その6

●11/10 唐津〜呼子〜佐世保

漁港の朝市に行って、イカの唐揚げを食べてたら、若い女の人から話しかけられた。
地元でバイクにのってて、日本一周中というのを見て興味もったみたい。

もう四日くらい風呂に入ってなくてきもわるくて、唐津で電話帳めくって銭湯を探したが場所が解らず、交番に入った。
3人の警官がいたんだけど、一番年長の人と気があって、色々話してきた。
椅子に座ってコーヒーもらって、30分くらい話してきた。
「腹減ってないか?」て聞かれて、パンまでもらっちゃった。えらく気のいい人だった。

○今日の寝床 : 松浦鉄道 神田駅


●11/11 佐世保〜諫早〜島原

今日はすごく蒸し暑くて体調不良・・・

長崎の日本本土最西端に行ってきた。日本の端のひとつにしては、えらく人気の無い寂しく地味なところだった。

夜、ジャスコで買ったパンを食べてたら、おじちゃんから話しかけられた。
これまでの旅の話をしたら、大声で「うひゃー!」「どひゃー!」とオーバーリアクションで驚いてて、おもしろおかしいおっちゃんだった。

島原半島の付け根あたりで、突然、ものすごい豪雨と雷雨に見舞われた。
軒だけの無人駅に避難したら、高校生のアベックがいてお邪魔虫になってしまった。

○今日の寝床 : 島原鉄道 大正駅


●11/12 雲仙〜長崎〜玉名

今日の長崎は、昨日の雷雨と蒸し暑さがウソのようにカラッと晴れて快適。


長崎市内から島原半島に向かう国道207号線はすごくいい道。中央線無しの田舎道で交通量は少なく、道の両側にはミカン畑が広がる。
道のそばの斜面に腰掛けると、眼下には穏やかな海。無人販売所で10こ100円で買ったミカンを、ポカポカ陽気に照らされてながらほお張って、最高の気分。

函館から青森に向かう船で、長崎にきたらうちに来いと誘ってくれたおじさんの事はずっと気になってたけど、
電話しそびれたまま、フェリーで長崎を出て熊本にきてしまった。
昨日は雷雨だったし、泊めてもらおうかとも思ったんだけど・・・ なんか、いくら電話しろと向こうから言われたとはいえ、
こっちから電話したらタカってるような気がして。でも全く連絡いれないのも失礼な気がするし。
どうしたものか。

九州人が人情に厚いてのはホントみたいで。
今日だけで5人から話し掛けられた。

○今日の寝床 : 鹿児島本線 田原坂駅


●11/13 玉名〜阿蘇山〜八代

阿蘇の周辺は北海道みたいだ。
 
水路の通る橋を見にいったけど、放水してなくて残念。

○今日の寝床 : 肥薩線 葉木駅


●11/14 八代〜出水〜えびの〜大畑

鶴の越冬地の荒崎にいった。うじゃうじゃと数え切れないほどいた。
掲示版みたら、「只今の飛来数6000羽」とのこと。
あれほど多いと、かえって有り難みが無いような気も。

STBの本で寝やすそうな情報があったので、大畑駅に来た。すごくイイとこだった。
深い山の中で、見える範囲に家はなく、聞こえるのは鳥の声のみ。
駅舎は昔からの大きな木造駅舎で、昔、有人駅だった時の事務室が開放されてる!

○今日の寝床 : 肥薩線 大畑駅
◎駅ノート記帳 : 肥薩線 大畑駅



●11/15 大畑〜矢岳

事務室で一晩寝て、朝7時に起きたんだが、なんせ客が来ても(来なかったけど)ジャマにならんつー居心地の良さゆえ、夕方までごろごろしてしまった。
昼ごろに、近くの集落からきたという散歩のおじさんと30分くらい話したんだが、
なんでも、福岡の鉄道ファンが毎週来て、ボランティアで掃除や草刈りをしてくれてる、とのこと。
元事務室は、旅人が泊まれるように、あえてカギを開けてあると。

待合い室の壁には、いままで訪れた旅人がたくさんの名刺や書き置きを貼っていて、皆に愛されてるんだなぁと。
旅ノートがあったんで、JRと掃除の人とノートの管理人氏への感謝の気持ちを記帳しといた。
(あとヲタ絵もかいた・・イッて良し)

で、夕方4時まで駅にいて、あと一時間半もしたら日没だし、このままもう1泊しようかなとも思ったが、
「イカン!これじゃ旅人じゃなくて、単なる浮浪者じゃないか!!」と危機感を持ち、あわてて荷物をまとめて、5時に出発したのであった。
30分も走らないうちに日が暮れて、結局、直線距離で5キロも離れてない、一つ南の矢岳駅で寝る事に。
なにやってんだか俺。

○今日の寝床 : 肥薩線 矢岳駅
◎駅ノート記帳 : 肥薩線 矢岳駅



●11/16 矢岳〜国分〜桜島〜浜田

矢岳の集落は山に囲まれ、林道しか道が通じておらず、のんびりとした雰囲気で、まるで桃源郷のようなところだ。

矢岳の林道を走ってたら、タヌキを追い越した。
桜島を走ってたら、目の前をデッカイ猪が勢い良く横切ってった。
 
桜島の埋没神社前の車道に犬がいて、あぶないなと思い、バイクを降りて歩道に呼んだら、えらく人懐っこい。
20分くらい遊んでやって、そろそろ行こうかなと思うが、犬はシッポ振って寄ってくるんで、 独り残していくのもカワイソで、踏ん切りがつかない。
あー困ったなと思っておると、一台の車が近くに停まって、老夫婦が出てきて神社に行った。
したら犬、スッと俺から離れてそっちにいっちゃった。
犬の後姿に向かって「薄情者−」と言ってしまった。
犬を撫でる老夫婦から、「この子、迷子?」と聞かれたが、んなこと俺も知らんですたい。

 
○今日の寝床 : 旧大隈線 荒平駅跡(テント)


●11/17 浜田〜佐多岬〜志布志

日本本土最南端の佐多岬に行くため大隈半島に。全く人気がない、寂しいところだ。
 
佐多岬に行くまでの有料道路はソテツやガジュマルが自生してて、まるで沖縄を走ってるような気分になった。
これで東西南北端、全て制覇した。

駅にしけこんで待合室の荷物置き台(チッキ)で寝てたら、深夜4時ごろ、二台のバイクの爆音で目が覚めたんね。
明らかに暴走族なやかましさ。
で、すぐ近くで止まって、3人の若い男の声と足音が近付いてきた。
それまでねぼけてた俺だが、一気に覚醒し、シュラフにくるまったまま、
「あーこのまま寝たフリしとくのがいいかなー。頼むから無視してくれろよ。」なんて考えてた。
3人の男、俺のバイクと中で寝てた俺に気付き、「じゃあ、やめよか。」「やめよ」「やめよ」と去ってった。
諦めのいいヤツらで助かった・・

○今日の寝床 : 日南線 福島今町駅
◎駅ノート記帳 : 日南線 福島高松駅



●11/18 志布志〜日南〜延岡

国道ばかり走ってても車多いしおもしろくないので、ちょっと内陸に入って広域農道を北上。全然車いなくて快適。
途中で農産物直売所をみつけて入ったら、メロンがあったので一個まるごと食った。うまかったー!


使ってるデジカメがいかれてきたので、延岡の電器屋で新しいデジカメ買った。
高千穂鉄道で寝やすそうな駅を探して走るが、途中で眠くてたまらなくなったので行縢駅にしけこんだ。風がぬけて寒い。

○今日の寝床 : 高千穂鉄道 行縢駅


●11/19 延岡〜佐伯〜別府〜佐賀関〜三崎

別府にて、埼玉を出発してからの走行距離、1万キロ! 山の上にあるタダの温泉に入った。
  

フェリーで四国に渡った。
 
四国に来るのは生まれて初めて。
港からちょっと走るとすぐに人気がなくなったので、みかん畑でNGSさせてもらった。

○今日の寝床 : 伊予鉄バス 二名津口バス停



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