スーパーウルトラZを読んで



ヒーローが愛されるのは強いからじゃない
映画でもアニメでも、怪獣モノでも
人気のあるヒーローというのは
意外とドジだったり、女の人に振られてばっかりいたり
泥臭く人間くさい部分をもっている
中には007のように、格好良さで塗り固めたようなキャラもいるけれど
ジェームスボンドのためなら死んでもいいと思っている人は
意外と少ないだろう
たいていボンドガールのスケスケの洋服の方が魅力的だ
極端な話、主人公なんてフーテンの寅さんでいいのだ
刑事コロンボだって、新品のレインコートを着たら
きっと見向きもされない
ファンはヒーローの意外にヒーローっぽくない部分こそを
こよなく愛している



さてスーパーウルトラZだが
美しい画面と絶妙の洒落っけで語られるこのヒーローの物語には
彼が戦う姿はほとんど出てこない
せいぜい、何に役立つのかよくわからない特技の紹介ぐらい
たいていの物語の中で、Zは平凡な日常をおくっている
そのたぐい希なる回転スピードで、庭に井戸を掘ってみたりとか
そういう時、読者が愛するのは、岩盤をも貫くZの能力ではない
井戸水で西瓜を冷やしてみたい、というささやかな彼の野望である
しかも、目論見が外れて温泉を掘り当ててしまったZの落胆と
それでもつるべの中で温泉卵を作ってしまう、いじましさに
膝を打って笑ったのは私だけではなかろう



この物語に登場する人々は
みな一様に明るい
明るいのだが、病的に熱帯魚を愛していたり
東京ドームを破壊するほどジャイアンツがキライだったり
コンピュータを使わせるとサル以下だったり
下らない駄洒落抜きに喋れなかったり
いろんな方向に尖っている
この激烈な個性のなかにあってZはむしろ大人しい方だ
だが、あまり人と争わず、忘れモノが多い地味な彼は
やはりこの物語の主人公である
それは彼が宇宙人だからでも
自由自在に縮小拡大が可能な身体だからでも
侵略者と戦って地球を守っているからでもない
夏が来たらチリンと風鈴のなる縁側に朝顔を咲かせて
うちわと扇風機を交互につかいながら
簾を垂らしてかき氷をつくったりする
蚊取り線香はブタの蚊取り線香入れに入れる
そういうところが、ある人種のツボにはまりまくるのだ



ちなみに私がこの話を選んだ理由は
Zの好物がお豆腐だから
エネルギー源が大豆タンパクらしい
あんまり人気のない豆乳を
Zのためだけにいつも補充してくれる基地の人とかも
強烈にツボにはまった
ポニーテールの女の子が好きだな、と思っている人は
きっと007の新作より興奮するに違いない(Zの好みのタイプ)
自分が好きなモノを好きな無敵のヒーロー
世界一、贅沢な物語である


(注)スーパーウルトラZは、最近ownerが深くはまっているオンライン小説です
   世にも珍しい大豆好きの正義の味方と云うことで、作者さんの許可を得てここに紹介しました

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