カルピスだけじゃなかった日本の夏


夏休みの一日は、学校のプールに行ったりして、すぐ夕方になってしまう。家に帰ってきて、おやつに切ってもらった西瓜なんかを食べていると、ちょうど、外から、ボープーっていう豆腐屋さんのラッパが聞こえてくる。母親がボールと100円を手渡してくれるので、サンダルを突っかけてぱーっと駆け出す。豆腐屋さんは自転車に乗っているから、家の外に出たときには、決まって、ずいぶん先に行っていた。

「お豆腐やさーん」なんて声をかけながら走っていって、だいたい、捕まえる場所も毎日同じ。一日に一丁だけ買う。小さな木の水槽の中の豆腐は、二丁で一つの大きさに切ってあるから、豆腐屋さんが器用にすくい上げて、四角い包丁で真っ二つにして、ひょいとボールに入れてくれる。たまには、一丁だけで泳いでるのを、すくってくれたりしたけれど、何故か切ってもらう豆腐の方が好きだった。

夏休みで時間があるから、ご飯の前にお風呂を済ませちゃって、上がってくると、さっきの豆腐が冷や奴になっている。鰹節とショウガとネギがのってる上に、醤油をざっとかけて食べる。どんな味がしたとか、全然覚えてはいないんだけど、冷たい舌触りだけ、スゴく鮮明な気がする。

今は、田舎でも自転車引きの豆腐屋さんは回ってこなくなったみたいだ。でも、夕方にあのラッパを吹き鳴らしたら、ついつい、飛び出して来ちゃう人は、きっと沢山いると思うよ。



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