発電所見学シリーズ

安曇発電所と梓川テプコ館





 夏休みになって、遠出ができるようになったので、今回は長野県にある「梓川テプコ館」に行って来ました。
 発電所の見学は今回で3回目なのですが、また違った雰囲気の場所でした。

 梓川テプコ館は、安曇発電所の真上にたっており、水力発電所の仕組みや電気と自然の関わりなどの展示や、大型のハイビジョンシアターでの立体映像の上映などがあり、発電のことがわかりやすく説明されています。子供たちも楽しめるようにゲームやクイズも用意されています。この日もたくさんの子供がきていました。

 また、少人数であれば予約なしで「安曇発電所」の見学もできます。安曇発電所は、奈川渡(ながわど)ダムの直下にあり、6台の発電機を用いて発電を行っています。発電方式は「揚水(ようすい)式発電」です(詳しいことは別の機会に)。

 テプコ館のエレベータで130m降りると、そこが発電所なんです。130mというと、ビルの4階部分に当たります。

見学は1日に5回(1回につき約40分)あり、発電所の職員が着いて説明をしてくれます。説明はちょっと難しい(専門的な話なので…)ですが、子供にもわかりやすく話をしてくれます。私が行ったときにも、家族連れがきていました。



 写真だとあまり高さがわからないと思いますが、倒れてきそうなくらい大きいです。学校の校舎を下から見上げた感じでしょうか?

 ダムの側面についているのは、点検用の通路と階段です。また、ダムの上は国道158号線が通っています。

 奈川渡ダムは、アーチ式ダムという種類の構造をしています。写真では、まっすぐ立っているように見えますが、上の方が手前に傾斜しているのです。真下からみると、上の部分が覆い被さるようになっており、ちょっと怖い感じがします。また、左右も岩盤にしっかり固定されていますが、まっすぐではなくカーブを描いています。

 これは、1億2,300万トンもの水を貯めておくためには必要な構造で、まっすぐにしてしまうと、これだけの水の持つ力(水圧)をダムが支えることができないのです。そのため、カーブを描くことでダムにかかる力を分散させ、ダムが壊れないようにしています。
 ダム断面図をみるにはここをクリックしてください。



発電所入口 ランナ(水車) 安曇発電所内部(3〜6号機)


 安曇発電所には6台の発電機があります。そのうち2台(1号機・2号機)は、発電専用で、水の落ちる力で発電機を回して電気を作ります。そのほかの4台(3号機〜6号機)は、揚水式発電機で、昼間は水の落ちる力を利用して電気を作りますが、夜間は電線から電気をもらって、発電機をモータとして使い、下のダムにたまった水を上のダムに汲み上げています(この発電の仕方を揚水式発電といいます)。
発電所の設備概要は、こちらをご覧ください。


<梓川テプコ館 いんふぉめーしょん>
開館時間
9:30〜16:30
発電所見学案内時間
午前2回  10:30 11:30
午後3回  13:00 14:00 15:00
(5月の連休や夏休み期間中は時間変更になる場合あり) 
休館日
5月〜11月の期間中は無休。
12月〜4月の毎週月曜日(休日の場合は翌日)および年末年始
入館料
無料(ただし、アドベンチャーライドのみ1回100円)
駐車場
あり
交通機関
電車:松本電鉄上高地線島々駅よりバス30分
車:長野自動車道松本I.C.より約50分
連絡先
〒390-1611 長野県南安曇郡奈川村4442
電話 0263-94-2324 FAX 0263-94-2325
ホームページ
http://azusagawa.tepcokan.jp/

 東京からだとかなり遠いですが、時間があれば行ってみてはどうでしょうか?



<途中にあった施設>

 ・道の駅 風穴の里

売店・食堂(団体も入れるくらい大
きい)
左の建物の裏には、こんな橋があ
ります。
橋の先には「安曇村資料館」があ
ります(大人100円)。

橋の上から水殿ダムを望む 風穴(中はひんやり7〜8℃に保
たれています。)