煙突型パソコンケース CTE C750 でビデオカード2枚(5080+4080)をツインATX電源で動かす

2025/6/1


これまで静音と3.5インチドライブシャドウベイ数で選んだケースantec P100を10年近く使ってきた。3DゲームはやらないのでチップセットやCPU内蔵のオンボードビデオ機能のみ。
画像生成AIをやってみようとまずRTX3060 12GBを中古で買って試してみたらハマって、すぐZotac RTX4080 trinityに交換。合わせて電源も1000Wに交換。
かなり発熱するので天板に高速14cmファンP14MAX(95CFM)を付けて排気させるが、それでも熱が籠る。側板を外したらビデオカードのhot spot温度が10度近く下がってエアフローが良くないみたい。
次に冷却重視でMSI RTX5080 spurimを買ったら、デカすぎ長すぎシャドウベイにぶつかって物理的に付けられない。

左からPalit RTX3060 Dual OC 12GB LHR、Zotac RTX4080 16G Trinity、MSI RTX5080 16G SUPRIM SOC。

5080は4080と消費電力ほぼ同じなのに、SUPRIMは縦横高さとも1.5倍ほど大きく体積は約3倍。大きいぶん放熱・冷却性能はとても高い。

ということで次はエアフローと大きさ(E-ATX対応のフルタワー)重視でケースを選ぶ。
底から外気を入れて天板から廃熱するのが熱が籠らずよさそうなので、CTEの一番でかいC750にした。甘で24000円。
もう作ってないみたいで、あまり受けなかったのかな。調べた限りでは悪い評価は見当たらなかったし、エアフロー重視のフルタワーの中では安い方なのでこれにした。

これまで使ってたRTX4080も挿して2枚並列でstable diffusionさせる。
協調動作はできないけど、4080はキャラクターやプロンプトを変えて少量生成させ最適プロンプトを探り、5080は確定したプロンプトで大量生成させる、と使い分ける。




届いたCT750、予想の1.5倍くらいでかい。これだけ大きいと庫内配置やエアフローに余裕が出そうだ。
そのままだと不満な点がいくつかあったので、届いたその日に1日かけて加工した。

・電源スイッチやUSB3.0ジャックは床置きを想定してるのか上面についており、出窓スペースに置いて使うと全く目と手が届かなくなるので、上面から外して操作パネルを切り出して前面パネルに穴を開けて移設した。
ついでにマザボ内部ピンから引き出したUSB2.0×4ポート(本来は3.5インチベイに付けるやつ)をケース前面パネルに穴を開けて付けた。


・底部に吸気ファン3つ(ケースに附属していた14cmファン 12V0.3A)を並べて底から吸気させて上面と背面上部から排気させ、出窓に置いて隣の工作部屋に排気させる。前面のメッシュパネルは裏を透明アクリル板で塞いで前に排気が出ないようにした(パソコン部屋が熱くなるので)
吸気抵抗になりそうな底面のパンチングメッシュガードや12cmファン用のステーはグラインダーで切断除去して素通しにした。
そのままだと真上に風が吹くので、ファンステーを傾けてマザーボードやHDDに吹き付けるようにした。隙間はマスキングテープで塞ぐ。(塞がないと空気が庫内循環になって熱が籠る)

消費電流0.3A×3で1A近くになるので、PWM制御信号と回転数信号のみマザーボードのピンに付けて、駆動電流はSATA用電源コネクタから取るケーブルを付けた。

・5080と4080を2枚刺しで同時に全力駆動させると1000W電源では足りないと予想されるが、1300WのGOLD電源は高いので、デュアル電源にする。
CPUマザーボードHDDと5080はCORSAIR HX1000で動かして、4080の補助電源は故障時の予備として買ってあったTFDP-TF1000(と名乗ってるが実態は中国製の新品6000円のパチもの)から供給する。
電源二つをケースに内蔵させるため、背面パネルの電源収納部の上(デッドスペース)をディスクグラインダーでカットしてもう一つ排気口を追加して、固定ボルトのネジ穴(鉄板に手持ちドリルで穴を開けるのは難儀なので、グラインダーで横凹を付けた)で固定する。
吸気は外からするようになっているので、右側板にあった吸気口を上に拡大し、別の場所用の使わないマグネット埃フィルタを付けた。

メイン電源のSATA電源ケーブルに供給された12Vでリレーを駆動し、サブ電源ATXコネクタの15-16ピンをショートさせONさせるATX電源連動基板を使った。
(もっと単純なATX24ピンコネクタ二股分岐ケーブルもあるけど、グラウンドはビデオカード部のみで共通にしたく、電源ケーブルでもGND共通にしてグラウンドループになるのを避けるため、GNDアイソレート可能な連動基板にした)

・3.5HDDは板に張り付けるように取り付けて板を前部等に付けるようになってるが、これだと放熱性が悪いがし収納台数も少ないので、水冷ラジエター取り付け用のステーを切って曲げて横置きHDDラックにした。
詰めたら10台くらいは入る。


・左側板はガラスパネルになっているがPCの中を見る必要はないので、手持ちの2mm厚アルミ板を同サイズに切り出して、上部は金具を曲げひっかけフックを付け、下部は回転式のひっかけフックをつけて内側から固定するようにした。前面パネルを外して手を入れて付け外しする。
左側板に直径14cmの穴を2つあけてビデオカードとHDDに外気を当てるファン吸気口を新設し(ガラスだとこれができないんよね)、ビデオカード側には高速大風量のP14MAXを、HDD側には静音14cmファンを付けた。
 

底面と左側面から5つの14cmファンで吸気して陽圧にし、背面上部と上面から排気させるエアフローとなった。


・ビデオカードのヒートシンクによっては、縦置きにするとヒートパイプの関係で冷却性能がガタ落ちするものがあるようで、持ってるMSI 5080suprimとZotac Trinity4080をまずは普通のヒートシンク下側横置きで全力駆動させ温度測定し、その後縦置きして駆動させ温度測定した。
5度くらい温度が高くなったけど、まあ許容範囲なのでそのまま使う。

・俺の使ってるマザーボード(Asrock Z690 Pro RS)はPCIE5.0x16が2スロット目・PCIE4.0x4(x16幅)が5スロット目にあるが、MSI5080SUPRIMは4スロット占有する巨大なカードで、第5スロットはヒートシンク下に完全に隠れてしまいストレートタイプのライザーケーブルすら挿せない。(ヒートシンク下端とスロット上端の隙間は5mmくらいしかない)
またPCIE4.0x4レーンに4080を挿すと帯域が足りずボトルネックになると思われる。

そのためPCIE5.0x16を、5スロット以上離れた2つのスロットにx8ずつレーン分割できるマザーボードに更新することにした。
転送速度検証記事によると4090ですらPCIE4.0x8で十分なようなので、倍の帯域幅のあるPCIE5.0x8で全く問題ないだろう。
画像生成にCPUパワーは必要ないのでCPUは今のi5 12400をそのまま使いたく、core ultraが出てるのに今更だが(Z790は中古でもまだ高いので)Z690の安い中古を購入し、メモリはDDR4が使えないので仕方なくDDR5に更新した。

x16をレーン分割できるマザーは多数あるが、ほとんどが第2・第5スロットへの分割で、4スロット占有のカードだと第5スロットが隠れてしまう。
第2・第6スロットへ分割するマザーは新品発売時10万円以上したハイエンドものしかない。
探した時点で安価で見つけたのは「ROG MAXIMUS Z690 EXTREME」がメルカリで50,000円、「Gigabyte Z690 AERO D」がヤフオクで32,000円。ROGのほうはメモリスロットにM.2SSD2枚を挿せるカードが附属しており値段差が小さければそっちがいいが、40,000円への値引き交渉が不発だったのでGigabyteを買った。
DDR5メモリ用なのでこれまでのDDR4 8GB×4からDDR5 32GB×2に差し替え・

AEROの長所として、CPU直結M.2のPCI-E3.0x4レーンとカードスロットのPCI-E5.0x16レーンが独立してるので、CPU直結M.2SSDを付けてもビデオカードは16レーンフルに使える。
ROG MAXIMUSはCPU直結M.2のレーンとカードスロットのレーンが共有・排他で、CPU直結M.2にSSDを付けるとカードスロットはx8しか使えなくなり、当然レーン分割もできない。

PCIE第2スロットに5080を挿し、第6スロット(PCIE4.0x16)にはLINKUP AVA5 PCIE5.0x16ライザーケーブル20cmを挿して、ケース背後に4080を設置。
第7スロット(PCIE4.0x4)にPCIE4.0x4ライザーケーブルを挿しチューナーカードPX-W3PEを付けた。
M.2 SSD三つが5080ヒートシンクの真下に覆われてしまいだいぶ熱くなるので、これもM.2ライザーケーブルを刺してビデオカードから離れた場所(底のケースファンの真上)に退避させた。風が直に当たるので冷え冷え。


BIOSの状態表示を見ると、第2スロット5080はPCIE5.0x8、第6スロット4080はPCIE4.0x8、第7スロットW3PEはPCIE1.0x1でリンクしており、意図した通りになった。


・4080は20cmライザーケーブルが届く範囲内で5080の放熱の邪魔をせずにケース内に設置できる場所が無かったので、ケースの外に出して背後部に付けた。
縦置き用ステーをくふうして背後のレールに横向きで固定し、下に高速12cmファン(ビデオカードファンと連動)を付けた。


マザボを変えたついでにCPUを見てたら、電圧過剰劣化問題のせいか14世代core i5のバルク新品がヤフオクに安価で大量に出ててつい14600KFを23000円で購入してしまい、発熱が上がるのでクーラーを無限5から空冷最強と言われるNH-D15の中古に交換した。でかでかクーラーだが、クソでかケースなので楽々収納。


・ケース上面からの排気がパソコン部屋に入らないよう、ダンボールプラ板で覆うカバーを作って出窓上部の隙間から隣の工作部屋に排気するようにした。

上記カバーの設置によりマザボのバックパネル(このケースだとトップパネル)へのアクセスが面倒になるので、ケーブル類はすべて延長ケーブルを付けてケース横に引き出した。
USB3.0×6、USB3.2C×2、HDMI、DisplayPort、LAN、オーディオ、ビデオキャプチャカードの地デジ・BSアンテナケーブル。



以下、stable diffusionやPyTorchとXformersのアップデート等、ソフト方面の構築は次ページにて。