運動時の水分の摂取について
 スポーツしている時(発汗前中後)は、常に水分の補給に心がけなければなりません。 のどが渇いたから飲むのでは「遅い」のです。水分を摂取しないと疲労の増加、幻覚、 痙攣(けいれん)、熱中症、ひどくなると心筋梗塞、脳卒中の危険性もあるのです。 怖いことになる前に適切な水分の摂取に心がけましょう。 計画的に摂取し、楽しくスポーツしましょう。
水かスポーツドリンクか

1時間以内の激しくない運動には「水」。
2時間を越えるが激しくない運動には「スポーツドリンク」。
激しいスポーツには「スポーツドリンク」。
水分摂取の「タイミング」と「量」

(運動が1時間以内の場合) @のどが渇く前に適量(100〜150ml前後)。
(ml=cc,1000ml=1リットル)
(運動が1時間以上の場合) @運動前(30分前までに)にコップ1杯(200〜500ml)の水分を摂取。 A運動中、発汗量に見合う量(100〜200ml)を10〜15分おきに補給。 (1回の最大摂取量は600mlが限度)
最大摂取量は、運動前後の体重変化の4分の3程度の量を目安(500〜1500ml) (参考・目安)
2時間程の練習で体重の2%の4分の3摂取ということは 体重60kgの人は、60×2%×3÷4=0.9s=900mlを補う。 (体重の2%を限界とし、それ以上進むと脱水症状になるので進ませない ことを目的として摂取します。)
スポーツドリンクの摂取「方法」と「成分」ほか

運動中にスポーツドリンクを飲むと非常に甘く感じた経験があると思います。 市販のものは、運動中には少し糖分濃度が濃い(5〜6g/100ml)状況になります。 従って、 @
1.5〜2倍のミネラルウォーターか水で薄めて飲むのがベストです。 糖分濃度が2〜2.5g/100mlになるよう薄めて飲みます。 理由は、糖分の濃度が濃いと水分の吸収が低下するからです。 例)
350ml缶で果糖5.5g/100mlの場合、2.5g/100mlの糖濃度にする。
薄める量(g)=スポーツドリンク(ml)×[{果糖(g/100ml)÷所望糖濃度(g/100ml)}-1] X(g)=340g×(5.5g÷2.5g-1)=408(g)となり、水を408g以上入れる。全体量は748ml。 Y(g)=340g×(5.5g÷2.0g-1)=595(g)となり、水を595g以上入れる。全体量は935ml。 市販されている主なスポーツドリンク(100ml中)に含まれる糖質(g)を以下に記す。

名称(果糖系)
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g
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名称(砂糖系)
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g
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名称(ステビア系)
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g
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ちゃら式生活
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0
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コンセプトサン
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6.8
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ポカリスエットステビア
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2.7
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アミノバイタルウォーターチャージ
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2.5
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マッチ
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9.8
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リフレビィ
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5
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エネルゲン
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5.5
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ポカリスエット
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7.2
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RAKUDA(らくだ)
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4.4
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WELL
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1.9
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X-STYLE Water
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3.7
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ザバス グリコーゲンリキッド
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20.8
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サプリ
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5
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侍(サムライ)
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4.6
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ヴァーム
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0.5
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なっちゃん!はちみつレモン
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9.3
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アミノサプリ
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6
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ヴァームウォーター
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0.76
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MIU ミウ
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4.7
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高原の岩清水&レモン
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8.8
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C1000 レモンウォーター
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5.8
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ダカラ
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4.7
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ウォーターサラダ
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4
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スポーツドリンク(ダイエー)
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7.2
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n (エヌ)
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4.3
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レモンをぎゅっ!
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9.4
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ストライカー グレープフルーツ
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5
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C1000 ビタミンボトル 炭酸
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9.5
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レモニア
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4.5
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ライフガード
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9
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アクエリアス
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5
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アクエリアス クリアレモン
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3.6
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アクエリアス ミネラルバランス
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3.7
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青りんごの天然水
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4.7
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ザバス クレアチンパワー
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2.7
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ザバス BCAAウォーター
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2.7
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シトリックアッシド
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0.5
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無印良品スポーツドリンク
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6.1
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ゲータレード
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5.8
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⇒その場合のスポーツドリンクに含まれる糖分の成分にも気をつけなければなりません。
A
なるべくなら果糖と表示してあるものを摂取するようにします。(「くだもの」の糖分)
{
高果糖液糖(果糖が混じった砂糖)
や 果糖ブドウ糖液糖などの表示のあるものは、 砂糖が含まれています。}
B運動後は、薄める必要はありませんが200ml程度が良いでしょう。それ以上飲みたい場合は、
果物のジュースや牛乳などを飲みましょう。
脂肪燃焼を目的とした場合には、運動終了後15分くらいは果糖以外の糖質をとらないよ うにします。(脂肪燃焼が止まります。)
参考 C運動後の食事は、運動で失われたタンパク質、糖分、ビタミン、ミネラル類をバランスよくとり
ます。(とりすぎには注意しましょう。)
マイ・スポーツドリンクの条件

@ 果糖(100ml中5g以下)使用のもの
A クエン酸を含むもの(飲んでみてオレンジの味がする)
B アミノ酸(BCAAやアルギニン)を含むもの C 温度は常温(5〜15度)のもの (飲んでみて冷たいと感じる温度は20℃以下です。)
D 運動中、飲む場合は、ミネラルウォーターで薄めたもの
E 自分の体質や体調、運動の種類にあったもの F
足がつるような人はミネラル分を多くとれるもの
注 果糖:果糖は甘みのある果物に含まれる糖分で、小腸に吸収された後、肝臓に運ばれそこでブドウ糖に代謝され、血液 中に放出されたり肝グリコーゲンとして蓄えられる。そのため血糖値を急激にあげない性質をもつ。エネルギー源 クエン酸:クエン酸は、レモンやオレンジなど柑橘類に多く含まれる。食品に使われるクエン酸はデンプンから作られて いる。無色透明の結晶性粉末で、水やアルコールによく溶け酸味と若干の甘みがある。乳酸を除去したり血液のpHを中 性に戻すので、疲労回復効果も期待される。筋肉疲労回復、乳酸分解促進
BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリンという3つの分岐鎖アミノ酸を指す。運動前や運動中に摂取することで、筋タンパク の分解を抑制すると言われる。筋力トレーニングの際に摂取すると、体タンパクを壊してエネルギーとして利用するのを 若干くい止められる可能性もある。また運動前に摂取することで集中力を高めるという報告もある。持久力アップ
アルギニン:アミノ酸の一種で、医薬品的には成長ホルモンの分泌を促す効果がある。成長ホルモンは、脳下垂体から分 泌されタンパク質の代謝を促し、筋肉を強化する働きがある。アルギニンは身体を活性化し、精神的、肉体的に機敏にさ せたり、免疫反応を強化する作用がある。病気への抵抗力を高めたり、傷の治りを早くする働きもある。 |