。これら凝固剤の塩部分(マグネシウム、カルシウム)と大豆タンパクが反応して凝固します。これは一般的に塩凝固と呼ばれていますが、大豆タンパクのマイナスの電気を帯びた部分と凝固剤のプラスの電気を帯びたマグネシウムイオンやカルシウムイオンが結びつき凝固する反応です。
2)酸凝固
 グルコノラクトン(グルコン)による凝固です。これは牛乳にレモン等の酸を入れると固まりますが、それと同じく、豆乳にグルコノラクトンを入れるとそれが徐々にグルコン酸という酸に変化することによって 酸凝固するわけです。豆乳にレモンを入れても固まりますが、凝固にムラができます。グルコノラクトンはそれ自体は、酸ではありませんが、水に溶かすと徐々に酸になりますので、凝固にムラができずに均一に凝固します。このグルコノラクトン及びグルコン酸は、ぶどう糖から発酵により製造されています。ミツバチも体内でぶどう糖から酵素によりグルコン酸を製造しています。このグルコン酸は、ハチミツだけでなく、ワイン・米・ローヤルゼリー等の自然界に多く存在する物質で、ビフィズス菌を増やす機能も有しています。

(ポン太郎)
 ふっへ〜、豆腐の凝固剤って一種類じゃないんでやんすね。ニガリとすまし粉と、グルコン?

(owner)
 東京のスーパーの豆腐売り場で見ると、最近はニガリ(or塩化マグネシウム)を使った製品が圧倒的に多いみたい。絹ごし豆腐にはグルコノラクトン(GDLともいう)や、すまし粉(硫酸カルシウム)を使ったモノもちょっとあったかな。二種類の凝固剤を混ぜて使っているメーカーさんもあるしね(そもそも、二種類以上の物質が混ざっている凝固剤も売られているらしい)
 この辺は、地方色もあるかもしれないから、実際に近所のお店屋さんで確かめてみることをお奨めするよ。

(ポン太郎)
 でも、本物の豆腐っていうと、ニガリって感じでやんすけれど・・・。

(owner)
 どうかなあ。この間、テレビ番組で、中国の豆腐の本場「豆腐村」を訪ねるっていうのがあったけれど、そこでは、凝固剤に石膏を使ってたよ。石膏の主成分は硫酸カルシウム、つまり「すまし粉」だよね。何が本物かっていうのは、難しいと思う。
 ちなみに、近所の埼玉屋さんから、3種類の凝固剤をわけてもらったので、舐めてみてね。

(ポン太郎)
 グルコンは・・・あれ?ちょっと甘いでやんす。さすが、ぶどう糖から出来てるでやんすね
 すまし粉は・・・なんの味もしないでやんす
 ニガリは・・・苦っ!!!

(owner)
 強烈にまずかろう、ニガリ。だけど、これを豆腐にすると不思議なんだな。グルコン+すまし粉で作った豆腐と、ニガリの豆腐を食べ比べてみると?
(ポン太郎)
 グルコン+すまし粉の方は・・・ちゅるるんとしてさっぱりでやんすね。
 ニガリは・・・うわー!すごい甘い!豆の香りが鼻に抜けたでやんす!

(owner)
 びっくりでしょ。グルコンやすまし粉で作った豆腐は、薄い豆乳を固めているから味がしない、みたいなことを書いている本があるけれど、全く同じ豆乳を使っても、ニガリの豆腐との味の違いははっきりしてる。どんな素人でも、目をつぶって食べたって違いがわかるよ。

(ポン太郎)
 甘い濃い豆腐を冷や奴で食べるなら、断然ニガリでやんすね。うっとりする程、旨いでやんす。

(owner)
 豆腐は固くてあっさりしてないとイヤっていう人もいるから、一概には言えないけどね。
 近頃、鬼気迫るほど旨い埼玉屋さんのニガリ豆腐だけど、弱点もあって、例えば絹ごし(グルコン+すまし粉)の豆腐と同じ時間だけ加熱をすると・・・。
←同じ大きさに角切りした豆腐を加熱した後。
左:ニガリの豆腐 右:グルコン+すまし粉の豆腐

(ポン太郎)
 ニガリの豆腐、た・・・たれてる。

(owner)
 そうなんだよ。熱を加えると、ふわっとした食感になるし、ボロボロになってくる。これはこれで美味しいんだけど、絶対に麻婆豆腐はやりたくないぞって感じ。

(ポン太郎)
 おみそ汁の豆腐も、きちんと四角い方が、いいお嫁さんって感じでやんす。

(owner)
 もちろん、各メーカーさんによって豆乳の濃さとか、作り方とか、大豆の種類とか違うからね。すべてのニガリの豆腐が、へたれるわけでもないし、うっそーっていうぐらい甘いわけでもない。
 自分の舌でいろいろ確かめてみないとダメだよ。

(ポン太郎)
 実践の自由研究でやんすね。
 ところで、上のTerryさんの説明の中に、豆乳にレモンを入れると固まるってかいてあったじゃないでやんすか。アレなら、簡単に出来そうでやんす。

(owner)
 それでは「豆腐もできる豆乳」で実験してみよう(←大きなスーパーで探してみてね)

 @レモンを搾る(ギュウッ)
  ↓
 A牛乳と豆乳にそれぞれ混ぜる(クルクル)

 おおっ、牛乳も豆乳も飲むヨーグルトみたいにドロドロになってる。
 これの原理は、なんとなく覚えてるな。牛乳の場合、普通はタンパク質の粒(カゼインミセル)がマイナスに帯電してるから、お互いに反発してくっつかず、液体の中に分散してる。そこに、酸が入ってpHが下がると、マイナスの電気がうち消されて、反発する力がなくなって凝集する。等電点沈殿っていうんだよ。きっと、豆乳でも同じようなことがおこってるはず。
 牛乳中のカゼインミセル


(ポン太郎)
 ぴ、pHと電気って関係あるんでやんすか?酸とアルカリじゃないんでやんすか?

(owner)
 それが、意外と電気なんだな(酸性:プラス、アルカリ性:マイナス)。詳しくは高校の化学の教科書を見るのだ。

(ポン太郎)
 親分ったら、よくわからないからって、ごまかしちゃって・・・。
 でも、レモンを入れたぐらいで飲むヨーグルトになるなら、豆乳からでも、ちゃんと作れば、ちゃんとしたヨーグルトになるんじゃないでやんしょか。
 おいら、実験してみたいでやんす。

(owner)
 だんだん、マジな研究っぽくなってきたなあ。まあ、こんなこと、本には書いてないから試してみるよりないんだけどさ。

 @豆乳に市販のヨーグルトを一匙加えて混ぜる
 ↓
 A温かいところに数時間おいて発酵させる(←ownerは大胆にも、室温で一晩放置。夏だからね)
 ・・・なんと、できたよ。


(ポン太郎)
 牛乳で作るより、よっぽどしっかりヨーグルトになってるでやんすね。どれどれ、お味の方は・・・。
 ・・・・。

(owner)
 ・・・すっごい豆乳の味。蜂蜜かジャムでもいれれば、なんとかなるかなあ。

(ポン太郎)
 でも、ここまで豆乳と牛乳が似てるだなんて、おいら、思わなかったでやんすよ。成分も似てるんでやんすか?

(owner)
 食品成分表で見ると、豆乳はタンパク質が3.6g。牛乳はタンパク質2.9g。タンパク質の種類は違うけど、量的には近いねえ。
 意外と牛乳から豆腐ができたりしてさ。

(ポン太郎)
 そんな、まさか。いくら豆乳からヨーグルトやアイスができたからって。

(owner)
 そうだよねえ、まっさか、そんな馬鹿なこと、ははは・・・


(ポン太郎)
 でも、酸を入れると牛乳も凝固するんでやんすよねえ。グルコン入れたら酸凝固なんちゃって・・・。

(owner)
 ・・・・。

 @牛乳を温めて沸騰直前で火を止める
   ↓
 A水に溶いたグルコノラクトンを入れてかき混ぜる。
   ↓
 嘘だろう!できてるよ!
  ←グルコンの牛乳豆腐

(ポン太郎)
 お、親分!じゃ、じゃあ、ニガリでは・・・?!

(owner)
 い、いくらなんでも、そこまでは無理じゃないの。タンパク質の種類だってさあ・・・。

 @牛乳を温めて沸騰直前で火を止める
   ↓
 Aぬるま湯に溶いたニガリ入れてかき混ぜる。
   ↓
 できた・・・。
←にがりの牛乳豆腐

(ポン太郎)
 グルコンで作った方は、ほのかな酸味でやんすね。ヨーグルトとカッテージチーズの中間って感じ?

(owner)
 ニガリの方は、やっぱり甘い。カッテージチーズと生クリームの中間?

(ポン太郎)
 ・・・大豆以外のものからでも、できちゃったでやんすね。

(owner)
 今から中学生に戻って、自由研究、出し直したくなってきたかも。

(ポン太郎)
 怒られるか誉められるかどっちかでやんすね。でも、教科書や学校の先生が何を云おうと、実際に作っちゃったモノ勝ちでやんす。

(owner)
 自由研究、あなどりがたし。もうちょっとがんばろうっと。
 てなわけで、今週は気持ちよくSee you next week!

まじめな読者の方へ(owner注)
 脱脂乳に凝固剤を加えて作るのがカッテージチーズだそうですから、ここで作った牛乳豆腐は、かなりそれに近いことをやったのではないかと思われます。
 つまり作り方は同じでも、原料の違いで、豆腐になったり、カッテージチーズ(みたいなもの)になったりするんですね。
 大豆を使わなくても豆腐は出来るけれど、大豆を使わなかった時点で、もはや、それは豆腐ではない、と言えるのかもしれません。

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  グルコン酸ってなあに?  
  藤沢薬品工業

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