EXCEED-03
「朝日はこんなに眩しかったんだ。」
朝、目が覚めたディードはゆっくり体を起こしてみる。
まだ体に少し痛みがあり、ふらつきはするがグリッド特製の卵粥が効いたのだろう、
熱はすっかりひいたようだった。
ディードはベッドから出るとまぶしい朝日がいっぱい入ってくる窓へ
ゆっくりと手を伸ばす。
空はとてもよく晴れていて、射し込む朝日があたたかい。そのまましばらく
日なたぼっこを楽しんでいたディードはふと、なにかのニオイに気がついた。
「いいにおい・・・・。」
おそらくグリッド達が朝ゴハンを作っているのだろう。体調がよくなったせいか、
食欲もでてきたディードは生唾をのみ、ふらふらと部屋を出る。
「て、てめっ!!これは俺んだ!!」
「あー!!!それはさっきいっぱい食ってたろぉ、バルガン!!!」
「へっ!!早いもん勝ちだぜ!!いただきー!!」
騒がしい一階のドアを開けてみたディードはその迫力に圧倒され、
中に入ることができなかった。
確かに朝ゴハンのようだが二人共すごいスピードで食べていた。
いや、互いのモノを取り合いながら、と言った方が正しいであろう。
「バ、バルガン・・・・・。」
「よぉ!!昨日はよく眠れたか?ディード。」
「あ・・・・う、うん。・・・・・・いつもこうなの?」
「まぁな。コイツが俺の分まで食おうとしやがるからなぁ。まったく、
いやしい奴だぜ。」
「んー!!!それはバルガンだろぉ!!!だぁぁぁ!!!だからそれは俺のハム・・・・。」
「そんなこたぁ関係ねぇ!!目の前に残ったもんは俺のもんだぜ。」
「んなむちゃくちゃなぁー!!!!」
「それより早くディードの分を作ってやれよ、ホラ!!」
ディードは軽く微笑んだと思うと少しうつむきながらバルガンに話しかけた。
「バルガン、色々ありがとう。でもゴハンだけ食べさせてもらったら
ボク、出て行くよ。」
「あーん?なんでだ?」
「何でって・・・・・やっぱり迷惑だろうし・・・・・。」
それを聞いたバルガンはのけぞって大笑いした。
「ナニ言ってんだ。今日からおまえはここの一員なんだぜ、ディード。」
「え?ボクが!?」
「そうだ。何も憶えてなくて行くあてもねぇんだろ?だったらしばらくここにいれば
いいじゃねーか。」
「でも・・・・・・・・。」
「ん?イヤなのか??」
「ううん、そうじゃない。ボクもバルガン達と一緒にいたい。だけどボクはどこの
誰だかわかんないんだよ?・・・・・それでも・・・・ここにいてもいいの?」
「あったり前だろ!!?ナニ気を使ってんだ。そのかわり、色々と手伝ってもらうから
覚悟しとけよ!!」
そういうとバルガンは片目をつぶってみせ、微笑む。それを見たディードも
あふれんばかりの笑顔で答えた。
「ありがとう。バルガン、グリッド。ボク、何でもするよ!!!」
「ハッハッハ!!!だったらまず顔を洗ってくるんだな!!早くしねーとオマエの分も食っちまうぞ!!」
「あっあっ!!ちょっと待って!!!」
あわてて洗面所を探すディードを見ながらバルガン達はまた大笑いした。