一月目 
〜法律☆その1〜

<注意!>ここで書かれている法律は、平成18年に廃止されています。
現在は「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律」が継承
大豆単体の交付金もなくなり、「農業者戸別所得補償制度」
「水田・畑作経営所得安定対策」
に引き継がれています


(owner)
 えーと、それでは今月のお題ですが、せっかく第一回目なので、張り切って「法律」についてお話してみようと思います。

(ぽんだい)
 法律だあ?なんで大豆に法律なんてのがあるんだよっ。マメ食うのは自由だろ!

(owner)
 大事な作物だからじゃないの?米や麦だと新食糧法とかいうのがあるしさ(正式には「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」)

(ぽんだい)
 けっ。お上は何でも取り締まればいいと思ってやがるな。どうせ大豆を勝手に輸入したら牢屋につながれるとか、そういう無体なヤツだろ。

(owner)
 つながれないよ。大豆って自由化してるもん。輸入なんか、好きなだけすれば。

(ぽんだい)
 ええっ。許可とかいらないのか?

(owner)
 植物検疫はいるけどね。輸入そのものはフリーみたいだよ。関税もかからないし。

(ぽんだい)
 そ、そんな気楽なことでいいのか?米とか、ミニマムアクセスとかいろいろ言ってんじゃん。

(owner)
 ま、大豆の自給率3%はダテじゃないってことだ。

(ぽんだい)
 威張るようなことか!じゃあ、何のための法律だよぉ!

(owner)
 まあ、一応、アメリカの言い分に負けて自由化しちゃっただけっていうと農家の皆さんにあんまりだから、交付金をあげて大豆生産と農家所得を守ろうっていう法律みたいだ。
 最初に法律が出来たのは昭和36年。「大豆なたね交付金暫定措置法」っていう名前だった。

(ぽんだい)
 なっげえ名前だなあ。暫定措置とかって、なんだよ、それ。

(owner)
   一時的っていう意味みたい。本当は、大豆もなたねも「農産物価格安定法」っていう法律の中で守られることになっているんだけど、まあ、輸入自由化しちゃってそれだけじゃ間に合わないから、一時的に特別に手厚く法律で守ろうっていうことで、「特別法」という形でこの法律ができたんだそうだ。
 それが約40年前ね。

(ぽんだい)
 おいおい!一時的って40年も一時的なのか!

(owner)
 目的が果たせなければ、ずーっと頑張るのかなあ。
 あ、でも今年法律改正があって、名前は変わったんだよ。今は「大豆交付金暫定措置法」

(ぽんだい)
 ・・・短くなった?

(owner)
そう。なたねがなくなって、大豆専門の法律になりました。ぱちぱち!

(ぽんだい)
 ぱちぱち、じゃねえよ!なたねはどこに行っちゃったんだよ!その、なんだ、なんとか価格安定法っていうのに帰ったのか?

(owner)
 いんや。もう、日本で限られた地域でしか作ってないから(主な産地は青森と鹿児島)、法律で全国的に仕組みを決めるよりは、予算とかで地域の実情にあったやり方に変えるんだって。農産物価格安定法の対象作物からも削ったみたいだよ。

(ぽんだい)
 うーん、よくわからねえ。それで、その大豆なんちゃら暫定措置法っていうのは・・・ま、待てよ。まだ暫定なのか!

(owner)
 仕方ないじゃん。目的を達成するまでは、長〜く頑張るのだ。

(ぽんだい)
 な、長すぎだよ!目的っていったい何なんだよぉ!

(owner)
 えーと・・・

○<大豆なたね交付金暫定措置法(改正前)の目的>
(第一条)この法律は、大豆の輸入に関する事情の変化が国内産の大豆及びなたねの価格に及ぼす影響に対処するため、国内産の大豆又はなたねにつき、販売の数量及び方法等を調整してその販売事業を行なう生産者団体等を通じその生産者に交付金を交付する措置を講じて、その生産の確保と農家所得の安定とに資することを目的とする。

○<大豆交付金暫定措置法(改正後)の目的>
(第一条)この法律は、大豆の輸入に関する事情の変化が国内産の大豆の価格に及ぼす影響に対処するため、国内産の大豆につき、販売の数量及び方法等を調整してその販売事業を行う生産者団体等を通じその生産者に交付金を交付する措置を講じて、その生産の確保と農家所得の安定とに資することを目的とする。

 アンダーラインが今回、改正になったところで・・・

(ぽんだい)
 ぐーーーっ

(owner)
 寝るなっ!!!

(ぽんだい)
 だって何言ってるかわかんねえよぉ。これ、日本語?

(owner)
 まあ、限りなく宇宙人の言語に近い日本語だな。
 一行ずつ読んでいくと、「大豆の輸入に関する事情の変化」っていうのは、昭和36年に大豆を自由化しちゃったから、っていう意味。
 「販売の数量及び・・・・生産者団体等」っていうのは、ややこしいから後で解説するとして、まあ、JA全農(農協の親玉)みたいな団体とかだと思ってね。
 つまり、平たく言うと、「自由化したせいで国産大豆の価格が下がっちゃうと大変だから、JA全農などを経由して交付金を出して、大豆生産と農家所得を安定させよう」、とまあ、こんな感じだ。
 法律改正前と後で、ほとんど目的が一緒なのがわかったでしょ。

(ぽんだい)
 確かに、なたねが抜けただけだなあ。あと、「行なう」が「行う」になってる。これ、なんか意味があるのか?

(owner)
 ん?ついでに直しただけじゃないの?個人的には、「行なう」の方が好きだけど、最近はワープロとか「行う」で出てくるよね。でも、この送りがなだと「おこなった(行った)」と「いった(行った)」が同じ字になっちゃうから、イヤだなあ。

(ぽんだい)
 お前がイヤかなんてのはどうでもいいんだよっ!
 ついで、とかそういうんで法律改正していいのか?

(owner)
 だって、字を直すだけで法律改正って言うのもバカみたいじゃん。昔の法律なんかカタカナなんだし、見直したら何年あっても足りないよ。
 今回は「農産物価格安定法」も、なたねを対象から除外するために同時改正したみたいだけど、ついでに「甘しょ」を「かんしょ」に、「馬鈴しょ」を「ばれいしょ」に、「参しゃく」を「参酌」に、とか、どさくさに紛れて色々変えてるんだよ。改正箇所が全部で25箇所あったけど、中身に関係あるのは「なたね」を切った1つだけで、残りの24カ所は全部、送りがなとか言い回しとかの便乗改正だった。

(ぽんだい)
 へーっ。ドサクサに紛れて色んなことしてんだなあ。

(owner)
 しっ、人聞きの悪い。読みやすい法律にしたと言いなさい。

(ぽんだい)
 これが読みやすいってなら、お前脳味噌腐ってるぞ。  要するに、さっきの目的だって、農家は大豆を作ると金が貰えるってことを、ぐだぐだ書いてるだけじゃねえか。

(owner)
 ただ作ればいいってんじゃ、ないけどね。交付金の出し方も、今回の法律改正で変わったみたいだし。ま、話せば長くなるから、この解説はまた今度ね。

(ぽんだい)
 えええっ!もう終わり?!

(owner)
 だって疲れちゃったんだもーん。See you next month!

(ぽんだい)
 ・・・(ポン太郎が早死にしたのってひょっとして・・・)