厚南平野から見た霜降山の峰

ホーム夏の甲子園ものがたり2001-2002
春のセンバツ
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夏の甲子園ものがたり  2005 宇部商業高校

宇部商業高校(山口県代表)応援手記 2005年夏の記録
第87回 全国高校野球選手権大会

宇部商は4強まで頑張りました!


◆あれほどの闘いをして来た宇部商チームが、NHK「ゆうゆうワイド」の番組制作のおかげで、彼ら選手たちは、実はこんなにもこまやかな気配りや思い遣り深い人間同士の絆で結ばれていたんだ、ということを、多くの視聴者は知り得たのではなかろうか。手作りの、ささやかな御守り一つにもかけがえのない友の願いが込められていたり、手術で来られなくなってしまった藤井コーチとの約束を交わした選手たちの思いには、われわれの計り知れない、照れくさいほどの汗まみれ泥まみれのなかでの互いの絆が固く結ばれていたのだということを、われわれ視聴者はそれを聞いて、誰もが胸にキュンと来たのではなかろうか。

藤井コーチのことは、以前から宇部商野球部の名脇役(30年間在籍)であることを、地元の野球好きな人なら誰もが耳にして知っているであろう。玉国監督と同期らしくて、実はわたしが厚南中学校に通っていた頃、宇部商の甲子園出場が決まり、宇部商の選手たちが厚南中学校に挨拶に来たことがあって、その時、全校生徒がグラウンドに整列して、お祝いの見送りをしたわけだけれども、その中のメンバーに玉国さんと藤井さんがいらっしゃったわけである。今の玉国監督のお顔から、かつては高校生であったことが甚だ想像し難いのであるが、いや、これは失礼、玉国さんも藤井さんもかつては同じように純真な高校生でいらっしゃったに違いない。好永君のようなイケメン笑顔の容貌をしていたかどうかは、わたしにはあまりにも遠い記憶のために全く判らない。さて、その時の往時のベスト4の選手の一人こそが、藤井コーチであったと思うのだが、なにしろ40年位前の話しだから定かではない。まあ、身元調査はどうでもよくて、今夏の宇部商チームがその藤井コーチとの約束、夏の甲子園ベスト8を果たして、また再び秋の岡山国体で必ず藤井コーチと一緒に野球を楽しむんだ、という願いを込めて、今夏の熱闘甲子園に臨んでいたことが「ゆうゆうワイド」宇部商特集で知ったわたしは、思わず、オヨヨ、涙ちゃんがあふれそうになり、オジサンを泣かせるんじゃないよ、わたしは滅多なことでは泣かないんだから、と藤井コーチの身体が心配になってしまった。今夏の宇部商チームはベスト8どころかベスト4まで上り詰めたのだから、藤井コーチはみんなのために早く病を完治して復帰してね。

さて、話題を変える。ところで、もう一人ほど気になっていた選手がいる。準決勝9回ウラ、3年生の代打、添竜太郎君、いい顔つきをしていたねえ。甲子園5試合で宇部商初めての代打、あの土壇場ゲームで君は出塁できなかったけれども、バッターボックスに立つ気迫は最高でした。背番号10番の添君の姿に、宇部商背番号1番から18番全員の願いが一つの背番号になって、わたしには見えました。背負いきれないほどの重圧のなかで、勝負に向かってゆく姿は、実に美しいと思いました。振り切るスイングは、球には決して負けてはいませんでした。何事にも立ち向かってゆく気迫の姿勢が最も大事で、結果はともかく、その姿勢こそが、試合の勝敗の向こう側にある己れ自身の人生に通じるものだと思います。わたしは試合に勝つためにピッチャーが強打者を敬遠する高校が嫌いです。プロ野球なら別に構わないのです。高校球児であればこそ、逆に立ち向かっていって欲しいのです。試合の勝負結果よりも、もっと凌駕できる凄い感動と輝きが先で待っているからです。それが甲子園だと思うんですよね。宇部商の好永君は今夏、ただの一度も、どのバッターに対しても、決して逃げたりすることはありませんでした。むしろ恐いほどの形相で立ち向かっていました。その結果が、今度の宇部商のベスト4にもつながっていたと思うんですよね。添君、本当に感動をありがとう。人生は出塁できなかったところから、本当の、本物の第一歩が始まるんだよね。宇部商の夏は、本当に最高だった!

(2005/08/24)

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◆NHK山口の午後5:10からの番組「ゆうゆうワイド」を昨日は観た。先週末から宇部商特集が予告されていたので、この時間を楽しみにしていた。この日は月曜日の平日営業日とあって、朝からメールと出荷に追われて大忙しの一日だった。この日も次々に全国から注文が入って来ていた。これも宇部商効果なのだろうか。別段商売に利用しようと思って「夏の甲子園ものがたり」を書いているわけではないので、人に何と誤解されようが、わが道をゆくまでだ。宇部商が大好きだから仕方がない。わたしは今もプロ作家を志し文筆稼業も生業としている。ネットショップも本業、文学も本業なので、二足の草鞋を履いてはいるが、世間がどう見ようと、わが道をゆく。この茨の道も、もう33年も歩き続けているので、こうなったら矢でも鉄砲でも持って来いだ。ただ、少しだけ女房が不憫ではある。

「ゆうゆうワイド」の特集「ミラクル再び! 宇部商快進撃・ベスト4までの軌跡」をやはりビデオに録画して生番組を楽しませてもらった。ゲストには、宇部商の井田和秀主将、好永貴雄投手、星山卓二捕手、山野光輝二塁手の4人。NHK山口野球解説の田辺敏春さんが番組の初めに、「久々に強い宇部野球を見せてもらいましたね」と言われたので、とっても幸せな気分になった。「宇部野球」という言葉を初めて聞かされて、ちょっとびっくり。そんな言葉もあるんだと妙に感心してしまった。この番組のことについては、また明日にでも続きをいろいろとゆっくりと書いてみたい。わたしが一番知りたかったこと、それは好永投手のあの準決勝9回表の、あの瞬間の、自己分析の彼自身の言葉だった。たとえ、どんな苦境に立たされたとしても、最後まで全試合を自分一人で投げ切るのを初めから決めていた、と固い決意だったことを語ってくれたのは、この番組で知り得たことである。それが自らの責任であって、自らの意志であり、オレが負けたらチームも負けることにつながる、と彼自身が最も正しい分析をしていた。自分が倒れる時が、宇部商が倒れる時であることを、彼が最も知っていた。自らの体力の限界を超え、壮絶なる投球で全力を尽くして来たから、そこでチームがかりに負けたとしても、それはそれで仕方がないと、それゆえに、彼には悔いがなかったのである。だから、準決勝の試合が終っても、好永投手に涙はなかった。「悔いはありません」と、きっぱりと答えた好永投手にわたしは大器の片鱗をみたような気がする。これでまた一つ、彼らチームは「宇部野球」に新たな歴史の足跡を残していったようだ。県大会から甲子園準決勝までの好永投手は、10試合をこなして92イニング、通算、1254球の投球数で9つの勝利の激闘を繰り広げて、この夏を見事に締め括ったのだった。

(2005/08/23)

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◆秋風が吹く頃、この夏の記憶をもう一度ふっと思い起こすだろうか。準決勝、9回表、あの時の、あの瞬間の、サードからファーストに送球した好永投手の白球のスローモーションは、おそろしくゆっくりと宙で大きな円弧を描きながら、ファースト・上村の頭上高くグローブがとどかない位置で、球は浮いたまま止まり、腕を思いきり伸ばしてジャンプした上村も宙に浮いたまま、それっきり時間が止まってしまった。それから先の光景は、何度ビデオを再生しても、同じ動作でゲームは進行してしまう。体力も握力も集中力も思考力も何もかもが奪われてしまっている9回表の極限状態のなかで、これまで全試合を通じて常に冷静であり続けた好永投手は、ここへ来て最後の力を振り絞りながら、わずかに残された闘争本能だけで必死に守り抜いていた。県大会5試合と甲子園4試合の合わせて9試合を完投して来た好永は、準々決勝の日大三との対戦が夕刻に終ってから、まだ18時間しか経っていない翌朝11時から、この10試合目の準決勝・京都外大西との対戦に連投で臨まなければならなかった。準決勝組み合わせ抽選のくじ運の悪さとも重なり、体力限界の熾烈な死闘試合を受け容れるしかなかったのである。せめて準決勝だけは第2試合にしてほしかった。控えのピッチャーはいない。たった一人で投げきるエースだ。エースにして4番打者。レギュラー9人とも選球眼がよく、打撃力も全員アベレッジ3割以上の抜群さで、中でも好永投手の打率は5割だった。そんなエースの姿に、観衆がひときわ大きな拍手を送り始めた時、彼の痛恨の一塁送球ミスがついに出てしまった。サード・ランナーを挟みながらも刺せなかったあの瞬間から、好永の握ったボールはどこか異空間へと消えていったのだろう。投球数は前日の対日大三で155球、対京都外大西では164球となった。驚異的なスタミナの持主であったが、あともう少しのところで力が尽きてしまった。

準決勝では10-8で宇部商は京都外大西に惜敗してしまった。勝敗は残酷だ。負ければ、責められ、悔やまれる。勝てば、エラーもミスもすべて許され、讃美される。宇部商サード1年生の高橋内野手のことが、いちばん気になっていた。準々決勝までの高橋はとても1年生とは思えないくらいの、全試合とも抜群のフィールディングが堅実だった。強固な鉄壁の堅い守備で定評があった宇部商ナインの一人である。球場が満員に近い観衆に見守られながらプレッシャーがなかったのかというと、ないはずはないわけで、1回から9回までの高橋は初めから何かが違っていた。うわずっていたというよりも、彼だけでなくチーム全員に極度な疲労感も漂っていた。準々決勝の日大三との対決は、われわれが想像する以上に選手たちの体力が奪われた試合であったのかもしれない。もし準々決勝と準決勝の日程に中1日でも空いていれば、少なくとも平等なコンディションで迎えられていたかもしれないのである。京都外大西には準々決勝と準決勝の日程に中1日が空いていたのはかなり有利ではあった。また京都外大西の2人の投手が試合運びをバランス良くうまく進行させていた。また、これが普通なわけだが、では、なぜ宇部商の玉国監督は控えの投手をこれまで養成して来なかったのだろうか、疑問が残るが(実は江本中堅手が隠れ控え投手らしいのだが)、考えてみると、宇部商は公立高校であり、地元の中学生かもしくは山口県内の中学生しか編入入学させない規則というものがある。私立高校のように、野球留学主体の体育専門学校のような自在な機能は持ち合わせてはいない。有能な中学生を全国から掻き集めて来る、いわば、よく言われるところの「多国籍軍チーム」に対して、一方はローカルな公立高校の山口県産育ちの生粋なサラブレットチームである。その数少ない純粋種を立派に育ててくれる宇部商の教育姿勢も見事なら、運動部活動で野球部監督に就任して野球部を率いておられる宇部商出身の玉国監督も見事であって、野球部監督に30年間も貢献し続けていらっしゃれば、ここに地道な屈強の野球文化も花開いているといえるだろう。好永の他に甲子園で通用するピッチャーがいなかったのかもしれない。

3年生の夏の甲子園は終ったが、宇部商ナインの1年生の高橋と2年生の豊田には、来年があり、この2005年夏の甲子園が、さらに彼らをきっと逞しくしてゆくことだろう。そして、昨日8月21日付の朝日新聞に、宇部商にとってはすばらしい朗報が掲載されていた。日本高校野球連盟が、9月2日から韓国・仁川で行われる第6回アジアAAA野球選手権に出場する全日本高校選抜チームの代表18選手に、われらの宇部商エース・好永が選ばれたのだ。投手として選ばれたのは、今夏連覇の駒大苫小牧の田中将大(背番号1)、宇部商・好永貴雄(背番号2)、大阪桐蔭の辻内崇伸(背番号3)、長崎・清峰の古川秀一(背番号4)、他3名。内野手としては愛工大名電の堂上直倫(背番号13)など、外野手としては大阪桐蔭の平田良介(背番号16)らが名を列ねている。全日本代表の一人となった好永投手の夏は、まだ終らない。

宇部商の底力には投打の他にもう一つ隠された秘密があると先週末わたしは言ったが、それは20年前の夏の甲子園での宇部商準優勝にある。当時、大阪・PL学園との決勝戦で宇部商は惜しくも4対3で敗れた。その時にやられたのが清原・桑田を擁したPL学園との接戦だったわけだが、清原のサヨナラヒットは敵ながらあっぱれであった。その時の宇部商にもホームランバッター・清水(大会中3本)がいたのだが、清原はそれをも凌ぐホームランバッターだった。1985年のことだから、もちろん今年の宇部商チーム全員まだ生まれてもいないわけだ。自分たちの先輩たちがかつて甲子園で、今の巨人にいる清原・桑田と戦って決勝戦で接戦していたというお手本が、途轍もない誇りであり、その誇りは同時にリベンジに膨らみ、執念であり、全国制覇への現実的な高い目標ともなって、毎日の厳しい練習にも耐え抜き、恐ろしく日々鍛えられているということなのである。瀬戸内海の周防灘を前にして、彼らの素朴でファンタスティックな夢・あこがれであり続けているのだ。学校のグラウンドで練習に励み終わると、彼らの内の寮生たちはわたしの自宅の前を通り、わたしの実家の前の寮に帰宅するのが日課となっている。好永投手もその一人である。ふるさとはそんなファンタスティックな宇部商の学生たち全員を、いつもとても大切に温かく見守っている町でもある。

(2005/08/22)

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◆8月19日(金) 準決勝の日。昨日の8月18日の準々決勝第2試合、宇部商対日大三との対戦は、宇部商の初回先制打に始まるも中盤5回ウラで追いつかれ、終盤8回ウラでは3対2と逆転され、これで勝負ありと誰もがやっぱり日大三の勝ちを思ったであろう。だが、そのままでは終らないのが今年の宇部商チームだ。9回表の土壇場で連打ノーアウト1、2累、宇部商上村の火の噴き出るようなライトオーバー三塁打で猛攻の反撃再逆転で4対3とし、さらに好永が追撃とどめのピッチャー返しセンター前ヒットで上村をホームに帰して5対3としたのだった。9回ウラ、日大三はランナー1、2累と絶好の再逆転好機を狙うも、好永の球威に屈して、ついに同点にも及ばず敗退した。誰もが宇部商のまぐれなミラクルと思うだろう。宇部商の底力には投打の他にもう一つ隠された秘密があるが、今は語れない。いずれにしても、これでベスト4進出だ。地元宇部の町もだんだん歓喜の声に溢れ始めた。

さて、メディアの世界は大阪桐蔭一色の高校野球となってしまったが、辻内と平田のことは今は忘れて、本日の準決勝の相手、京都外大西との対戦はいかに。準々決勝で鹿児島の樟南を破って来ている京都外大西であるが、準々決勝で勝利した時の三原監督のインタビューを聞いて、わたしは日大三と宇部商がたまらなくかわいそうに思えた。どうも大阪桐蔭以外には興味がないらしくて、京都外大西は大阪桐蔭との対決ばかりを考えているようである。そのためには、面倒臭いであろう宇部商との対戦を超えなければならないのだが、相手にしてもらえるだろうか。どうやら排他的な土着性がにじみあふれておられるようで、かなり宇部商をみくびっているようだ。京都外大西のスーパー1年生ピッチャー本田投手がずいぶんメディアで注目されるようになってくれたので、おかげさまでわれらの宇部商エース好永投手が連投とはいえ、試合運びとしてはやりやすくなって来たともいえる。目立たないのが一番いいのだ。全員野球、一心のチームワークを重んじて、宇部商はきっと京都外大西に勝利をもたらしてくれることだろう。冷静に分析すると数値的にも宇部商が有利なのだが、いかに。

がんばれ宇部商! 好永投手よ、心で勝て!
  ・ふるさと応援風景集

(2005/08/19)

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◆8月18日(木) 準々決勝の日。フォト・ギャラリー「ふるさと風景集」からも応援しています。がんばれ宇部商!

(2005/08/18)

◆8月16日(火) 3回戦第1試合の青森山田対東北の後、準々決勝の組み合わせ抽選が決まった後、もし宇部商がベスト8に勝ち進めば日大三と対戦することになり、これは正直「しめた」と思った。酒田南との対戦前に最も気になっていたのが、この抽選だった。大阪桐蔭とは準決勝以上で対戦したかったからだ。大阪桐蔭は青森山田を下した東北との対戦が決まった。さて、3回戦で対戦した金本投手率いる酒田南とは、11-2で宇部商が圧勝してしまったのだが、数字で見ると相手が弱く見えるけれども、酒田南は試合途中から徐々に気力が無くなり、闘志が失せてしまったのが最大の敗因である。宇部商の好永投手は打たせて捕る平均的なピッチャーにすぎない。制球力だって、いつ乱れるかわからない。9回ウラで2失点してしまったのも、完封勝利の雑念がよぎってしまったからで、これが高校野球なのである。大阪桐蔭の辻内投手であっても清峰から最後にはホームランを打たれてしまっている。4対1で清峰に勝ったからといって、ベスト8からはまた何が起こるか誰も分からない。

本Web下段14日付にも書いていたように、宇部商打線に酒田南が初回から1年生の山本をマウンドに立たせたのは、いかにも宇部商をみくびっていたわけだが、それは薮蛇であった。宇部商の打撃に火がついて破壊力を眠り起こしてしまったといえる。金本投手にリレーしたところで、最早どうにもならなかった。好永投手はいかなる局面であれ、いつも通りに冷静なまま、ますます球威が増して、この試合、抜群の制球力で11奪三振を記録した。2回戦では1つも奪三振が無かったところに、今回の好永投手の特徴がうかがえる。ノーマーク、無名、未知数のピッチャーほど、のびのび野球が出来るから、準々決勝の日大三との対戦では、番狂わせが起きるかもしれない。激戦区西東京代表の3連覇を果たしている日大三は、2001年の全国制覇の再燃が頭をよぎり、きっと宇部商には大勝するくらいに思っているに違いない。その自信深さがあればあるほど、こちらとしてもやりやすいのだが、わたしの眼にはお互いに競り合えるほど共に実力は拮抗しているようにみえる。日大三は評判通りの強力打線だそうで、逆に宇部商はちっとも強力打線の評判はない。ベスト8までの道のりとしては、日大三は2試合15得点8失点で、宇部商は3試合22得点6失点だが、影の薄い宇部商のほうが少し守備力打撃力で勝っているから、日大三は油断しないことだ。大会第13日目の準々決勝では、個人技に酔って、日大三に是非とも油断してもらいたいものである。
  ・日本大学第三学園 http://www.nihon3.ed.jp/

気楽に行こう! 勝利への方程式はこれしかない。
がんばれ宇部商! 好永投手よ、いつも通りに無心であれ!

(2005/08/17)

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◆8月14日(日) 静清工との2回戦は4対0で宇部商が完封勝利。ほぼ予測通りの勝敗となった。初戦と違って好永投手の完全復活が光る。投球もまァあんな感じで淡々と緩急をつけて、変化球とストレートをこまやかにコーナー鋭く突いて来るのが持ち味。基本的には打たせて捕るタイプだが、完封勝利は甲子園対決において「おまけ」みたいなもんで、ベスト8に向けて幸運と受け取るべし。その完封勝利に導いたのも、やはり今回もバックの守備陣の固い守りが支えとなっている。宇部商守り9回ウラのノーアウトランナー1累で、静清工・6番打者杉山のレフトオーバー・センター間に抜けてゆくかに見えた長打コースをレフト井田キャプテンの鉄壁のファインプレーキャッチと素早いファーストへの送球の見事さからファースト上村が1累に戻って来るランナーを刺してツーアウトにした場面は、今回の実に守りの固い宇部商を大いに象徴している。半端な鉄壁ではない守備陣あってのチーム全員が作り上げた完封勝利といえるだろう。

さて、3回戦の相手は山形の酒田南高校との対戦が決まった。沖縄尚学に勝った酒田南の校歌斉唱を聞いていると、鳥海山を指す鳥海の名前がいきなり出て来るが、この鳥海山は高さ2000m級の山で、とても感動深い山である。東北の旅の途中で何回か見て感動したのをよく憶えている。そんな山容を望むことが出来る風光明媚なふるさとで野球練習が出来る酒田南高校のチームは、おそらくかなり手強いだろう。酒田南の金本投手はストレート140キロ代の速球派、スライダー、フォーク、カーブがかなり切れ味鋭い感じ。普通は打ちづらいだろう。ところが、酒田南が知り得ない情報がある。宇部商の1回戦、2回戦でのビデオを見てきっと研究して来るかもしれないが、宇部商の鉄壁の守備ばかりしか見えないかもしれないが、実は宇部商打線にはもう一つ隠れた打撃力があり、相手側の投手が優れていればいるほど、破壊力が増して来るようになっている。つまり守備力=打撃力の表裏一体を形成している。両方が備わらないと甲子園では勝ち続けてゆけないことを、先輩から後輩に受け継がれているようなのだ。そこに伝統野球の底力があり、それをみくびると酒田南は苦戦するだろう。宇部市には鳥海山のような立派な山はないが、宇部商チームには伝統校風の誇り高い大きな山があって、それも実にけれんがなく清楚なのである。
  ・酒田南高校 http://www.sakanan-h.jp/

チーム一丸となって戦えば恐いものなし。がんばれ宇部商! 勝利は投手にあらず、チームワークにあり!

(2005/08/15)

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◆8月9日(火) 初戦の宇部商対新潟明訓は7対4で順調に勝ち進んだ。この日第3試合で好永投手の甲子園マウンドに立つ気負いが最後まで拭えず、制球力の乱れが最後の方まで尾を引いてしまったのは、前の第2試合で春の覇者・愛工大名電が長崎の清峰高校(初出場)に4対2で初戦敗退という波乱を見て、もしかしてどこかに雑念のような意識が残っていたのかもしれない。新潟明訓の打線を何とか4点で抑えられたのも、守備が実にあざやかだった宇部商のチームワークの勝利と言ってもいいだろう。こんな時こそピッチャーを救ってくれたのは、これぞ全員野球とも言うべきチームワークのお手本とみた。その証拠に宇部商は全員安打で今大会4日目にして最多安打数20本を記録。大いに好永投手を盛り立てている。この全員野球こそが、甲子園で勝ち進んでゆくための必要条件であることには間違いない。

次の2回戦となる相手校は、これまた春夏初出場の静岡の静清工業高校と対戦が決まった。静清工のピッチャー二人は速球派とサイドハンドの変則派で、島根の江の川を8対5で打ち破って来ている。印象としては強そうに見えるが、こまかいところで宇部商の方がよく鍛えられているようにもみえる。油断すると相手に翻弄される部分が出て来そう。どこまで好永がコントロールを回復して来るかにかかるだろう。県大会での制球力がずば抜けていたので、ついそのままコントロールのいい好投手に見えていたが、やはり大阪桐蔭や済美を見ていると、甲子園で勝ってゆくハードルの高さがよくわかる。今のところ宇部商が甲子園で勝ってゆくための方程式は、チーム全員一人一人の力が重なり合って、好永投手を支えてゆくしかないように思える。チームワークとしては、ずば抜けて優秀である。静清工がそこを切り崩してゆかなければ、宇部商には勝てないように思える。静清工が野球部を創部して60年、初の甲子園出場というのも、何だか不気味ではある。どんな学校なのかはWebがないのでよく判らないが、下記のURLでその片鱗が垣間見えて来る。
  http://www.aikawa-iron.co.jp/company/history.html

落ち着いて戦えば、次の相手にも勝てるぞ。がんばれ宇部商! 冷静になって攻略せよ!

(2005/08/10)

◆2005年夏甲子園、8月9日大会4日目第3試合で宇部商はいよいよ新潟明訓と対戦する。エース好永投手は今年春のセンバツよりも逞しくなり、静かに再登場する。この夏の甲子園で、宇部商チームはどこまで通じるのか、春の愛工大名電との対決はもう過去のこと、一戦ずつ勝ち進んで、堂々と勝利への意地を見せてほしい。宇部商チームの戦力情報は、試合が終るまで公開しない。新潟明訓との対戦で少しずつ明らかとなるだろう。
  がんばれ宇部商! 燃えろ宇部商!

(2005/08/09)

(文・古川卓也)

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