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雨のせいか暑くなく、寝やすかった。 昨晩寝ようとして目をつぶると、ヘルメットが崖をころころ転がっていく衝撃的な光景が何度も頭の中で再生されてくやしくて、なかなか寝られなかった。 「俺が落ちなくてよかった」「バイクが落ちなくて良かった」と自分を慰めるが、ダメだ。 悔やんでどうにかなるもんじゃないが、でもやっぱりくやしい。 あんな・・マヌケなこと・・ 9年前に泊めてもらったおじさんに会って礼をいいたいと思って駅前集落をうろうろ走って探したが、家がまったくわからん。ほかの人に聞こうにも手がかりがない。 沖縄の自宅には、当時お礼の手紙を送るために聞いた住所氏名のメモがあるんだけど、事前にネットの地図で場所を調べてプリントアウトして持ってくるというのは「何か違う」と思って、あえて調べてこなかったんだ。 |
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丸山の千枚田。9年前は霧で見えなかったけど、今日はきれいに見えた。 雨が降ってるけど、これもまた風情があって良し。 |
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湯ノ口温泉に来たら、早く来すぎてまだ鉱山列車が動いてなかった。 でもバイクで温泉まで行くのは嫌だ。このトロッコには絶対に乗りたい。 シャッターの閉まった待合室の前で1時間ほど待った。 工事のおじちゃんたちと話してたんで暇はもてあまさなかった。 |
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9年ぶりのトロッコ列車。 小さな客車、ものすごい振動・・そしてトンネルを抜けたら、霧の中の温泉。 |
この時に機関車にカメラ付けさせてもらって撮影した動画。(youtube)![]() |
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温泉はいい湯だった。 初めて来たときほどの異世界感は無かったな。 |
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温泉周辺は雨だったけど、峠を越えたらとたんに快晴。雨の中を走るのは苦行だけど、晴れてるとウキウキしてくる。 眺めのいい崖っぷちにベンチがあったので、カッパやブーツカバーを乾かした。(昨日の事件で全く懲りてないね) |
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偶然みつけたもの凄い風景。景色であんなに興奮したのは初めてだ。すばらしかった。 山々の頂上をトレースするように走る林道、連なる山々の緑、青空、雲・・・ 走りながら興奮して、「ワーオ!」「グレイト!」「ベスト・ビュー・ポイント!!」と何故か英語で叫びまくってた。あまりの光景ちょっと頭がおかしくなってた。いやぁ、本当にこの道はすごい・・ |
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写真だと伝えきれないのがもどかしい。本当に凄い展望だったんだ。 ずしんとした質感をもった巨大な山塊がいくつも連なり、走っても走ってもただひたすら山、また山。 山の表面の木々の細かなつぶつぶが山の質感を深くして、よりいっそう山深さを感じさせる。 この林道はすばらしい。龍神スカイラインに戻るかどうか迷ったが、先に進んでよかった。 紀伊半島の最後にこんな道を走れてよかった。 |
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林道を走ってたら廃林業小屋が3つあって、どれも扉がなくなってて中に入れそうだった。 民宿「廃屋」で寝て以来、廃屋を見ると寝る場所にしか見えなくなってて、 「ああ、ここで寝たらおもしろそー。こんな人里離れた山の中の廃屋で寝たら楽しい一晩を過ごせるだろうなぁ」とウズウズ。 でもまだ夕方6時で明るい。日程も押してるのでここで寝るわけにはいかん。 |
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長い間ひとけの全くない林道を走って、ようやく初めて人家に遭遇 と思ったら廃屋だった。 この廃屋から先、またしばらく人家の全く無い山道が続いた。 こんな山の中の一軒屋に、どんな人が住んでたんだろう。どうしていなくなったんだろう。 食料品や日用品の買い物はどうしてたんだろう。どんな生活をしていたのか、想像もできない。 こうやって不便なところからはどんどん人がいなくなって都市部に人が集中して、 日本はつまらない国になるんだろうなぁ・・・ |
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さっきの廃屋からしばらく森の中を走って現れた次の民家には人が住んでいた。 こんな山奥の細い道に村営バスのバス停があってびっくりした。 1日2本とはいえ、儲かるところだけ運営すればいい民間企業と違って、 赤字でも住民サービスを維持しないといけない公共団体は大変だ。 |
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さっきの民家は集落から少し離れていて、その小さな集落も山の中にぽつんと孤立していて、 集落から30分くらい細い山道を走ったら国道168号線に出るが、そこも小さな集落でコンビニもガソリンスタンドもなく、 そこからまた30分くらい走ってようやく小さな街があって・・・ 次から次へと山、山の連続ですごい場所だった。 人間のどんなとこでも開拓して住処にする力はすごいと思った。 紀伊半島は奥深いな。このあたりは林道や細い県道があちこちに走ってるので、全部制覇したくなった。 でももう紀伊半島の滞在予定をだいぶオーバーしてしまってるので、時間切れ。 四国と九州も走って鹿児島から帰らないといけない。予定のある旅は自由きままに走れずつらい。 |
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夜の2車線山岳国道を快走してると、空を飛んでるような気になってくる。 国道対岸の斜面にへばりつくような家々。 山肌に小さな明かりが点々と灯る。 なんだか箱庭みたいで、愛おしい光景。 |
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走っててふと上を見上げると、満点の星。 今日は星がきれいだ!とバイクを停めて、道の端にねっころがって眺めた。 このままここで寝ちゃおうかな、と思ったけど、 わりと(10分に1台くらい)車が通るのでやめた。 |
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寝場所を探しながら走るが、和歌山港に向けてだんだん街になってくるので、いい場所がない。 地図で見ると貴志川線の甘露寺前駅・大池遊園駅が周りに民家が少なそうで来たが、どうも「都市のはずれの無人駅」て感じで野宿する雰囲気じゃない。 やめよ。 |
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走るうちに和歌山市街に入ってしまって、もう寝られそうな場所がない。 四国行きのフェリーに乗っちゃって、船の中で寝るか。 南海フェリー乗り場はバイク3台しかいなかった。 |
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甲板で夜景を眺めていたいけど、明日に響くから寝よう。 |