風景が見える音の世界音楽コレクション 2002-2003ホーム

お気に入り音楽コレクション 1999-2000

What A Wonderful World (ルイ・アームストロング)
アヴェ・マリア (カッチーニ作、歌・スミ・ジョー)
映画「デイライト」 (音楽:ランディ・エデルマン)
奉祝曲ピアノ協奏曲ハ短調・アニバーサリー (YOSHIKI)
Aromatic Concert with NESCAFE (ロンドン交響楽団)
炎−HOMURA− & 幻想交響曲 (姫神 & ベルリオーズ)
ピンク スパイダー (hide)
アヴェ・マリア (カッチーニ作、歌・米良美一)
Automatic (宇多田ヒカル)
超常の重低音 ”鬼太鼓座 ” (鬼太鼓座)
Dreams Come True (S.E.S)
MY HEART WILL GO ON (LOVE THEME FROM 'TITANIC') (セリーヌ・ディオン)
impressions (アンドレ・ギャニオン)

文・ 古川卓也


《祝生誕100年記念特集》
「What A Wonderful World (この素晴らしき世界)」(ルイ・アームストロング)
この歌を聴くたびに、音楽の原点に引き戻される。たった2分17秒しか歌っていないが、胸にジーンと来る。ジャズ・シンガー、ルイ独特の嗄れ声で、うつくしい初老の「人生を謳い上げたような」平和と自然を讃歌したバラードだ。初めてレコーディングされた1967年、アメリカはベトナム戦争に参戦していた真っ只中で、ルイは67歳、世界をどんなふうに彼は見つめていたのだろうか。ベトナム戦争の惨劇を目の当たりにして、71歳で病死するまで、いったい彼にとって音楽とは、ジャズとは、トランペット奏者ルイ・アームストロングの音楽世界を、あらためて静かに振り返ってみたいと思う。

ここに一枚のCDがある。まさに「この素晴らしき世界」の初出作品のCD化なのだが(MVCR-20063 MCAビクター)、全曲で11曲の歌が収められている。1曲ずつ、静かに聴いていると、初めは優しいバラードで始まるが、その次の曲からは、実にすがすがしい明るい音楽に包まれているのがよくわかる。そのうち途中で眠たくなるほど安らかに、朗らかに、豊かなメロディーであふれていることに気がつくが、気がついたときにはすでに9曲目となっていた。だが、そのやさしい嗄れ声でありながら、何という美しい音楽を歌っているんだろうと感動してしまう。曲名は「ファンタスティック、ザッツ・ユー」だった。英語の歌詞はよく判らないけれども、これは一度すべての曲の歌詞の翻訳をみてみたいと思った。わたしはここで自分の音楽論評をするよりも、これらの歌詞が解説で翻訳されたアルバム「What A Wonderful World」を探し、この特集では、それらの歌詞の一節を次に日本語で公開できたらなと思っている。それにしても、どの曲も繰り返し聴けば聴くほど聴き応えがあるのは、やはりこれこそがジャンルを越えた音楽の原点なのかもしれない。(次回に続く)

SATCHMO 祝生誕100年記念のロゴを作りました

(2000/07/06)


結局、翻訳されたCDは見つからず、筆者が翻訳することにしました。IBM の翻訳ソフト「翻訳の王様」を使ってみましたが、とても歌詞とは言えない文章になるために、筆者自らの独断で詩らしく翻訳してみました。それを下記に公開します。

「What A Wonderful World」  歌詞: [ 日本語

(2000/07/31)

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「アヴェ・マリア」(カッチーニ作、スミ・ジョー)
ソプラノ歌手スミ・ジョーでカッチーニの『アヴェ・マリア』を聴いてみた。演奏はジュリアーノ・カレッラ指揮、イギリス室内管弦楽団。カッチーニの『アヴェ・マリア』は何度聴いてもいい。胸にぐうーっと来るものがあるのだ。たぶん誰が聴いても感動するだろう。このスミ・ジョーの『アヴェ・マリア』は、ワーナーミュージック・ジャパンのCDアルバム「アヴェ・マリア」(1999/11/25発売、WPCS-10264)の2曲目にある。どうしてこんなに美しいメロディーが生まれるんだろう。下手なわたしの長談議よりも、このCDアルバムの中で解説されている高久暁さんの解説文を引用しておきます。

ジュリオ・カッチーニ:アヴェ・マリア  カッチーニ(1551〜1618)は、16世紀後半にフィレンツェで組織された芸術サークル、カメラータの中心人物。テノール歌手でハープ奏者であり、最初期のオペラ作曲家として活躍した。古代ギリシャの音楽を復興しようと努めたカッチーニは、結局新しいスタイルの「歌曲」を開拓した。それは独唱によって歌詞の言葉のリズムを生かした「音楽で語るような」旋律を歌ってゆくもので、歌詞の情緒や情感の表現が重視された。歌の伴奏をリュートから通奏低音にしたのもこの人の業績とされる。《アヴェ・マリア》はどの曲集にも含まれない単独の楽曲。(高久暁「名曲目について」より)

(2000/02/03)

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シルベスター・スタローン主演映画 「デイライト」(音楽:ランディ・エデルマン)
ずいぶん前から「デイライト」の主題音楽を書きたいと思っていた。そのダイナミックな音楽は映画スクリーンが始まる前から鳴り響く。驚くのは音楽だけではない。サウンドトラック全体に広がっているいろんな音のバリエーションである。トンネル内における爆発火災シーンや逃走してゆく車の軋む音、核廃棄物を積んだトラックに暴走車が激突してからの大火災による炎がトンネルの出口まで突き抜けてゆく音、あるいはヘビーメタルのロック音楽、水中から爆裂して噴き上がるさまざまな音、壊れた薄暗いトンネル内で泣き叫ぶ人間の声、巨大なタンクが転がって来る音、炎から闇の中に突き落とされ、激流や水没から逃げ惑う人間の叫び、などなど随所に効果音を醸しながら実にスケール感の大きいスペクタル巨篇ではあるけれども、なぜ映画のストーリーばかりに注目するのか、もちろん初めから娯楽大作として面白いのは言うまでもないが、「デイライト」全体にわたる音楽的効果音を含む音楽担当のランディ・エデルマンの才能にももっと注目すべきである。エンディングテーマの女性ボーカルの歌もなかなか憎いほど感動的に仕上がっている。この「デイライト」の主題曲は、その後ハードでドラマティックなドラマ箇所によく採用されるようになった。
さて、この音楽を楽しむなら、VHSのビデオテープで字幕スーパーに限る。参考までにわたしはCIC・ビクタービデオ株式会社の出している(UHF 0730)品番のオリジナル全長版 HiFi-STEREO \16,000の中古品を \1,000 で買った。レンタルショップのものと同じである。デジタルよりアナログ録音のほうが断然いい。このビデオは超優秀録音として推奨します。

(2000/01/19)

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《天皇陛下御即位十年》を記念して
「奉祝曲ピアノ協奏曲ハ短調・アニバーサリー」(YOSHIKI)
hideの葬儀以来久しぶりに見るYOSHIKIの姿だった。11月12日のことだ。もちろんテレビの上の話である。平成天皇の御在位10年のあいだには、あまりにもいろんなことがありすぎた。阪神大震災などの災害、事件、事故、バブル崩壊後の金融破綻、経済不況、就職難、世間は火宅同然の形相を呈している。公共土木関係の景気はいいものの、製造業界は相変らず冷たい風と木枯らしが吹き荒れている。そんな中、すっかり昏くなった雨上がりの夕刻、皇居前広場の特設ステージから、この日「国民祭典」のクライマックスを迎える気配が、およそ5万人の参列者の前に厳かに漂いはじめていた。二重橋から佇んでごらんになられる天皇、皇后のお姿が暗闇の中に照らされ、やがてYOSHIKIの礼装姿も暗闇の中に照らし出された。グランドピアノを取り囲んで、フルオーケストラの演奏者たちもほのかに映し出され、やがて、静かなる前奏が始まり、ピアノに向かうYOSHIKIの顔の表情が照らされ続けて、巨大スクリーンにも映し出されていった。フジテレビの生中継を見続けながら、その壮大なるYOSHIKI作曲のピアノコンチェルトに聴き入ってゆくうちに、ふとhideのことを思い出し、TOSHIのことも気になった。テレビ画面では美智子皇后が男の子の頭に自分の額をすりあてて、お顔を左右に振りながらその子を懸命にやさしく慰めておられた。被災者や養護施設をまわられた時の映像が、映し出されていたり、天皇と皇后と国民が一体になってゆく映像を、テレビ局は構成しながら中継していた。やさしい雰囲気とYOSHIKIの壮大にして悲しげな音楽が、今まさに皇室と溶け合い、元X-JAPANらしいバラードロックと協奏曲との融合のうちに、しんみりとなりつつも、重厚なオーケストラの響きに包まれて、それはまさに奉祝曲にふさわしい佳境に入っていた。なぜか涙がついあふれてしまった。およそ7分間の音楽のなかに、まるで日本の二十世紀を集約するかのように、ピアノは強く鳴り、やさしくもあり、熱く激しく、波のようにほとばしってもいた。美しい響き、美しい観衆の沈黙、張り詰めたドラマのような緊密感のなかに、ピアノ協奏曲は烈しい鍵盤の連打とともに、厳かに、あっという間に終曲してしまった。皇居前広場のつめたい夜の帳に包まれながら、二重橋で提灯を持たれた両陛下の姿とともに、テレビ中継も終わった。YOSHIKI、感動をありがとう。

(1999/11/13)

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「Aromatic Concert with NESCAFE」(ロンドン交響楽団)
これは先日うちの家内がスーパーで \395 のNESCAFE GOLD BLEND コーヒーを買って来たら付いていたCDアルバムである。題名は『くつろぐ』となって、ロンドン交響楽団が演奏した名曲集アルバムに仕上がっている。さっそく拝聴してみたら、たちまち元気になった。元気にしてくれるアルバムだった。「ロンドン交響楽団が贈る名曲集」とあるだけに、聴いて、眠ることなく、一気に最後の12曲目まで全曲すんなりと耳を傾けてしまった。「コーヒーと音楽が奏でる、上質のハーモニー。」であることには間違いない。その日、お一人様1本でこの価格、ということで、次の日に行ってみると、すでに \780 になっていた。貧すれば鈍する、とはこんなわたしをきっとさすのだろう。買わずに帰って来た。それはともかく、こんな上質なプレゼントを贈るネスレ日本株式会社に、大変感心した。あらためてネスレ日本のホームページを見て、さらに感心して親近感を抱いた。お手本となるようなサイトだった。さっそくブラウザのお気に入りに入れた。さて、アルバム内における名曲の数々の断片であるが、実によくまとまっていた。クラシックを聴くなら、こんな風に選り抜きの楽章だけを聴いてゆくのも実に楽しいものである。録音レベルも楽器の位置が見えて、立体音像がとても広くて豊かだった。少なくともわたしのマーティンローガンでは、満悦できた。このCDアルバム、今ならまだスーパーなどで手に入るので是非おすすめしたい。本当に上質なハーモニーですぞ!

(1999/11/10)

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「炎 ―HOMURA―」(姫神)と「幻想交響曲」(ベルリオーズ)
デュトワ指揮/モントリオール交響楽団(LONDONベストCDアルバム)でベルリオーズの「幻想交響曲」を久し振りに聴いてみた。正確に言うなら、以前聴いた指揮者・楽団が誰であったかは忘れた。正直に言って、何度聴いても眠たくなる。クラシックを聴く能力と感性が自分には貧困なのがよくわかる。けれども、インバル指揮/フランクフルト放送交響楽団によるマーラーの交響曲「第5番」には、大変感動した。何度も何度も聴いた。後でまた、このDENONのCDアルバムが超優秀録音ベスト10であったことも知った。録音は確かにマーティンローガンのスピーカーでは超優秀であった。初めの出だしから全然違ったものだった。わたしのようなクラシック音痴でさえ、マーラーの5番はわたしを魅了した。他にも感動を与えてくれたクラシックはいろいろあったが、ベルリオーズの「幻想交響曲」だけは、どうしても眠気を誘ってしまう。再度眠らずに挑戦してみた結果、この曲のモチーフが、19世紀半ばの純粋な恋愛ロマンに、きわめてわたしを単調に終始させているのが原因なのではないかと思った。単調な継続がわたし自身には無理なのだとわかった。第2楽章のワルツも第3楽章のアダージョも、これはよほど退屈が好きな者でないと我慢できないのではないかと勝手にわたしは解釈している。有閑階級の身分でないわたしには、この曲を聴くだけの心の余裕が欠如しているのであろう。「幻想交響曲」を聴いているうちに、わたしはふっと姫神の「炎」を聴きたくなり、これも久し振りに聴いてみた。このアルバムは1993年頃のNHK大河ドラマ「炎立つ」のテーマ曲である。「鄙みちのく、風土への旅 平泉追想」という副題が付けられているように、日本の平泉文化というテーマのもと作られた曲である。構成は9曲からなる。わたしはこの雄大な旋律が大好きである。シンセサイザーというデジタルの音も、このように壮大な優しい音楽になると、バイオリンのようなアナログの音と比較する論議もむなしくなるほど、別次元の音楽空間として独立していることを認識しなければならない。アナログはアナログ、デジタルはデジタルの中で評論されるべきものである。アナログ対デジタルの物議ほど無意味なものはない。シンセサイザーも現代の立派な楽器である。宗次郎はその意味で、喜多郎や富田勲や姫神のシンセサイザーのムードを持ちながら、オカリナという土笛のアナログで演奏するから、これまた独自の音楽空間を形成している。日本の音楽はその意味で、世界に恥じない楽曲を豊富に作っている国でもあるのだ。尺八・三味線・筝・和太鼓と合わせれば、鬼に金棒だ。大事なのはやはり曲の旋律ではなかろうか。となれば、ベルリオーズの「幻想交響曲」は、あれはあれで19世紀半ばの時代でしか生まれて来ないロマン派のフランス作曲家の名曲ということにもなるのであろう。

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「ピンク スパイダー」(hide)  
元 X-JAPANのhideである。いまさら、と思われるかもしれないが、あのhideである。hideの歌やX-JAPANの歌をどう捉えるか、なんて野暮なことは言いたくない。わたしはXの頃から彼らのサウンドに好感を持って聴いていた。XからX-JAPANになって、和製のロックとして、そのビジュアル系スタイルが気に入っていた。アメリカのギンギンに唸るエレキギターのヘビメタが大好きだった20代の頃のわたしは、30代になってXのバラード風ロックに自然と耳を傾けるようになっていた。和製ロック界は今や全然変貌してしまって、X-JAPAN解散後、あのヴォーカルのTOSHIの甲高い、苦しそうなバラードの魅惑的な声も、最早現在は聴くこともできない。hideの一周忌も過ぎて5ヶ月、ファンの長い長い大行列のあった築地本願寺での葬儀から1年半、hideの存在があらためてYOSHIKIやTOSHIをすっかり変えてしまったのは、周知のとおりである。X-JAPANはどうしてもhideとYOSHIKIとTOSHIが3人いなくては成り立たない。PATAもHEATHもたぶん同じことを言うだろう。解散直後の生前のhideはあまりにもかわいそうだった。彼の遺作「ピンク スパイダー」は日本ロック界で忘れてはならない名曲である。ビデオの「hide/seven clips」も忘れてはなるまい。

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「アヴェ・マリア」(カッチーニ作、歌・米良美一)
1998年長野冬季パラリンピック開会式・NHK放送 / …… これは単に昨年の長野冬季パラリンピック開会式をわたしがビデオに撮ったもので、その祭典のなかで久石譲がプロデュースした聖火をめぐる物語『星の里』に使われた「アヴェ・マリア」です。冒頭の歌曲にはヴェルディの「レクイエム」の後にカッチーニの「アヴェ・マリア」とシューベルトの「アヴェ・マリア」が選ばれていました。特にわたしが注目したのは、カッチーニの「アヴェ・マリア」です。この時、初めてカウンターテナーという声種を知り、米良美一という名前も憶えました。当初は女性のような男性のような、まだ性別さえ実際のところはっきり判りませんでした。アルバムのCDジャケットを見て、やっぱり女性だと確信していたら、週刊誌で男性であることが後でわかって、またびっくり! エピソードはこれくらいにして、米良美一の歌う「アヴェ・マリア」は本当にすばらしいと思いました。大変にいい曲です。米良美一を有名にしたのは、やはりアニメ映画『もののけ姫』(原作・宮崎駿)でしょうが、音楽プロデューサーの久石譲にもわたしは才能を感じています。また、長野エムウェーブに舞うタレント・神田うのがもし『星の里』の主役でなければ、この「アヴェ・マリア」の印象も変わっていたかもしれません。神田うのの美しいバレーの踊りがなければ、この曲が選ばれた意味もなかったほど、久石のプロデュースには光るものがありましたね。オリンピックではなくパラリンピックだからこそ、大変に似合った素敵な祭典だったと思います。

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「Automatic」(宇多田ヒカル)
いい歌である。歌のうまさが光る。CD売上げNo.1となっている。アルバムも2、3出ている。これまでになかったようなメロディーかといえば、日本のポップス界としては異質な曲であり、流行の先端をゆく若者派の曲であることには間違いないだろう。その次のヒットランキングチャート第1位にもなった「First Love」も、やはり宇多田ならではのメロディーかもしれない。声質も母親の藤圭子ゆずりのややハスキーなかすれ声ではあるけれども、歌唱力はかなり訓練しているのか16歳にしては抜群である。こんなふうに歌えるのは、女性日本人のなかにはそういないかもしれない。声の感じとして八代亜紀か阿川泰子なら歌えるだろうか。宇多田ヒカルのメロディーを聴いていると、わたしはどうしてもマライア・キャリーのメロディーを重複させてしまう。本物の意味で女性シンガーといえるマライアに比べて、宇多田はどうかといえば、小粒ながら日本版マライア・キャリーに似ているだろう。歌唱力こそ桁違いかもしれないが、日本国内では充分通じる存在だ。マライア・キャリーのアルバムも『マライア』『エモーションズ』に始まり、わたしのコレクションは『デイドリーム』までの6枚で終わっているが、みなどれもワンダフルで、宇多田ヒカルもこれからなのだから、是非マライアのようにボリューム感をさらに膨らませながら歌い続けてほしいものである。

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「超常の重低音 ”鬼太鼓座”」(鬼太鼓座)
鬼太鼓座と書いて、ONDEKOZAと読む。そう呼ぶらしい。もうずいぶん前のことである。わたしがこのアルバムをみつけ、たいへん気に入ったのは、ざっと10年前ぐらいにもなろうか。初めはレンタルで借りた。当時わたしは津軽三味線の演奏に興味を抱いていたのである。いろんな演奏の仕方があるが、この鬼太鼓座のグループの意気込みには、若いエネルギーが溌剌として大変新鮮に思えたものだった。日本の伝統的文化を見直し、新たな息吹を与えようとする姿勢が演奏にあらわれていた。なにしろ録音レベルが非常に高いアルバムに仕上がっている。我が家のマーティンローガンからは、大太鼓の超重低音が30Hz以下で澄みきって聞こえてくるのだ。1.8mの大太鼓の皮がふるえているのがわかる、というより、ふるえているのが見えるのだ。立体音像の醍醐味である。「三国幻想曲」や「弓ヶ浜」といった曲を聴いていると、なんだか心にしみる郷愁のようなものが、胸にずしりと響いてくる。彼らは演奏しているというよりも、日本の美音を愛でるように奏でている、といったほうがよいのかもしれない。いいグループである。

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「Dreams Come True」(S.E.S)
先日NHKの午後1:05からの番組「スタジオパークからこんにちは」を途中からたまたま見ていたら、彼女たちが踊りながら歌っていた。おやっと思って聴いていたら、その曲から目が離れなかったのである。途中からだったのが惜しくて、とりあえずグループ名だけを確認した。日本のグループにこんなのいたっけ、小室系とも違うし、最近の歌番組でも記憶がないし、日本のメジャーとは香りが全然違うし、どこかニューヨークの香りが漂うてもいるし、などと思いあぐねながら番組をそのまま見ていると、韓国では有名なグループらしいこともわかってきた。わたしはふっと10年くらい前に流行っていたイギリスのグループのエイス・ワンダーの曲「モンマルトルの森」を自然に思い起こしていた。音楽性が質の高い意味で多少は似ているが、その澄んだメロディーや今風のラップを混じえた美しいダンサブルなリズムといい久々にいい曲と出会った発見の喜びで、さっそくCDショップに足を運んだのだった。1枚だけアルバムが出ていた。グループ名はS.E.Sという名前で3人の女の子の頭文字から名前をとっていた。SEA(シー)、EUGENE(ユージン)、SHOO(シュー)が彼女たちのそれぞれの名前である。曲名は「Dreams Come True」でアルバム『REACH OUT』の10曲目に収められている。他のシングルCDには収録されていない。また、この曲はこのアルバム中で唯一本国の韓国の曲(作詞・作曲ともに)であることが、大変うれしい。日本の昨今のメロディーにはなかなか生まれて来ない曲であろう。この1曲を聴いて、S.E.Sが韓国で100万枚のCDを売り上げているのも大変ブレイクしているのもわかる気がする。ただの18、9の小娘グループなんかではないことが、歌・踊り・ハーモニー・美しい歌唱力すべてが本物の音楽性を備えていることで、うなずけるのではなかろうか。日本でのファーストアルバム『REACH OUT』よりも、これまでの本国でのデビューアルバムをむしろ聴いてみたいと思うが、残念ながら入手困難のようである。インターネットで彼女たちの所属しているレコード会社(vap)のホームページを拝見しても、あまり情報が得られなかった。誰か詳しい情報をご存知の方、教えて下さい。曲「Dreams Come True」が日本で大ブレイクしてくれれば、日本のポップス界もさらに国際的に豊かになりはしないだろうか。S.E.S 頑張れ!

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「MY HEART WILL GO ON (LOVE THEME FROM 'TITANIC')」(セリーヌ・ディオン)
ご存知97年度のレオナルド・デカプリオ主演映画『タイタニック』のエンディングテーマであるセリーヌ・ディオンの美しい主題歌だ。今さらと思う人がいるかもしれませんが、さすがにいつ聴いてもじい〜んと来る歌ですよね。映画を観た人なら、きっと映画のシーンを思い浮かべながら、うなずかれるのではないでしょうか。わたしは映画館で2回、買った字幕のビデオで3回ぐらい観たでしょうか。映画好きのわたしは、映画館でないと絶対味わえない映画は必ず映画館へ観に行くようにしています。98年度のアメリカ映画『ゴジラ』も、やはり映画館で観て来ました。たいていはレンタルビデオの新作を待って、それを見るのですが、『タイタニック』だけはやはり例外だと思っていました。あのスケール感は本当にすばらしかった。あんな映画を観られるなんて、本当にわたしたちは幸せですよね。その根底にあるものがヒューマニティですから、よけい感動的になって、劇場内で最後の場面なんかになると、あたりからシクシクと観客が泣いている声が聞こえて来るほどでしたね。また、女優のケイト・ウィンスレットがとても美しかったわけですが、歌手のセリーヌ・ディオンもこれまた美人なんですよねぇ。そしてこの映画には、絶対にデカプリオでないとダメだったでしょう。デカプリオのその後の『仮面の男』も、とてもいい映画でした。これまでのデカプリオの映画も、ほとんどわたしはビデオで見ていますが、彼には顔だけでなく、先天的な俳優の素質がありますね。映画の話ばかりになってしまいましたが、わたしが初めてセリーヌ・ディオンの歌に惹かれたのは、たしか数年前に世界陸上だったかオリンピックだったか、スタジアムで一人高らかに歌っているのをみて、「ああ、いいねェ」と注目したのがきっかけでしたが、やはり歌は歌唱力のあるシンガーの方が聞きがいがありますね。エラ・フィッツジェラルドのようなおばあさんがちょっと歌っただけでも、本物は全然違いますね。エラの「マダレナ」をもう一度だけ聴いてみたい気がします。

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『impressions』(アンドレ・ギャニオン)  
女優アリソン・エリオット主演映画『この森で、天使はバスを降りた』をレンタルビデオで観ていたら、音楽が大変きれいだったので、ふとわたしはアンドレ・ギャニオンの音楽も思い出しました。その映画とは関係ないのですが、『インプレッションズ』はアンドレ・ギャニオンのアルバムタイトルです。このアルバムの中に収録されている曲「めぐり逢い」は3、4年ぐらい前にFMラジオのミュージックファンタジーという特集番組のなかで初めて聴いたアンドレ・ギャニオンの曲でした。これを聴いて、CDアルバムも買ったのでした。イージーリスニングとして、こんな風に心休まる曲はやっぱり最高ですね。アルバム全曲ともすばらしいピアノで、バックのストリングスも最高です。やすらぎやコーヒータイムには、アンドレ・ギャニオンは最高かもしれません。彼はカナダの作曲家ということです。パリにも留学したようですから、どこかフランスの薫りもしますよね。19人兄姉の末っ子として1942年8月に生まれたとのことですが、この数にも驚きますが、家族みんなが楽器を持つ音楽一家であったということにも、すばらしい環境の生い立ちのようです。カナダという広大なる風土のなかで、彼の生誕地ケベック州がフランス語圏であったというのもいい環境の素材を吸収しているのだとも思えますね。音楽への情熱は、そのまま両親や兄姉の情愛とも比例しているのでしょう。どんなに淋しい曲でも、どんなに楽しい曲でも、彼の作る音楽には心あたたかいものが常にあふれて流れていますね。(後日談:映画『この森で、天使はバスを降りた』の音楽担当がいったい誰だったのだろうと後で気になり、レンタルビデオショップで再確認すると、な、なんと、ディカプリオ主演映画『タイタニック』の音楽担当と同一人物でしたので、ここにあらためて紹介しておきます。彼の名前はジェームズ・ホーナー、1953年ロサンゼルス生まれ、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックで学び、帰国後博士号を取得、数々の有名映画を担当し、アカデミー作曲賞・主題歌賞、3度のグラミー賞を受賞など、経歴は実に華々しい。音楽がジェームズ・ホーナーならば、映画もきっと面白いか、信頼があるものに違いあるまい、と思うのはわたしの勝手な推測だろうか。)
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