木津市場と今宮戎神社
キタの天満青物市場と並ぶ、
江戸時代からの市場である。
正式に官許を得たのは文化6年(1809)
このすぐ近くに大阪人が「えべっさん」と呼ぶ
今宮戎神社がある。
祭神は天照皇太神、蛭子命。
毎年1月9、10、11日この界隈は、
商売繁盛を願う人々でごった返す。
「正月がすむと十日戎である。
今宮の戎前から難波の入堀川に面したお蔵跡まで
十丁あまりの間、ずっと子宝店その外店が出て、
揉み返すやうな人ごみである。」
なには人に寄す
うつくしく 駕籠をつらねて過ぎにしを 思ひつゝ居むー。十日戎を
(『倭おぐな』より)
十日戎
ほい駕籠を待ちこぞり居る 人なかに、
おのづから
われも
待ちごゝろなる
『春のことぶれ』大阪詠物集より
※<ほい駕籠>とは、正装した芸者をのせた<宝恵駕籠>のこと。
10日の本戎には「ホエカゴホイ」の掛け声に南地の芸者衆が参拝にきた。