TT250R raidに他車種のオイルクーラーを改造してつける

TT250Rレイドに乗っているが、このバイクはエンジンがすぐに熱々になる。
以前に乗っていたDR250S(SJ44A)はフレームの中をエンジンオイルが流れる油冷で、しかも小さいながらもオイルクーラーがついてたが、このTTRレイドはオイル容量が1Lと少ない上にオイルクーラーもついてない。
秋でこれだから夏にヤブこぎしたり渋滞にはまったらすぐにオーバーヒートしそうだ。

てことでオイルクーラーをつけることにした。
しかしヤマハ純正のオイルクーラーオプションはとっくの昔に絶版、リプレースのものがあるが3〜4万と高い!(本体を12万で買ったのにクーラーに3万は・・)
てことで、他車種からの流用でなんとかでっちあげることにした。旋盤やタップやダイスなんてもってないので、使う工具はハサミとペンチとパイプカッター、あとはシリコンボンドとホースバンドを駆使してなんとか仕上げることに。

クーラーコア

コアは400cc〜のオンロードスポーツバイクものが安くでヤフオクに多数でてる。
せっかく流用で作るのだから、キットやオプションでは得られないような大きなコアで大きな冷却効果が欲しい。そこで選んだのはカワサキのゼファー400のコア。ヤフオクでジャンクを千円で落札。
小石や砂による汚れとフィンの潰れがあったが、水洗いしてマイナスドライバーで直した。機能的には問題なし。


フィンのメッシュガードが付いてないので、100円ショップダイソーのオーブン用の網と、網戸用の目が荒め(約2mm四方)の金属製網で自作。コアの両側には厚めの鉄板のガードがついてるので、そこに網戸をばらして取り出した針金でくくりつけたらかなりしっかりしたガードになった。
純正よりも目が細かいので小さな石でも防げ、かつ針金は細いので空気抵抗もほとんどない、理想的なガードができた。

オイルホース

100度以上の耐熱かつ耐圧のゴムホースなんて大きなホームセンターか専門店じゃないと売ってないし、値段も高い。なのでこれも中古のオイルクーラーからぶんどる。
上のゼファー400のコアにもホースが付属してたがゴムホース部は10cmほどしかなくほとんどが金属製のチューブで使えない。
ホンダのCBR400F用のクーラーには60cmほどの長いゴムホースがついてるので、これのジャンクをヤフオクで五百円即決で落札。ホース外周にはメッシュが編まれていて紫外線が直接ゴムに当たらないので経年劣化も少ない。コアも使えそうだが上のゼファー400のコアに比べて小さい(といっても純正やリプレースキットのコアよりは大きいが)ので使わない。捨てた。(もったいない・・)


 ゼファー400コアとCBR400Fのホースの接続・・・CBR400F用のオイルホースの内径は10mm、ゼファー400コアから伸びる金属チューブの外径も10mm。金属チューブを根元あたりで切断し、まわりにオイルシールとしてシリコンボンド(セメダインのSuperX、耐熱120℃)を塗ってホースをかぶせ、ホースバンドで締め付けて接続。
(このシリコンボンドはシリンダー基部からのオイルにじみ止めにも使えた。)

バンジョー(フィッティング)

 TT250Rのオイル取出し口&戻し口はM12P1.25(ネジ径12mm、ピッチ1.25mm)のネジが切られている。スズキのバイクのオイル系のバンジョーボルトもM12のようなので、スズキNZ250のオイルホースを1600円で落札。
NZ250のホースに付属していたバンジョーボルトはネジ部はM12P1だがバンジョーに接する部分は太くなって14mmとなっている。当然バンジョーの内径は14mm。

ボルトはネジ径はM12で同じだがピッチがM1とわずかに細かいのでTT250Rには使えない。残念!
仕方なくバンジョーボルトはヤマハ純正部品をwebikeで注文(品番90401-12122、品名「ボルトユニオン」、一本367円×2本)。銅製のガスケットも注文(品番90430-12202、品名「ガスケット」、一枚57円×4枚)。オイルクーラー本体は欠品だがボルトとガスケットは在庫があり買うことができた。
TT250Rのバンジョーボルトはネジ部もフィッティング部も12mmなので、NZ250の内径14mmのバンジョーにはめるとわずかに隙間が空くが、ガスケットでカバーできるので問題ない。むしろ隙間が増えることでオイルが流れる抵抗が減っていいかも。

このバンジョーの金属チューブも外径10mmなので内径10mmのCBR400Fのゴムホースにそのままかぶせることができる。バンジョーを根元あたりで切断し、外周にオイルシールとしてシリコンボンドを塗ってホースをかぶせ、ホースバンドで締め付けて接続。

オイルコック

 TT250Rのオイル取出し口と戻し口の間にはエンジン内部で穴があいていて、オイルクーラーをつけてないときにはそこからオイルが流れるようになっている。クランクケースカバーを外して裏からボルトをさしこんでこの穴をふさぐとオイルクーラーだけにオイルが流れるようになるが、穴をふさがなくてもクーラー方向にも流れるようなので、そのまま開けておくことにする。(クランクケース開けるのもめんどくさいし)
もともとの穴とオイルクーラーのラインが並列することになるので、オイルクーラーが必要ないときにはホースの途中でオイルの流れを遮断することができる。
ホームセンターで散水ホース用の真鍮製コック(1000円)と外径10mmホース接続口(300円)を買ってホースの間に割り込ませた。コックについてたゴムシールは耐熱なのか不明だったので外し、シリコンボンドで代用した。


これでオイルクーラーは完成。(ホースが途中でテカッてるのは耐熱用にシリコンボンドを塗ったから。


TT250Rへの取り付け

・フロントをダウンフェンダー化

コアがでかいので純正やリプレース品のように、コアをフレーム横側に縦に取り付けることは出来ない。(できるけどコケたときに潰れる。)
なのでふつーのオンロードバイクのようにバイク前部中央部につけることにする。
そうするにはフロントフェンダーの後部が突き出していて邪魔なので、ダウンフェンダーに換装する。フェンダーの後部を切り取るという手もあるが、そうするとフロントタイヤが跳ね上げた小石や水や泥がオイルクーラーと顔に直撃することになるのでお勧めしない。
TT250Rのダウンフェンダーキットなんてないので、これも他車種から流用することにする。

21インチタイヤでダウンフェンダーをもつバイクとして、トライアルバイクやカワサキのKLE400がある。デザインの好みで外国製のトライアルバイク、BETAテクノのFフェンダーをヤフオクで落札。3000円。

TT250Rのフロントフォークにはダウンフェンダー用のステーなんてついてないので、これはホームセンターの穴あき金具を万力とペンチでねじってステーとし、エポキシパテとホースバンドでFフォークに固定した。一見不安定に見えるが、パテでズレを押さえ、バンドで剥がれるのを抑えることで、やわなアルミ鋳造のステーに負けないくらいにかなりしっかりがっちり固定できてる。
左側の前側だけはフロントブレーキホースの固定用にステーがあったのでこれを利用した。

このダウンフェンダー化はジェベルやXRとかの他のオフ車でも応用できますぜ。見た目はあんま良くないけどね。


・オイルクーラーの取り付け

ゼファー400のコアには下部に2つ、上部に1つネジ穴がついてる。
TT250Rのエンジンマウント下側のボルトにホームセンターで売ってるL字型の金具をかませると、図ったかのようにぴったりコアのネジ穴に合ってくれる。L字金具は安い鉄製と高いステンレス製があるが、マウントを介してエンジンの熱が伝わる部分で錆びやすいので、ステンレス製にした。
下部でコアの重量を支えることにして、上部は前に倒れないようにタイラップ(もしくはワイヤー)でフレームにくくりつけるだけにした。

ハンドルをいっぱいに切ってもギリギリ当たらない。


オイルホースの取り回し・・エキパイを避けながらなんとかエキパイ内側に回した。一部エキパイとのクリアランスが2cmくらいしか無い所があるので、そこにはメッシュが焼けないようにホース外周にシリコンボンドをぬったくったあと、アルミホイルを巻いて輻射熱へ対応した。
オイルコックはフレームにタイラップで固定。


完\(^∇^)/成!!・・・オレンジ色のダウンフェンダーもそんなに違和感無い、でしょ?


費用集計

オイルクーラーコア(カワサキゼファー400用) 1000円+送料500円
オイルクーラーガード用ワイヤー+網戸の網 100円+200円

オイルホース(ホンダCBR400F用)  500円+送料500円
オイルホースバンジョー(スズキNZ250用) 1600円+送料500円
バンジョーボルト(ヤマハ純正ボルトユニオン) 367円×2
バンジョーボルト用ガスケット(ヤマハ純正) 57円×4
オイルコック       1000円
オイルコックホース接続口  300円
オイルホース用バンド(ステンレス製)150円×6
シリコンボンド(セメダインSuperX)380円

オイルクーラーステー金具(ステンレス) 350円×2
ステンレスネジM6×30mm 5本セット   120円

クーラーまわり計 6124円
送料計 1500円

フロントフェンダー(BETAテクノ用) 3000円+送料1200円
フロントフェンダーステーの金具 150円×4
フロントフォークに巻くホースバンド 200円×4
エポキシパテ 100円

送料、ダウンフロントフェンダー費用あわせて
総計 12274円

レビュー

しばらく走ったあとでクーラーのオイル入口側と出口側を手で触ってみると、温度差がすごい。入口あつあつ、出口は冷たい。コックがあるから寒いときや始動時は遮断しとけばいいし、便利。これで夏のやぶこぎや渋滞も怖くない!


ドロ道を走ったけどダウンフェンダーのおかでげオイルクーラーは汚れゼロ!





TT250Rオイルクーラー自作 その2

以前に、エンジン内部にあるオイルラインをふさがないままラインと並行して他車種流用のオイルクーラーを付けた(上の記事参照)。
この状態でもオイルクーラーにもオイルは流れていたが、より大きな放熱効果を得るためにバイパスラインを塞ぐことにした。

前作だとオーバークールを防ぐためにホース途中のオイルコックを閉めて流れを遮断することができたが、内部のバイパスラインを塞いでしまうと遮断できない。
でもラジエターの前にガムテープを張る方法はスマートじゃない。
ということで、ホースの途中に2方向切替えコックをつけ、バイパスラインとクーラーコアを切り替えられるようにした。

●構想図



●材料



●作業

エンジン内部のオイルラインをふさぐため、右側のクランクケースカバーを開ける。
カバーを開ける前に、
・オイルをすべて抜く。
・上についてるバンジョーのボルトを緩める。
・キックレバーを外す。
・リヤブレーキペダルの軸を抜いて下側にずらす。
  をやっておく。

カバーを留めてるヘキサネジを全て外して(オイルフィルターカバーのネジも外す)、裏側からカバーのでっぱってる部分に木の棒をあててハンマーで叩くと、カパッと外れる。


矢印のネジがめくらネジ。ネジロックでガッチリ固着していたので外すのに苦労した。

最初は短いものがついていて、これを長いものに交換すると内部のバイパスラインが塞がれ、全てのオイルが外部ホースを流れることになる。


上が外した短いネジ、下がこれからつける新しいネジ。


こびりついている古いガスケットをそぎ落として綺麗にして、新しいガスケットをつけてカバーを閉じる。

大きなコアなので、オンロードバイクのラジエターと同じようにフレーム前部に横向きに付ける。
前作ではオイル口を下部にしたが、今回はコアに溜まったオイルが落ちてこないように上部にした。
フロントフェンダー後部が干渉するので、トライアルバイクのフロントフェンダーを移植してダウンフェンダー化してある。(工作内容について詳しくはページ下の前回作を参照。)


L型金具をエンジン前部マウントに共締めしてコアのステーにした。

ホースの取り回しは現物あわせで検討。ホースをきつく曲げないように、かつホースがバイクより飛び出さないように(転倒したとき対策)、かつエキパイにホースがあまり近づかないように、試行錯誤して苦労した。
コネクタ・ニップルの差込口はホースの取り回し向上のため真ん中で切断して短くした。ホースを付けるときは、コーキングとしてシリコンボンド・スーパーXを塗ってからホースバンドで締め付けた。


●完成


クラッチケースカバーの開閉作業も含めて、着手から完成まで半日でできた。2回目だとすんなり行くね。

左・コック左側開放時(クーラーON)  右・コック右側開放時(クーラーOFF)

●レビュー

少し走るとすぐにコアが熱々になる。前作より熱くなるのが早く、同じくらいの気温で同じくらいエンジンを回した後に触ると、より熱くなっている。やはりオイルすべてがコアを流れると、放熱効果はより大きいようだ。
寒い時期や雨のときは、コックを切り替えればコアの手前でホースの中だけを流れるので放熱効果はほとんどなくなる。
効果的かつ実用的なオイルクーラーができた。



そのた


ツーリングのトラックログを録るためのハンディGPS(holux M-241)は非防水なのでケースを自作。ボディは薄い透明プラスチックなのでケースに入れたまま操作できる。走行中に受信しやすいようになるべく高い位置・・スクリーン横に針金で作ったバスケットを設置。
フロントブレーキディスクはマジェスティ250用。そのまま流用可。ヤフオクで送料込みで1枚2000円〜と格安で売られてる。
レイドのチェーンサイズが気にいらなかったので520サイズにコンバート。FRともDRCのスプロケ。