|
ジャズと一言でいっても、クラシック(トラッド)・ジャズ、ビック・バンド・ジャズ、モダン・ジャズ、ジャズ・ボーカルなど実に幅広いジャンルがある。その中でもジャズにロックやポップスの要素を入れ、その名の通り「融合(fusion)」あるいは「交差(cross
over)」させたのが、フュージョンであり、クロスオーバーと呼ばれる新しい潮流のジャズである。このフュージョン、ないしはクロスオーバーは70年代後期から80年代にかけて国内外で一大ブームを巻き起こした。
そしてその進化系がSmooth Jazz(スムース・ジャズ)といえるだろう。といっても、その定義は厳密なものではない。もともとアメリカの西海岸のFM局が、大人をターゲットにした都会的ライフスタイルに溶け込む選曲や番組作りをし人気を博したのがその発祥である。Smooth Jazzの主流となる楽曲は、テクニカルな演奏技術やプレーを前面に押し出したサウンドではなく、といってもスーパーマーケットのBGMのような安っぽいものではなく(笑)、あくまでもソフトかつ心地よい、シックでメロウなサウンドであるといえる。
したがってそのようなサウンドの幅も広く、ニューエイジやワールドミュージック、AOR、アダルトコンテンポラリー、ソフトロック、ソウル、R&Bなどいわゆる洋楽まで含める場合が多い。Smooth
Jazzは80年代のAOR(サーファーや時代に敏感な若者などに好まれた既存のロックにジャズやR&Bの要素を取り入れた大人志向のロック=Adult
Oriented
Rock)やクワイエット・ストーム(ニューヨークの人気FM局がソウルのラブバラードナンバーをノンストップでかけたいわゆる「クワイエット・ストーム」が起源)といったロック・ポップスの流行とも相乗して発展していくなど、「大人向けで都会的な心地のよいサウンド」が流行した80年代〜90年代の一翼を担った。
主なアーティストは日本でも人気の高いケニー・G(サックス)をはじめ、デビット・ベノワ(ピアノ)、パット・メセニー(ギター)、ジョージ・ベンソン(ギター)、ジョー・サンプル(ピアノ)、ボブ・ジェームス(ピアノ)、チック・コリア(ピアノ)、ピーター・ホワイト(ギター)、ラリー・カールトン(ギター)、グローバー・ワシントンJr.(サックス)、デビット・サンボーン(サックス)、松居慶子(ピアノ)など。松居慶子はアメリカの音楽誌「Radio&Records」のSmooth
Jazzチャートで上位を獲得するなどアメリカを拠点に活躍し人気が高い。
|