2001年のNewsRoom
4月・5月のニュース(2001)

在来種タンポポ気象台が守り神(5月27日)【中国】
「春の風物詩で俳句の季語にもなっているタンポポが,真夏日の間近なこのシーズン,広島市内の道端に咲いています。繁殖力の強い,ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポなのです。このため在来種を観測している広島地方気象台では,入居する都心のビル街に在来種の「保護区」を設けています・・・」

今,国語で「たんぽぽのちえ」という説明文を学習しています。私たちの身近なたんぽぽについての秘密が,わかりやすく書いてあります。そんなタンポポのことが,記事になっていたので,興味を持って読みました。一口にタンポポと言っても,今では「セイヨウタンポポ」が主流になっているそうです。子どもたちの「タンポポ」のイメージも,きっとセイヨウタンポポのことなんでしょうね。在来種が姿を消す!とても寂しい気がします。

原爆投下の年は?広島の児童5割知らず(5月23日)【中国】
「広島市教委の「子どもの平和に関する意識調査」で,原爆が広島に投下された年を正確に答えられない小学生は5割を越え,中学生は3割近くと,初めて実施した5年前の調査に比べ増加していることが,22日分かった。・・・」

記事の中に,「原爆のことを誰から聞いたかでは,小・中学生とも「学校の先生」の割合が最も高く・・・」という内容が書かれていました。私自身は戦争体験者ではありませんが,教育にたずさわる者として,平和教育の重要性を改めて感じました。

人を傷つける言葉とは(5月12日)【朝日】
「金属アレルギーの私は,メタル枠の眼鏡をかけることができない。セル枠の眼鏡を使っているのだが,いかにも武骨である。授業中何かの拍子に,ある生徒が「先生その眼鏡,全然似合えへんな・・・」と,大声をあげた。いつもなら,冗談で切り返す私だが,その時は自分の体質について,詳しく説明した。・・・」

朝日新聞の「教室のうちそと」というコラムから取り上げました。これと似たようなことって,結構自分の身近でもあるような気がします。多くの大人は,そのことに対して特別なことではないかのように切り返すことが多いのではないでしょうか。コラムの中では,金属アレルギーであることを子どもたちに伝えると,教室の雰囲気が一変し,自分たちが言ってはいけないことを口走ってしまったんだな,先生に悪いことを言ってしまったな,という気まずさやら反省の入り交じった複雑な顔があちらこちらに見えたとのことでした。軽はずみな一言が人を傷つけることは多い。そして,傷ついても平気なことも多い。だからこそ「今の 言葉で私は傷ついたんだよ」ということを丁寧に教えていきたいと思うという部分には,私自身反省させられました。相手の痛みが分かる,相手を思いやる感性を大切にしていきたいと思います。

小学校教員試験「絵本読み聞かせ」導入(5月10日)【中国】
「石川県教委は今年7月に実施する2002年度の公立学校教員採用試験で,小学校教諭の受験者に国語の実技として「絵本の読み聞かせ」を導入することを決めた。・・・」

「絵本の読み聞かせをしっかりしなさい!」とよく言われますが,私は自分の子どもには全くと言っていいほど読んでいません。それが,昨年度「絵本の読み語り」という研修を受けたとき,絵本のすばらしさを強く感じたのです。私の担任していた障害児学級の子どもたちにも,いろいろな絵本を読んでくださいました。その時の子どもたちの輝いた目。まるで魔法にでもかかったかのように,吸い込まれていったのです。
そこで,今年度は毎朝絵本の読み語りをしています。2年生の子どもたちが,し〜んと聞き入っています。ストーリーについては,特に説明はしません。子どもたちが自分なりに何かを感じてくれればと思っています。私が読んだ本は,そのまま学級の本棚に入れておきます。すると,子どもたちは本を手にして,今度は自分で読み進めています。朝のこのひとときが,今は大好きです。    

私の視点バリアフリー「酸欠の心」に風送ろう(5月5日)【朝日】
「18歳で視力に続き聴力を失った東京大学助教授(障害児教育学)福島 智さんの文章より。「心のバリア」とは,まさしく差別意識であり,そして,この差別意識を実体化させるものが「法制度のバリア」だろう。したがって,たとえば「障害者差別禁止法」などの制定を通して「法制度のバリア」の撤廃をめざすことが重要だ。しかし,そもそもなぜこうしたバリアが生じるのか考えると,やはり「心のバリア」の存在に突き当たる。では,「心のバリア」はどのようにすれは除去できるのか。コミュニケーションがの鍵を握っているように思う。・・・」

福島さんの文章の中に「多くの差別は対話の不足から生じている。今の社会は,情報の氾濫とは裏腹に,他者とのコミュニケーションに飢えている人が多いように思う。私は,コミュニケーションは『心の酸素』だと思う。つまりコミュニケーションが不足すれば,心は『窒息する』ということだ・・・」という部分がありました。私自身を振り返ってみても,うまく他者との関わりがもてないときはとてもつらく苦しかったように思います。また,相手のことを自分の思いこみで判断し,傷つけたこともあります。まさしく,福島さんがおっしゃる「窒息する」状態だったのでしょう。
「心のバリア」を取り除き,みんなが幸せに生きるために,「心の酸素」という言葉を,心に持ち続けたいと思います。    

特集・戦後世代の憲法論(5月3日)【朝日】
「若い世代ほど憲法への関心が薄い,といわれる。確かに世論調査にもその傾向が見られるし,国会論議でもかつてのように「改憲か護憲か」で角突き合わせる場面は少なくなった。だが,時代の曲がり角にある今,この国の将来を担う人々こそ自分の言葉で憲法を論じ合うことが必要なのではないか。21世紀最初の憲法記念日。終戦世代は,憲法とどう向き合おうとしているのだろう。・・・」

私も,憲法について日頃からじっくり考えていないような気がしています。ただ,今叫ばれているような憲法改正が必要だとは思いません。現実と憲法が矛盾していることもあるのは事実です。だからといって,憲法を変えるという理由にはならないと思います。
憲法に掲げてあることは,理想であり,その理想はやはり持ち続けるべきではないでしょうか。そのためにも,改正ありきの今の流れには疑問を感じています。    

2000万ドル宇宙の旅(4月29日)【朝日】
「史上初の「宇宙観光客」となる米国の実業家デニス・チトー氏(60)の乗ったロシア宇宙船ソユーズがモスクワ時間の28日午前11時37分カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた・・・」

いよいよ「宇宙観光」が可能になるのか!とびっくりしました。この方は,宇宙旅行をするのが高校時代からの夢だったそうです。夢が叶ったということで,本当に幸せだろうと思います。でも,夢を叶える代金が2000万ドル(約25億円)とのこと。あまりの金額に驚いてしまいました。私にとっては,まだまだ遠い夢・・・    

ミネラルウォーター時代の「地雷原」(4月15日)【朝日】
「日本人は水道水を飲まなくなってきた。おいしい水と言えば「ミネラルウォーター」の時代だ。だが,そのミネラルウォーターの水源を確保することすら,日本では容易でなくなりつつある。・・・」

我が家では,水道水を飲んでいます。(水がおいしくなる」という浄水器を設置していますが・・・。)
ミネラルウォーターの水源が点在する富士山のすそ野で,不法投棄が行われているそうです。地下水汚染が心配との記事に,恐ろしくなりました。私たちの知らないうちに,山の水が汚染されているのかもしれません。    

教育いま未来(4月8日)【中国】
「来春から完全学校週五日制となる小中学校では,使われる教科書も一新する。教科書検定制度は変わっていないが,マルチメディアの発達,知識詰め込み型からゆとり教育への転換など時代の波にさらされ,内容はスリム化し,位置づけも変わりつつある。中学歴史教科書をめぐり,中国,韓国が反発,歴史認識を問う声が上がる中,ドイツの教科書事情や日本検定の仕組み,子どもの声などをまとめた・・・」

ドイツでは,占領地での射殺場面や,ユダヤ人家族を銃で脅かして連行する場面などドイツ軍の残虐行為の写真を掲載。ナチス・ドイツの犠牲になったユダヤ人の数を『少なくとも400万人。一説によれば6大万人」と記すなど,否定的史実も詳述しているそうです。第二次世界大戦で被害を与えた近隣諸国と相互に点検しながら歴史教科書をつくってきたドイツでは,歴史教育が政治問題化する余地はないとのこと。
わたしは,歴史を学ぶと言うことは,平和で誰もが幸せに生きることのできる世の中をつくるためだと思います。ですから,過去の悲しむべきできごとは,事実として直視することは必要ではないでしょうか。そこからスタートしないと正しい未来へは進めないと考えます。    

中韓反発の教科書合格(4月4日)【中国】
「文部科学省は3日,来春から小中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。中学の歴史教科書はアジアへの加害の記述を大幅に簡略化する流れが大勢となり,現行教科書を『自虐的』と批判していた『新しい歴史教科書をつくる会』のメンバーらが執筆した教科書も合格した・・・」

「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を実際にみたことがないのですが,新聞の記事に次のような記述が紹介されていました。「ひめゆり部隊の少女たちまでが勇敢に戦って・・・」という沖縄線戦の部分です。このあとに「わたしたちは看護要員として戦争に巻き込まれた。みんな『生きたい』と思って死んでいった。・・・」というひめゆり平和祈念資料館の証言員,宮良ルリ子さんの言葉がありました。「勇敢に戦う・・・」この言葉一つにいろいろな思いを持たれる方がいることを,私たちは忘れてはいけません。過去を学ぶことは,人間が犯してきた数々の過ちを二度とくり返さないためです。事実を事実としてとらえることを忘れてはいけないと強く思います。
こうした色々な歴史観を持った教科書が出てくる時代。私たち教育に携わる者は,未来を担う子どもたちに教科書で何を伝えていくのか!しっかり自分の取り組みを見つめないといけません。    

市民球場カープナイター一日の「消費量」は?(4月3日)【中国】
「カープの本拠地で,年間百万人近くが足を運ぶ広島市民球場。中国最大級の動員数を誇る施設は,どれほどの電気や水を消費するのだろうか。・・・」

昨年は,2回ほどカープの応援に行きました。テレビで見るのと違って,球場での応援は迫力があって楽しかったです。
さて,そのカープの試合での舞台裏について書いてあったこの記事。なかなか興味深かったです。
     電力・・・一般家庭の2900軒分
     ボール代・・・ファウルや本塁打の球毎試合20万円
     試合後のゴミの量・・・3トンで一般家庭が一日に出す量の2200倍
この記事を読むと,これからカープの試合の見方が少し変わってきそうです。    

ウエルカム ハリウッド USJオープン(4月1日)【朝日】
「米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が31日,大阪に開業した。大阪湾臨海部の54ヘクタールの敷地にハリウッドの特撮技術を駆使した18のアトラクションがあり、開場後まもなく1時間半待ちの行列ができた。・・・」

開幕セレモニーには,アーノルド・シュワルツネッガーも登場して,とても盛り上がったようです。テレビでも,USJの様子を中継していました。
実は,私は東京ディズニーランドにも行ったことがありません。周りの方が「楽しいよ。また行くんだ」などと言っているのをよく聞きます。でも,我が家の面々は,きっとたくさんの人に我慢できないだろうと,どうしても足が向かないで今まで過ぎてきました。とは言え,子どもたちもだいぶ大きくなったので,TDLでもUSJでもどっちでもいいから,一度挑戦してみたいです。

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