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エピローグ (Epilogue)

2018年の終わりに

2年前の2016年11月16日から書き始めた「電子部品と共に歩んだ30年」は、あれから2年が過ぎて、プロローグと第1話から第6話まで、そしてこのエピローグの大してタメになるような話題性もなく筆を擱くことになったが、これが今の自分の力量だと思っていただければ、それで良しとするしかほかない。進歩しているのか後退しているのか、よくわからないが、自分のレベルを少しでも高めたいという気持ちだけで一心不乱に書いてきたような気もするが、なすべきエリアが広すぎて、怠慢だったように見えなくもない。

またそんな一年が過ぎようとして年の瀬が迫って来たが、2018年を私流に漢字一文字で表現するならば、「命」という文字がふさわしかったかもしれない。自分の命も人の命も同じことで、これほどしみじみと味わった年はなかった気がする。いつも残念に思うのは、命を軽んじる風潮があからさまなことだ。特に弱い者いじめをする強者の男気の無さだ。真に強い男、真に強い人は、かよわい者をけっして邪険にしないのだが、つまりは人間として、男気として、包容力が全く無いということだろう。人として道を踏み外し、モラルも無い輩ということになる。血も涙もない畜生ということだ。仏教の世界では六道といって、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の順番があって、畜生は下から3番目の業(ごう)の位置ということになる。人間以下の獣みたいな生き物ということだ。人間とて無明(むみょう)の因果にあり、煩悩まみれなのだ。立派にみえる政治家とて、裏の顔には魂胆や企みがいっぱいあって、弱者を切り捨て、強者にへつらい、己れの功績や名誉や銅像や記念碑が欲しくて仕方がないのだ。清貧などと、たわけたことを言う者もいるが、所詮は世の中、カネがすべてだと思っている。一方、この世はすべて心だ、絆だ、と標榜し続ける者もいるが、そんなものは口に出して唱えたり念仏するものでもない。挙止ひとつでいいのだ。人を騙して詐欺をすることが人間の仕事だと思っているバカモノは、畜生以下の餓鬼で、のちのち地獄が待っているにすぎない。

というわけで、一日一日、きょうも無事に何とか自分の心臓はまだ動いている、と言うのが素直な実感でもある。脈拍の乱れも無く、正常な鼓動を維持していることに感謝。親がくれた自分の命が大事であるように、人様の命も大事。不幸にして災害や病気に見舞われたり、事故や事件に遭遇して失われてしまった大切な人の命を、今年ほど痛切に感じた年はない。しかし、生と死だけに眼を遣るのではなく、人が年齢に関係なく紡いでゆく夢も大切にしたいものである。生かされていることが夢であるから、夢はただ謳歌するだけでいいのだ。ナンバーワンよりもオンリーワンが大事だという歌が前に流行っていたが、まさに今はそういう時勢であってほしいと思う。一人ひとりの個性に優劣は必要がないのだ。普通に生きて普通であることが困難になったとき、自分が最も好きな世界に親しむことが最も簡単な解決方法かもしれない。生きているかぎり、ささやかな希望だけは失いたくないものである。希望は自分の最も身近なところにあるものだ。欲が深ければ深いほど、煩悩は大きい。若さや年齢だけはカネでは買えない代物であるように、高齢者が重ねて来た体験談や知恵もまたカネでは対価を払えないほど砂金のごとく輝くものではあるのだ。

さて、この一年、フィギュアに始まり、フィギュアで終わりそうな一年となってしまったが、いずれわたしが紡ぐ夢のかけらは年内に近々公開予定のつもりである。2018年のフォト・ギャラリーの締め括りとして、近日公開予定だ。まあ、その程度の夢のかけらではある。紙屋六郎さんの小説『おたくちゃん』も年内には(11)が公開予定とはなっている。来年の2019年がどんな年になろうが、健康が維持できれば何とかなるだろう。仕事に趣味に邁進できれば、それだけで幸せだ。皆様も良い年を迎えられますようお祈り致します。この一年、たくさんのご注文をいただき、本当にありがとうございました。来年もお客様のご期待に応えられるよう精進いたします。生涯現役で仕事ができれば、とても幸せに存じます。

メリー・クリスマス!! よいお年を!! そして、ハッピー・ニュー・イヤー!! まだ、ちょっと早いですが。

(2018/12/12)



20代、30代、40代で培ってきたオーディオの世界は、そのままいつしか映画という映像体験とも重なって、やがてホーム・シアターとも融合して来た。進化する音質と映像、そして無限に変化してゆく技術には、すさまじい機器の淘汰が繰り返されてゆく。エレクトロニクスやサイエンスは、いったいどこまで激変してゆくのだろう。はたしてアナログは無用の長物となり得るのか。ガラパコスと揶揄されるものは、いずれ消滅してゆくのだろうか。必要とされるものと、必要でないものが際立ってしまう昨今、自分に合った活路は見出せるだろうか。

(2018/12/05)

文・古川卓也
(2018/12/05 - 2018/12/12)
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