DDV-1080HD レビュー、サンプル動画、実写画像 &CSマウント化改造

2008/10/14

これまでサンヨーのDMX-HD1AをCマウントに改造して鉄道の前面展望ビデオを撮影してたが、
映像素子がCCDなのでレンズの絞りが開きすぎて光量過多になったときにスミアが出て不満だった。
DMX-HD1000はCMOSになったが相変わらず望遠寄りで画角の狭いレンズだし、改造ベースにするのも価格が高くて勿体無い。
てことで中国製の安物HDムービーカメラを買ってみた。国内の流通だと5万近くするけど、ヤフオクで2万で入手できる。

参考
フルHDザクティHD1010をCマウントに改造
Cマウントレンズ24本レビュー&実写サンプル
DMX-HD1AをCマウントに改造
安物ビデオカメラをCマウントに改造
安物デジカメをCマウントに改造

●外見


SDカードは付属しない。思ってたより軽くて小さい。


三脚穴は金属製。SDスロットは底部という旧型ザクティと同じアホな造り。三脚使用時にカード交換できない。
銀色の丸は電源スイッチ。モニター開閉でのON/OFFもできるし、モニターを開いたままこのスイッチでのON/OFFもできる。


モニターは大型で写りは綺麗。ただしバックライト光量を最小にしても明るすぎ、液晶で白とびしてるように見えてもPCで確認したら飛んでなかった。
また、バックライトをオフにすることができないので長時間撮影時は電池がもったいない。なのでモニターケーブルを途中で切断し、バックライトON/OFFスイッチをつけた。(改造内容は後述)


レンズのフォーカスは手動。風景撮影ならこれでも困ることはない。


操作部。中央のスティックでワンタッチでホワイトバランス変更、夜景モードON/OFF、ストロボON/OFF、ビデオライト(白色LED2つ)ON/OFFの設定ができる。


電池。バックライト常時ONなせいか持ちがよくない。フル充電してフルHDで45分くらい撮影して残量警告が出る。USBケーブル経由の電源供給で本体に装着したまま充電できる。
残量管理がタコなのか、連続撮影して残量警告が出てもしばらく休ませてONにするとまだまだ撮影できたということが多発。


電源ONにしてると常時モニターパネル表にある青色LEDが点等する。うっとおしいので分解して消した。


●実写動画、画像

動画は業物氏のアップローダを拝借しました。
自動車のダッシュボードに乗せて前面展望を撮影。撮ったままカットもなんもせず未編集。

1080P・1:16、68.5MB
http://www.wazamono.jp/carmovie/src/car8848.mov.html
720P・1:28、42.5MB
http://w64.wazamono.jp/carmovie/src/64car0860.mov.html
静止画
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/bokuto/ddv1080hd/file0026.jpg


正直いって、アジア製の安物デジカメも進歩したなぁ・・と思った。
音はモノラルだし光学ズームや手ぶれ補正もないけど、映像の画質だけなら日本製のザクティにも負けてない。
静止画も等倍で見ると粉っぽい粒子感があるけど、75%くらいに縮小すれば結構見れる。
国内のこの手の縦型ムービーは日常でのスナップショットをコンセプトにしてるはずなのに、どれもこれも望遠寄りのレンズばかりでワイコン必須・・かといってワイコンをつけると重くかさばるし、色収差が出て解像度も落ちて画質が劣化する。
どうせ改造ベースにするなら高い国内メーカーのムービーカメラでなく中国産の安いのをと買ったが正解だった。

Cマウントに改造

基本的にHD1AのCマウント化と同じようにする。

●分解、改造


電池ボックス内にあるネジを外してモナカ構造のボディを開く。ボディのプラはかなり柔らかい素材。塗膜も弱い。


本体基板の裏側。中央にある「Ambarella A2-A1-RH」がエンコードチップ。動画撮影してるとかなり発熱する。両側のHyNiXチップはRAMとファームのフラッシュROMかな?
写真右下にある黒い筒はマイク。取り外してWM-61Aに換装したら音がちょっとマシになった。


Cマウントリングをつけるためにボディの邪魔な部分を切断。


レンズ・映像素子(CMOS)ユニット。
安物ムービーカメラの例にもれず、CMOSとレンズの間に絞りやシャッターといった機械装置がまったくない電子シャッターオンリーのカメラなので改造は簡単。
本体基板とはコネクター接続で方向は変えられない。
(DMX-HD1みたくケーブル接続だったら上に向けて横型カメラにしようと思ってたのに、残念・・)


ユニットからレンズを外す。レンズの最後部に赤外線カットフィルタがついている。

☆これ以降、作業途中の写真を撮ってなかったのでいきなり完成状態に移ります。


内蔵レンズを外してCマウントリングを設置。ピント調節機構のないパナソニックレンズのために、ピント調整機構をつけた。

Cマウントリングは高さ調節のため、ガラスの上に置いた紙ヤスリで削り電子ノギスで測りながら均等に削った。
硬化の遅いエポキシパテでCMOSの載っている基盤に固定。
1/3インチ対応レンズをつけて映像を見ながらケラレが四隅に均等に出るようにして中央をあわせた。
ピント調節機構はCマウントリングを2つ重ねて間にバネを入れただけ。
リングを回しやすいように棒やすりで凹凸をつけネジを刺した。

赤外線カットフィルタは1/1.8CCDのジャンクデジカメ(finepix6800Z)から移設。
両面テープで固定してあり、簡単に外して赤外線撮影をすることができる。

明るいレンズを使った時にCMOS表面で反射した光でフレアが出てしまうため内部に植毛紙を貼りたかったがホコリの発生源になりそうなので、つや消し塗装で対応。


長時間撮影時に電力消費を抑えるため、モニターのバックライトのON/OFFスイッチを設置。
モニターの中にあるフィルムケーブルの途中に小型のトグルスイッチを割り込ませた。
写真はバックライトOFF状態。外光があればわずかに内容が見える。


長時間撮影時の発熱対策のため、エンコードチップにでかいヒートシンクをつけた。
フルHDで撮影していると1分ほどでヒートシンクが熱々になる。ヒートシンクの効果は大きく、バイクの前面展望映像をヘルメットマウントで風をきって撮影していると何時間連続撮影しても熱くならない。
モニターを閉じたとき画面がヒートシンクにぶつからないように下部にエポキシパテで出っ張りを作った。この位置でもモニターの開閉で電源ON/OFFがギリギリできる。

内蔵バッテリー端子にケーブルをハンダ付けして外に引き出しコネクタを付け、外部バッテリーに対応。
内蔵バッテリーと外部バッテリーどちらでも使えるようした。


リモコン受光部を前側から後側に移設。
ボディ後側にドリルで穴をあけ、前側にあった窓のIRプラを移設、フォトダイオードはニッパーで切り取り、元の場所からケーブルをのばしてエポキシパテで固定した。


雲台に設置しながらSDカードの交換ができるように、本体上部にも三脚穴を追加。
縦型カメラで底部の三脚穴だとレンズがブレやすいので、上にあったほうがブレを抑えられる。
ジャンクデジカメ(finepix6800Z)の三脚穴パーツを利用。ネジで固定し、アルミ板とエポキシパテでベースを作った。


内蔵バッテリーはNP60(1000mAh)の互換品。これはNP120(1800mAh)の厚みが 半分になっただけで、縦横幅や端子の位置は同じ。なので、バッテリー収納部に ある出っ張りを切り取ってNP120が使えるようにしてある。(とうぜんフタは付けら れないけど)
HD1Aの外部バッテリーとしてNP120を3つ重ねて並列に接続したバッテリー(5400mAh)を 作ってあったので、長時間連続撮影時には上のようにしてタイラップで巻いて使っている。これで計算上は5時間半撮影できるはず。


ヘルメットマウントに装着。


●実際に使ってみて


●改造後の動画サンプル

(サムネイルをクリックするとアップローダーの当該ページに飛びます。MP4Exporterでカットして再圧縮無しで切り出し。それ以外は手を加えていません。
VLCでの再生を推奨。最初の1秒くらい画面が固まりますが、カット編集のせいみたいです。)

2.1mmF1レンズ(撮影時約F8ほどに絞り込み) ヘルメットマウントでバイクの走行前面映像。

1280x720。22.7MB。池間島の集落内。
スピードは出してないけど超広角なのでスピード感がある。

1440x1080。51.2MB。池間大橋の上を快走。
 

●いろんなレンズでの実写静止画サンプル

(サムネイルをクリックすると大きな画像に飛びます。1600x1200に縮小しています。それ以外は手を加えていません。)


バイク走行動画から切り出し。
広角レンズ(Panasonic WV-LA210C3)をつければこんなけ広く、歪みのない絵が撮れる。


F1.4のレンズ(GXL-C1)の絞り開放にて手持ちで夜景撮影。ISO400、1/3.8秒。元のレンズだと絶対に撮れない。

同じ位置から同じ方向を、レンズを換えて撮影。
Panasonic WV-LA210C3。
2.1mm(換算13mm)の超広角にしてF1という明るいレンズ。1/3インチ対応なので1/2.5インチCMOSではわずかに四隅がけられ周辺部の画質も落ちているが、1/3の範囲内では優秀な描写。
PENTAX TV ZOOM LENS 8-48mm。
6倍ズームにして広角端F1、望遠端F1.2という明るさの素晴らしいレンズ。絞り開放から解像度が高く描写が良い。写真は20mm(換算120mm)にて撮影。
Canon 17-102mm。
とても大きく重いレンズ。絞り開放F2とあまり明るくない。望遠端102mm(換算613mm)で撮影。手持ちではブレまくって撮影不可能。