ザクティDMX-HD1010をフリップ化する

2011.4.17


ザクティを胸ポケットに入れて気軽に日常撮りができるように、webcamっぽくフリップタイプに改造した。
これまでこの用途にはサンコーのポケットムービーHDVをCマウント化したものを使っていたが、ザクティに比べて高感度に弱く室内撮影だとブレぎみで不満だった。




HD1010を分解。手順はこれまでの改造で何度も紹介してるので省略。


いつも通りにIRカットフィルタを裏返して(IRカットコーティングはデリケートなので裏側にする)CMOSの上に載せ、シリコンボンドで固定。ホコリが入ったら台無しになるので、ここで一番神経を使う。

各所にケーブルをハンダ付け。
1・電源スイッチの位置変更のため、本体基板上にある電源スイッチを除去して端子にケーブルを付け、先にタクトスイッチを付けた。
2・長時間撮影時の省電力化のため、液晶モニタのバックライトの電源ラインを途中で切断し、フラットケーブルにケーブルを付けて、先にスライドスイッチを付けた。(HD2000はこうすると主電源まで切れてしまうので、今回HD1010を使った)
3・モニター裏にある内蔵マイクは本体基板にはさまれてしまうので外部マイクを使用するが、マイクジャックにプラグを挿すと出っ張るので、ジャックをもぎ取って端子にケーブルをハンダ付けし、マイクセル(panasonic WM-62PC)を付けた。
4・電池の位置変更のため、いったん電池端子を切り離し、そこにケーブルを付け先に電池端子を付けた。

長時間連続撮影していると、本体基板上のエンコードチップが発熱する。(オリジナルのザクティでは銅板と接していて熱を逃がすようになっている。)前回の改造ではアルミのヒートシンクをつけたが、今回は小型化するためその余裕はない。なので、電池ボックスをアルミ板で作りそこに熱を逃がすことにした。

DB-L50にあわせて1.2mm厚のアルミ板をPカッターで切り出して曲げ、箱型に。電池端子はHD1010オリジナルのものを流用した。

裏側を磨いて平面出しして、シリコンボンドでエンコードチップに接着。
シリコンボンドが固まったら、四隅部の隙間にエポキシパテで柱を作りしっかり固定。
5分ほど撮影していると電池ボックスが熱くなり、ちゃんと熱を受け取ってるようだ。


本体基板、液晶モニターユニット、スイッチパネル、マイク、CMOSの配置を決めて、ダイソーのエポキシパテ(一番軽い木工用)で固定。形を作るこの工程が一番楽しい。
液晶モニタを横に置くと幅が広がってしまうので、縦にした。CMOSと直角配置になってしまうが、手で持って液晶を見ながら撮影するのではなくピント合わせの時にしか使わないので問題ない。
液晶モニタにあわせてスイッチパネルも横向きにした。
胸ポケットに入れた状態でレンズが前を向くように、CMOSを少しうつむきぎみにした。
電源スイッチと液晶モニタバックライトスイッチとマイクを上部に固定。ストラップ取り付け用の金具も両肩につけた。

C-CSマウント変換リングをCMOS基板に付けてレンズマウントにする。
フランジバックは良く使うpanasonicの広角レンズに合わせる。鏡の上に置いた紙やすりでリング後部を削り、ときどきレンズをつけて電源を入れてピント具合を確認し、ピントが合ったところで削るのをやめ、電子ノギスで全周の高さを測って高い部分を削って調整。 中心の芯合わせのため、1/3インチ用のイメージサークルの小さなレンズを付け、HD1010をフォトビューモードにして1/2.5インチCMOS全面を表示させ、四隅のケラレが均等になったところで瞬着で仮留めし、エポキシパテで固定した。


ポケットに出し入れするとき、基盤や部品の出っ張りがひっかかるので、プラ板で簡単なフレームを作った。



完成



ノーマルHD1010との比較。だいぶ小さく、軽くなった。撮れる絵は同じ。付いてるレンズは2.8mm F2(換算23mm相当)の薄型広角レンズ。


旅行のときはストラップで首から下げて。

撮れる絵は、以前に作ったCマウント化したHD1010と変わらないので省略。