その7

●11/20 三崎〜八幡浜〜宇和島〜高茂岬

 
国道は走らず、海沿いのくねくね道を延々走って来たが、昼間だってのにぜんぜん車が通らない。
漁港とミカン畑が交互に目に入ってきた。
オヤツがわりに、無人販売所でミカン、直売所でチリメンを買って食った。 ウマー

○今日の寝床 : 西海町 高茂岬展望台トイレ


●11/21 高茂岬〜足摺半島〜中村

  
足摺岬は猫だらけ。

○今日の寝床 : 土佐くろしお鉄道 浮鞭駅


●11/22 中村〜大正町〜四国カルスト〜須崎

四国は寝るとこなくて困る。
駅はバス停みたいな吹きさらしのベンチしかないとこ多い。そもそも鉄道自体が少ない。
おとついは、岬の展望台のトイレで寝て、昨夜は駅の地下道で寝た。 ほとんど浮浪者だなー・・・
通報されたら困るんで、寝るときは必ずヘルメットと地図と横に置いて旅人とアッピール。
四国はお遍路さんがいるから、野宿には寛容かな?
道走ってると歩いてるお遍路さんが何人も。

昼、四万十川沿いの道の駅で、日本一周中のチャリダーと出会った。
こんな季節に、あんな山の中で同じ日本一周旅人と会うなんてめずらしー。
チャリの旅人自体、北海道を出てから会って無いのに。
こっちから話し掛けていろいろ話した。
会社辞めて旅に出て、もう家でて4か月になるとか、地方の新聞に何回か載ったとか(見せてもらった)、
14か月かけて回る予定だとか、いつもテントで寝てるとか。感心するばかり。
これから沖縄に渡って越冬するつーてたので、元地元民としてオススメ情報を提供しといた。
いい旅を!

    
今日はたゆたゆと流れる四万十川沿いに北上して、四国カルストで中世ヨーロッパのごときファンタジー世界にワープして、
最後のシメに林道の先にある四万十川源流の涌き水を飲んで、と大変充実した日だった。


○今日の寝床 : 土讃線 吾桑駅
◎ノート記帳 : ダムにあるトイレのノート



●11/23 須崎〜高知〜祖谷渓〜池田

祖谷渓ってこれのどこが秘境?
山の中は観光客の車だらけで大渋滞!!かずら橋の周辺はみやげ物屋が立ち並び、公園が整備されてて、単なる貧弱なつり橋!
人の多さにすっかり幻滅して、かずら橋を横目に見ながらバイク下りずに通り過ぎた。

土佐は路面電車の街だった。
  

STBの本を読んで坪尻駅に行ってみたら、すごいところ!深い谷底にあり、急坂の獣道しか道が通じていない。もちろん周辺に人家いっさい無し。
しかしあまりにすごい場所すぎて、就寝用具を運び込むのが大変そうなので寝るのはやめた。

○今日の寝床 : 土讃線 三縄駅
◎駅ノート記帳 : 土讃線 坪尻駅、 新改駅



●11/24 池田〜坂出〜坪尻

今日、五日ぶりにやっとで風呂に入れた。有料の温泉。
四国は無料の温泉なんてなくて、入る気がしなくて。
でも、いくら冬で汗かかんとはいえ、さすがに限界だった。

 
瀬戸大橋見て、さぬきうどん食った。しょうゆと柚子と大根おろしだけのツユだったけど、うまかった。

その後、坪尻駅のことが忘れられず、あんなすごい駅で寝とかないと後悔するぞと思ったので再訪し、一晩の宿とすべくしけこんだ。

○今日の寝床 : 土讃線 坪尻駅
◎駅ノート記帳 : 土讃線 坪尻駅



●11/25 坪尻駅

朝7時に起きたら雨で外に出る気がせず、駅舎でだらだらすごす。
 

10時ごろ、二人の男性が。鉄道ファンのようで、駅のまわりを30分ほど探索して帰っていった。

昼1時ごろ、一人のおじいちゃんが。1:43の汽車に乗りにきたと。まさかこんな駅に利用客が来るとは。
昔からこの近くに住んでいる方とのことで、いろいろと坪尻駅の昔の話を聞いた。

駅入り口前には、貨物の引込み線があった。利用客が一日75人ほどいた。でも国道32号線ができてから、上の集落から若者がいなくなり、駅もさびれていった。
上の集落から駅まで、舗装路を通す計画があり、県と国鉄で測量していたが、駅利用客の減少で中止になった。
駅の近くにある廃屋は、かつては百貨店で、8人家族が住み、十分生活していけるだけの売り上げがあった。
しかし駅が寂れてからは店をたたみ、大阪に引っ越していった。
駅のトンネルの手前には、駅長・職員・作業員の宿舎があった。
あたりの山には野猿がいっぱいいたけど、畑がなくなって猿もいなくなった。

・・・すべては昔の話で、今となっては夢のような話。
「昔はようけ栄えた駅だったんじゃがのう。」と繰り返し何度も言っていたのが、とても印象的でした。

夕方、雨は降り続きやむ気配がない。雨具はバイクに積んだままなので、駅からバイクまで数百メートル、濡れて歩かねばならん。
もう時間が時間だし、もう一泊することにした。

夕方5時半の汽車で、おじいちゃんが帰ってきた。
まだ駅にいることが申し訳なかったので、頭を下げたら、「ここに泊まるんか。泊まってったらええ」と言ってくれ、
「これから上までな、歩いて行くんだが、15分もかかるんや」と言って雨の中に消えていった。お気をつけて・・・

夕方6時、お腹がすいたのでバイクからいろいろ持ってきた。
ラジオで音楽を聞きながら、高知県大正町で買った地酒・粟焼酎「ダバダ火振」をちびちび舐め、愛媛県の漁師の直売所でかった魚の干物をたべる。うーむ、美味。
たまにはこんな、ゆっくりまったりするのもよしかな。
かなりずーずーしーけど、誰もいないからいいよね?

○今日の寝床 : 土讃線 坪尻駅
◎駅ノート記帳 : 土讃線 坪尻駅



●11/26 坪尻〜徳島〜小松島

起きたらまだ雨。でも出発してきた。さすがに三泊はね!
で、30Kmも東に走ってきたら、快晴でやんの。駅のまわりだけ降ってたのか・・


子供のころ学研の図鑑で見て印象深かった、阿波の土柱に行った。かつて子供心に異世界に感じたあの風景が目の前に。


○今日の寝床 : 牟岐線 立江駅


●11/27 小松島〜阿波の土柱〜剣山スーパー林道〜宍喰

徳島港から紀伊半島に渡るつもりでここまで着たけど、やはり剣山スーパー林道は走っておきたい。
西に戻って念願の剣山スーパー林道に!日本一長いじゃり道!わくわくする!

がしかし・・・数キロ走ったところで積雪路となり、無理して滑ったら谷底一直線、しかも車も全然通らない、死ぬかも?ってことで引き返した。
あきらめる勇気も大事なのですよ・・(石川県白川郷のあたりで判断ミスして雪で苦しめられたので、それが教訓になった。)

夜は駐車場にテントを張ったが、晴れてて放射冷却のせいで猛烈に寒い。でも星空がすごくきれいで良い。

○今日の寝床 : 道の駅 宍喰温泉(テント)
◎駅ノート記帳 : 林道の途中にあった落書き板



●11/28 宍喰〜室戸岬〜阿南


テントから顔を出すとすっからかんに晴れてて、まるで夏のような強烈な日差し。

室戸岬に行く途中で、荷物いっぱい積んで遍路服を着たチャリダーからサムアップもらったので、ピースを返しながら振り返ったら、
70くらいのおじいちゃんだった。やるなー!カッコイイ。


○今日の寝床 : 牟岐線 阿波赤石駅



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