シールドのないオフロードヘルメットのシールドを自作する

2011.10.6



これまでバイクに乗るときシールド付きのオフヘル(ES-XとYX-3)をかぶっていたが、無地で寂しいのでもっと派手なヘルメットが欲しくなった。
最初からシールド付きのオフヘルは好みのものが無いので、シールド無しのオフヘルを買ってシールドを自作して付けることにした。

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BEONのB600というオフロードヘルメット。ヤフオクで3800円+送料2000円。中国から直送。
カラーリングがCHOCO氏のデザインみたいでかっこいい。マットブラック+オレンジと光沢ホワイト+レッドの2つを買った。
かなり軽い。アライ・ショーエイだとLサイズだが、欧米向けで横幅が狭いので一つ上のXLサイズでちょうどぴったり。
ラインは塗装じゃなくカッティングシートを貼って上からクリヤをかぶせてるっぽい。
シェル後頭部にベンチレーション穴があるのに内部の発砲スチロールには穴がないので、自分で開けた。
送料込み5800円の値段を考えると、質はまあまあかな。



既成品シールドの素材はポリカーボネイトが一般的だが、表面硬度が柔らかくてすぐに擦り傷が付いて視界が悪くなるので、硬いアクリルにする。
ポリカーボネイトは衝撃や曲げに強くて割れず、安全性や加工性は優れているが、鉛筆硬度はHBしかない。ハードコートで表面硬化処理されたもの(まず売ってない)でも2H。
対してアクリルは標準品でも2H、ハードコート処理されたものなら6Hと傷に対して非常に強い。
その代わりに曲げや衝撃に弱くて割れやすいが、高速走行中にカブトムシが直撃でもしない限りは大丈夫だろう。
(ちなみにガラスが9H。加工性に優れるってことでDIYでよく使われるPET樹脂は4B、硬質塩ビはFと非常に柔らかい。さらに塩ビは紫外線に弱く日光下ですぐに白濁してボロボロに劣化するので、屋外用途には向かない。)


まず型紙を作る。クリアファイルを開口部にあてて大体の形を切り出し、それをプラ板に転写して整形。


ホームセンターで買ってきた1mm厚320×550mmのアクリル板(1100円)を、型紙にそってPカッターで筋彫りして切り出す。(1.5mmがあればベストなんだが売っておらず、2mmだと厚すぎる。)


曲げ加工・・・全体を均等に熱するために、鍋に水を入れて沸騰させ、そこにアクリル板をひたして柔らかくして、ネオプレーンの断熱手袋をはめて曲げる。100度だと少し温度が低くて固さが残ってるが、何度か少しずつ曲げていけば問題ない。
サラダ油を130〜160度に熱して浸せば完全に柔らかくなるが、後で洗うのが大変なのでやめた。

隣にヘルメットを置いて、形を合わせながら何度もお湯につけて曲げていく。一気にやろうとすると折れるので少しずつ。

バイザーを留めているネジにあわせてドリルで穴をあけ、バイザーとヘルメットの間にはさむ。
ネジを強めに締めて摩擦で上にあげたシールドが降りないようにする。
バイザーが邪魔をして完全に上にあがらないが、基本的に閉めたままで冬の信号待ちに曇るときくらいしか開けないのでこれで良しとする。


2枚つくって取り付けた。(真ん中のは別のヘルメット)



ホームセンターに行くと表面硬化処理されたMRアクリルサンデー板も売ってたので、さらなる傷つきにくさを求めてこれでシールド作りにチャレンジ。一番薄い2mm。

切り出してお湯につけて曲げてヘルメットの丸さにあわせるところまでは順調だったが。
チンガードの出っ張りにあわせて下部を鋭角に曲げようとグググッと力を入れたら、パキッと真っ二つに割れてしまった。


あいやー やっちまったぜ・・・途中まで上手くいってたのになぁ
表面硬化板はきつい曲げには向いてないみたい。




実地使用して・・・
まず被って驚くのが、透明度。汚れが付いてなければ、シールドが無いみたいに感じる。明らかにポリカのシールドとクリアさが違う。
そして傷付きにくさ。汚れや水が付いてウェスで拭いて、目をこらしてみても擦り傷がついてない。
毎日通勤で被ってるけど、いまのところ割れの問題なし。
簡単に作れるのがわかったので傷がついたり割れたりしたらまた作ればいいだけだ。
安くでデザインのいいシールド付きオフヘルが手に入ってよかった。