DMC-G3(DMC-GX1)で外部電池を使えるように、DMW-BLD10互換の電池型アダプタを作る


2012/8/24

LUMIX DMC-G3で鉄道の前面展望動画を長時間連続撮影するために、大容量の外部バッテリーを使うべくDCカプラーDMW-DCC9を買った。
しかしDMW-DCC9は8.4V出力のACアダプタ用で、リチウムイオン電池の電圧(2セル直列で7.2V)を供給すると、一瞬ライブビューが表示されたあと「この電池は使用できません」とメッセージが出て強制的に電源OFFになってしまう。(動作はしてるわけだから、たぶん互換電池排除のための措置だろう。)
リチウムイオン電池は満充電直後の最高電圧が8.4V、そこから電圧が下がっていって最終的に6.0Vになる。そのままだと満充電直後の一瞬しか使えない。

DC-DCコンバータで外部バッテリーを6.0〜8.4V→8.4Vに昇圧・安定化させる方法もあるが、コンバータの効率は80%程度なので、容量が目減りしてしまい稼働時間が少なくなる。残量表示もされない。
そこで、純正の内蔵電池DMW-BLD10内部にある電子基板をDCカプラーに内蔵させ、カメラには内蔵電池で駆動してるように騙すことにした。
GX1やGF2も同じバッテリーを使ってるので、これを使って外部バッテリーが使えるようになる。

<注意!>リチウムイオン電池を分解すると異常発熱・発火・爆発する恐れがあり危険なので、やめといたほうがいいよ。



 
バッテリーDMW-BLD10(上)とDCカプラーDMW-DCC9(下)を殻割りして分解。(G3は互換電池でも動くがGF2は互換電池だと残量表示されないため、GF2で使うことも考えあえて高価な純正電池をバラした。)
バッテリーは4端子あるのに対してDCカプラーは+-の両端2端子しかない。真ん中二つの端子からの信号でバッテリーとDCカプラーを区別してるんだろう。
DCカプラーを加工するよりもバッテリーの基板とケースをそのまま流用したほうが簡単そうなので、DCカプラーは元に戻した。(買わんでもよかったな)

 
DMW-BLD10の中味を取り出し、基板とセルをニッパーで切り離す。
実は中味が強力両面テープで固定されてて、強引に取り外したら2つのセルのうち1つが内部でショートしてしまったようで発熱しだして、爆発するんじゃないかと焦った(^_^;)(あわててベランダに出して、しばらくしたら収まった。電圧を計ると1V。危なかった・・)
基板とセルをつなぐ金属箔に大きめのチップがついてるが、これはたぶん発熱時に電通を遮断するためのサーモスイッチだろう。カプラ化したら不要なのでパスする。
2つのセルの中間からも金属箔が伸びて基板につながっている。セル間のバランス測定のためだろう。


基板に3本のケーブル(プラス、マイナス、2セルの中間)をハンダ付け。


外部バッテリー(ROWAで買ったリチウムイオン18650の生セルを3本並列で束ねて標準DCジャックを付けたもので、ザクティの外部バッテリーとして作ったもの)を2つ直列でつないで動作確認・・・動いた。残量表示もされてる。


ケーブルを伸ばしたままだとカメラの電池蓋が閉まらないので、コネクタを付ける。
3端子必要なのでDCジャックは使えず、ステレオ用のオーディオジャック。エポキシパテで固定した。(ステレオプラグは抜き差しするとき一部ショートするので、プラグを刺してからバッテリー接続、バッテリーを外してからプラグを外す、に留意。)


ケーブル作成。カメラ側はステレオプラグ、途中で2又に分かれて標準DCプラグ×2。リチウムイオン電池1セルずつに接続すると直列接続となるようにした。




完成。


G3で長時間連続撮影させて動作確認。
18650を4.0Vまで充電して(満充電だと4.2V)2つ接続して撮影開始。1時間30分撮ったところで止めたが、G3の残量表示は満タン状態のままだった。(G3のボディが暖かくなったのでここで止めた。)
DMW-BLD10は1010mAhで連続動画撮影時間が110分。18650は2250mAhの3本並列で6750mAhなので、735分(約12時間)の撮影ができる、はず。



18650の6本組だと重すぎるので、18650単セル4本と電池ボックスを買って電源を新しく作った。
並列2本組ごとにDCジャックをつけて、それを2つ並べた。今回作成したケーブルを使えば2本並列の2セット直列になるし、並列になるケーブルを使えばザクティ用に4本並列にもなる。 2本直列のみの運用もできる。