3日目

2:50の目覚ましで起床。
昨日は何時に寝たんだろう。5時間は寝られたかな。
今日は信木駅跡も見に行きたくて早めに起きた。

待合室内を見てまわったり、外に出て空を見上げて「寝てる間に雲が出て星が見えなくなったなぁ」と思ったり、昨日買った朝食(デザート)を食べたりしてるうちに時間がたって、出発したのは3:40。ICに直行しないと4時に間に合わん。
江の川沿いの道は狭いが内陸の県道322に入ると2車線になって快走、まだ真夜中なので真っ暗だが山村風景は美しいなぁ、と感じるけども途中で止まることはできずひたすら走って、3:55に高田ICから中国道入り。

中国道は車が少ない。1km走ると1台の大型トレーラーを追い抜くペースで、他の車はいない。

走ってるうちに薄明るくなってきて、周りの景色も楽しめるようになった。

道はアップダウンとR500以下の高速コーナーの連続で、すごく楽しい。SV1000Sの本領発揮。
R350の登りコーナーに130で侵入、体を内側に落としてバンクさせアクセル開けて150でコーナー脱出なんかすると最高に楽しい。という妄想。

しまったな、昨日は山陽道じゃなくて中国道を走ってこればよかった。
ネットで「中国道はカーブだらけで走りにくく事故が多い」と書いてあったから避けたけど、バイクなら逆に楽しいじゃないか。
広島北JCTから山陽道にチェンジするなど考えられず、最後まで楽しみながら中国道を走った。

体はだいぶSVに慣れてきて、手の痺れと内股筋肉の痛みはなくなり、腰の痛みも一時間に一度の休憩で耐えられるようになった。


あっという間に山口で山陽道と合流してからはトレーラーが多くなって、関門橋を渡って九州入りしても特に感慨なし。
鳥栖JCTを超えてからまた空いてきて、快調に走る。
時間があったら鹿児島北部の栗野ICで高速を降りて宮之城線の楠元駅跡や上樋脇駅跡(最近ネットで知った)を見に行こうと計画してたが、時間がないし、また九州ツーリングに来ることがあるだろうと諦めた。

桜島PAのトイレで顔を洗ってたらちょっと年下くらいの兄ちゃんから「あのバイクの人ですか?」と話しかけられ、「個人売買で買ったバイクを引き取って2日間で鹿児島港まで走って沖縄まで持って帰るところです」と応えると
「失礼ですけど、どう見ても学生じゃないですよね?キチガイみたいな走り方ですね。私も23まではそんなことしてたけど、今はできませんよ。」と言われてしまった。
これ、「バイクキチ」って意味の褒め言葉だよね?


14時、とうとう鹿児島IC。ゴールだ。(荷物が落ちそうなので緊急に退避帯に止まったついでに撮影しますた)

乗船手続は15〜16時。まだ1時間以上あるので鹿児島市内の薩摩蒸気屋でお土産を買って、スーパーで船内での飲み物やおつまみも買っていく。

暑いのでシールドを開けて走ってると目がチクチクする。なんだろう?
あ、火山灰か!
よく見ると数十メートル先がかすんで見える。桜島を見ると噴煙がこっちに向かってきてる。
少し市内を走ってヘルメットを見ると灰かぶり姫状態。

鹿児島の人たちはこれが日常なんだ。大変だな。


鹿児島港に着。なんかぜんぜん達成感とか感慨が無い。
北海道ツーリングで大阪港から自走して青森港に着いた時はものすごい達成感だったんだが、2度目の長距離走となると悪い意味で慣れてしまったか?

ターミナルはがらんとして人気がない。
乗船手続きのカウンター前は検温する係員だけで客は誰もいない。

コロナウイルスの影響かと思ったけど、平日だから普段からこんなもんなのかも。

今日の船はクイーンコーラル8で古い船。2段ベッドは2等料金プラス6千円の2等寝台しかない。明日のクイーンコーラルプラスならプラス千円の2等洋室があるのだが。
6千円出して2段ベッドの相部屋になるくらいなら、プラス1万5千円出して生まれて初めての1等客室にしてもいいなと思って聞いてみたら、QC8には2人部屋しかなく一人で使うには50%の貸し切り料金がかかると。プラス3万円も出せん、駄目だ駄目だ。ガラガラなんだから空室で運行するより一人料金でも高い部屋を埋めたほうが儲かると思うんだけどなー

3階で乗船手続きしたあと1階でバイク(特殊手荷物)の手続き、7,200円。
それから乗船開始まで時間があるので、ターミナルのベンチでさっきスーパーで買ったノンアルビールを空けてしまった。
暑いからね、しょうがないね。

17時前に乗船。

ベッドに荷物全部ほうり込んで、メッシュパンツ脱いで短パンに着替えて、貴重品と着替えを持ってシャワー室にGO。
初日の夜に諏訪湖SAで温泉入ってから風呂に入ってないから体ベタベタ。一番風呂(シャワー)あびてさっぱりすっきり。

2等寝台は8人部屋×8部屋あり、乗船手続きのとき聞いたら10人の予約が入ってて当日来る人もいるとのことなので、今のところ俺一人だけど出港までに誰かもう一人くらい来るだろうな、と思ってたら誰も来ず、独り占めの個室確定!やったぜ。無理して一等客室とらなくてよかった。
(ふだんだと掃除の手間を減らすために少ない部屋に詰め込むだろうけど、今は感染防止のため多くの部屋に少しずつバラして配置してくれたんだろう)


レストランオープンしたので夕食どうぞの案内放送があり、さっきスーパーで買った寿司と刺身を食うつもりだったけど、暖かい揚げ物の誘惑に勝てず、黒豚トンカツ定食を頼んでしまった。寿司と刺身は明日の朝食にまわそう。
そして船内の自販機で買った発泡酒を飲むがあまり美味くなく、100円ケチらず本物のビールにしておけばよかったナ。
食ってる間に出港。過去には離岸する瞬間を見たくて必ずデッキに出てたが、もう何度も乗ってるので慣れたもので、そのまま喰い続けた。


食い終わって外に出ると開聞岳の横を通過するところだった。雲がかかってシルエット全部見えなかったのが残念。
ちょうど夕日がバックになって写真栄えするからここは毎回外で見てるんだ。


外洋に出ると携帯がつながらなくなるので、妻に電話して子供と話して、ベットにごろん、就寝。
深夜に奄美大島に着いてアナウンスもあったはずだが気づかず、ぐっすり寝てたみたい。


4日目

朝食案内のアナウンスで起きたらもう窓の外は明るかった。10時間くらい寝たか。
それから更に数時間ベットでうだうだして、昼前に起床。
昨日鹿児島市内で買った寿司と刺身は常温で12時間以上放置してたので変色してて、腹を壊しそうなので食べる気がせず、食堂で昼食。勿体ない事をした。

沖永良部島に停泊中に「エンジントラブルで部品の交換が必要なので1時間遅れます」とのアナウンス。
クイーンコーラル8は古い船だから仕方ないか。プラスだったらこんな事なかっただろうし、2段ベッドも千円で使えたのにな(根に持つ)。
修理完了して出港したはずだが、しばらくすると「部品を交換したが直ってないのでスピードが出せずスロー運航になり、さらに遅れます」とのアナウンス。
この後に予定はなく急いでないからいいけど。
GPSで速度みたら時速10kmも出てないんでやんの。歩く速度だ。進んでるというより浮かんで漂ってる感じで、船体に伝わる振動は全然波を切ってる感じがしない。
明日の朝までには那覇に着くよな・・・?有休は今日までなので明日までズレこむと困る。

与論島との中間あたりで直ったのか時速30kmくらいに増速して、本部港に17時着。
那覇港にはどっぷり暗くなった20時半着。

妻と子供が迎えに来てた。
3歳の男の子なので働く車が大好きで、パパが帰ってきたのそっちのけで港を走り回るフォークリフトや船のクレーンでの荷下ろしに大喜び。
もう家に帰ろう、と言うと「イヤー!見るー!」と怒る。
30分くらい見て、なんとか宥めすかして車に乗せ、家に帰ってきた。

21時半帰宅。
走行距離1,526Km。

ひたすら高速を走って思い出薄いツーリングだったが(脳内に色濃く残ってるのは三江線での夜だけだ)、数年ぶりに本土ツーリングできてよかった。


←2日目 ↑TOPへ