悪路用にヘッドライト片側だけロー固定を選べるスイッチ&リレーハーネスを作る

2014/10/2

夜に悪路(ガタガタな舗装林道とか)を走ってるとき、ロービームだと道の先のライン(直進か?カーブか?)が見えず、ハイビームだと手前の路面状況(穴が開いてないか?砂利が浮いてないか?)が見えず、頻繁にハイロー切り替えてて「ハイロー同時点灯できたらなぁ」と思ってた。
DL650はヘッドライト2灯式なので、左右でハイ/ロー別に設定できるようにした。
左側にはHID+リレーハーネスを入れてあり、これはライトスイッチそのままの設定に。
右側はハロゲンバルブで、これを後付スイッチでロービーム固定モードに切り替えられるようにする。
ハロゲンで常に手前を照らし、光量の強いHIDで遠くを照らし、対向車が来たらハンドルスイッチをロービームにすればHIDもロービームになる、と。
高速道路とかで手前を照らす必要がないときは後付スイッチを戻せばハロゲンもハンドルスイッチの通りハイ/ローになる。



回路図

4端子リレー2個と中点OFFの2回路3接点トグルスイッチを使う。
スイッチを図の△にするとハンドルスイッチの通りに点灯し、□にするとハンドルスイッチのハイローにかかわらずローが点灯し、中点の●(OFF)にするとどちらのリレーも作動せず消灯。

後付けハンドルスイッチを入手したので、これまでフロントパネルに付けていたHIDのON/OFFスイッチ(町中ではグレアで迷惑なので山道のみ点灯する)、コーナーリングランプ(斜め上を照らす対向車殺人光線なので当然山道のみ使用)のON/OFFスイッチも同時に配線する。

配線図。左の図は直線&直角で判りずらいので、右の形でゆるく書き直した(中身は同じ)。




aliexpressで買った後付けハンドルスイッチ。ウインカースイッチ(=中点OFFの1回路3接点スライド)とヘッドライトスイッチ(=オルタネイトの1回路2接点プッシュ)、ホーンスイッチ(モーメンタリの1回路2接点プッシュ)がついてる。


ちゃんと耐水構造か?と分解してみると、中身は普通の電子回路用のスライドスイッチとプッシュスイッチ・・・こりゃ雨ですぐ錆びそうだ。
ボディだけ使用して、中身のスイッチは全て入れ替える。


ウインカースイッチは中点OFFの2回路3接点トグルスイッチに交換。トグル部分にシリコンゴムカバー(ダイソーのイヤホン用イヤピース流用)をかぶせて防水化。
ライトスイッチとホーンスイッチはボタン頭の部分だけ残し、中身はオルタネイトの2回路3接点のプッシュスイッチに入れ替え、スライド軸部分にカバーをかぶせて耐水化。ボタンの頭があり直接水を被らないので大丈夫だろう。
付属のケーブルはもともと内部7本で、新たな回路でもちょうど7本必要なのでそのまま使う。




リレーはaliexpressで買った12V40A品、10個で送料込み17USドル。
12VのACアダプタを電磁石(コイル)側に繋いで動作確認。カチカチ音がして出力側が導通して問題なし。
ACアダプタからのケーブルを直接端子に触れさせてたが、ケーブルを離すときに小さな火花(スパーク)が出てる。
不安になってテスタで計測してみると、リレーON中は140mA程度だが、リレーOFF直後の一瞬2〜4Aもの大電流が流れてる。(テスタが追いきれていないだけで、ピークはもっと大きいだろう)
スイッチ保護のためにリレーをかませてるのに、リレーのせいでスパーク発生してたら意味ないやん!
これは誘導負荷の逆起電圧といって、 コイルなどの誘導負荷の回路を遮断する際に自己誘導作用によって電源電圧の数十倍もの高い逆方向電圧が発生する現象ということで、原理的に避けられないことのようだ。
リレーを動作させるスイッチ接点のサージ保護のために、リレーコイル端子間にダイオードを入れた。

バイクに付ける全てのリレーのコイル端子間に1000V1Aの信号用ダイオードを付けた。これによってコイル端子に極性が生じたので、半田コテ先でリレーボディに+−の記号を書いた。
その後にリレーON/OFFしてテスタで測定すると、OFF時の大電流が無くなりスパークも消えた。



余談
中国製の安価リレーということで内部が本当に40Aに耐えられる構造になってるのか確認したく、一つ170円相当と安いこともありカバーを外してみた。

ふむ、きちんとできてる。
他のリレーと比べてみようということで、秋月電子の953-1C-12DG-1もカバーを破壊して並べた。(まあこっちも一つ200円の中国製なんだけど)

こっちは20A品だけど、うーん?接点部分は同じ大きさだなぁ。Aliexpressのコイル消費電力140mAに対して秋月のは70mA程度で、サイズも小さい。
aliexpress購入品のほうがコイルの力が強く、接点が接触したあとさらに引っ張られて接点同士が擦れるように動くので、そこでサージで発生した表面の荒れを慣らすという設計思想だろうか?

ついでに、aliespressで購入したコンパクトエアーホーン(Boschのエアー マジェスティックとほぼ同じもの)に付属していたリレーも、使わないので分解してみる。
(大電流を食うので通常のホーン端子に直付けするとスイッチが壊れるからと、わざわざリレー付けてくれてる。)
 
ん?ケースのほうに中身がひっついてったか?
ケースの中はからっぽ・・・なんっじゃこりゃー!
コイル端子と出力端子が内部の鉄板で短絡され、それ以外の部品は一切ない、がらんどう。リレーコイル駆動のつもりで付けたスイッチで直接負荷を駆動するボックス。
こんなことするくらいなら、最初からリレー(と称する単なる短絡端子)付けるなや!付けずに自分で用意させろ。
分解せずにリレーと信じて使ったらスイッチ壊れるだろうが。

俺は普段「さすが中国w」とか「チャイナクオリティ」なんて言って他国を見下して気持ちよくなってるような連中が大嫌いで
「中国人にもまじめなヤツもクズもいるだろ」と突っ込んでるんだが、この仕打ちかい・・・
(ちなみにエアーホーン自体はちゃんとできてたが、突入電力が大きく派手なスパークが発生するのでリレー接点がすぐダメになりそうなのと、重いので使うのは止めた。)



ハンドルスイッチ部分とリレー回路部分を分断する部分は、7端子の小型コネクタの手持ちがなかったので、電子基板用の2列ピンヘッダを8端子分切って一つ穴を潰して(逆挿防止)使用。
省電力だし頻繁に付け外しする部分じゃないから大丈夫だろう。

バイクに付けたらコネクタ合わせ目は防水のためビニールテープで巻いておく。


半田付けしてケーブルを束ねて完成。
これをバイクのH4コネクタとハロゲンバルブ・HIDのオスコネクタの間に挟んで、丸形端子をバッテリーの+−端子につなぐだけ。

バイクに装着。
林道で便利になった。