続き



 司法博物館の見学を終えたあと、いよいよ松本市の中心部へと車を走らせました。
 松本市内には、教育に関する史料を展示した博物館があり、前から見学してみたいなと思っていたのです。昨年、近くまで来たのですが時間の関係で見ることのできなかった『旧開智学校』を見学することも、今回の旅行の大きな目的の一つでした。

旧開智学校 校舎
  旧開智学校は、明治9年に新築されて以来、昭和38年3月まで90年間、実際に小学校として使用されていた建物です。明治・大正・昭和と3代にわたって建築当初の様式を保ってきたこともあり、昭和36年3月に国の重要文化財に指定されました。現在の場所には昭和39年8月に移築され、翌年4月から教育博物館として公開されています。私自身パンフレットで見た際、実際にどのようなものが展示されているのか、かなり気になっていたのです。今回、見学をすることになり、かなり期待して行きました。

 館内には、今では見ることのできない印刷機や教科書などが展示されており、当時の教育内容がどのようなものだったのかを知ることができます。実際に使われていた教室や体育館、教科書や教具などを見ると、当時の教育が意外と高度だったことや、国益を担う人材を育成するための教育だったことがわかります(私だけがそう感じたのかもしれませんが)。



<館内の展示物>
輪転機(明治後期)
堀井謄写(とうしゃ)版
作るときにはこのような道具を使った
のです。
(マウスを近づけてみて!)
明治天皇が訪問された際に使われた
部屋だそうです。

明治時代の地理の教科書。かなり精
密で現在のものとほぼ同じ。
現在までの理科の教科書。ちょっと懐
かしかったです。
展示室の様子
(写真にマウスを近づけてみて!)
昔の理科の実験風景(授業)
ノート代わりに使われていた石版
今で言う講堂・体育館


 当時、算数の九九を指導する際に使われていた教具です。写真を見ると、すべてが表に書かれていないことがわかると思います。1×2と2×1のように同じ計算の場合は、省略されています。

 この表の下には説明文があるのですが、ここにこんな文が書かれています。
『ににが四、にさんが六」など「が」をつける場合と、「にろく十二」など「が」が付けない場合とがありますが、どうしてそんな違いがあるのでしょうか?』
みなさん、何でかわかりますか?

 答えが一桁のときだけ「が」が付くのです。つまり「が」は「ゼロ」の意味で、
              「さざんが九=さざんが○九」
 こうすることで、そろばんを入れるとき、桁をとり間違わなくて済むからなんです。

 このほかに、野菜や果物、動物のなどの絵と名前を書かれている教具があり、実際に小学生に対して指導をしているそうです。


<旧開智学校 いんふぉめーしょん>
開館時間 8:30〜17:00(入館は16:30まで)
入館料 大人 310円 小中学生 150円
団体(30名以上)は50円割引
休館日 12月〜2月までの月曜日(休日の場合は翌日)
休日の翌日、12/29〜1/3
連絡先 長野県松本市開智2−4−12
TEL 0263−32−5725 / FAX 0263−32−5729
交通 バス:松本駅バスターミナルから美ヶ原温泉行「市役所前」下車徒歩10分
   松本駅前から北市内線「蟻ヶ崎高校前」下車徒歩5分
徒歩:松本駅から25分
その他 駐車場あり


 その後、チェックインまでの時間がまだあったので、松本城に行ってみました。
 休みの日ということもあり、かなり混み合っており、天守閣に行くのに渋滞しているなんてびっくりしました。松本城は現存する天守閣の中ではもっとも古く、国宝に指定されるほどです。ちなみに現在、文化財保護法で国宝に指定されている天守閣は松本城の他、犬山城・彦根城・姫路城の4つしかありません。
 明治の初めには186もあった城も、昭和4年に制定された「国宝保存法」が施行されるまでに、かなり壊されてしまったそうです。この国宝保存法には22の城郭が国宝指定され、そのうち天守閣が指定されたのは18城もあったのですが、戦火のために天守閣を失ってしまい、残っているのはたった4城だけなのです(戦火で消失した天守閣…名古屋城・大垣城・和歌山城・岡山城・福山城・広島城、火災により焼失…松前城)。

松本城 全景
場内より庭を望む

 天守閣内部には、石落とし等の仕掛けや、火縄銃などが展示されています。天守閣5階が展望スペースとなっているのですが、そこに行くまでがなかなか大変で、上へと進むにつれて階段の勾配がきつくなってきて、4階から5階に上がる階段は、かなり急になっています。しっかりと手すりをつかんで上がらないとひっくり返ってしまいそうです。


<国宝松本城 いんふぉめーしょん>
開館時間 8:30〜17:00
入館料 大人 520円
(日本民俗資料館と共通)
休館日 無休
連絡先 長野県松本市丸の内4−1  TEL 0263−32−2902
交通 バス:松本駅前よりタウンスニーカー「松本城黒門」下車
徒歩:松本駅から約20分
その他 駐車場あり(有料 1時間200円)
ホームページ http://www.city.matsumoto.nagano.jp/www_city/matsumotojyo/index.htm

2日目は、見学をこの辺で終わらせて宿へと向かいました。今回宿泊するホテルは、松本城や旧開智学校がある東口ではなく、西口の駅前(本当に駅から1分のところにあります)にある「ホテル モンターニュ松本」です。温泉街ではないので、ビジネスホテルですが、かなりきれいでした。温泉は車でちょっと走れば浅間温泉がありますので、そちらで日帰り入浴ができます(今回は行きませんでしたが)。





 最終日は、一般道を使って諏訪湖の方に行き、間欠泉センターを見学しました。以前、同級生と来たことがあるのですが、かなりの迫力があります。1時間に1回の割合で吹き出すところを見ることができます。自然の現象なので必ず見られる訳ではありませんが、見たことのない人は一度行ってみてはどうでしょうか?ちなみに見学は有料です。
間欠泉センター 吹き出すとこんな感じです。
(マウスを近づけてみて!)


 その後、高速に乗ってまっすぐ帰ろうかと思ったのですが、あまりにも天気が良かったのでちょっと遠回りをして霧ヶ峰高原の方へ車を走らせました。
かなり天気が良く、暑かったです。

 国道20号から霧ヶ峰方面へ進む道は、民家などがありそんなに観光地という感じはしないのですが、だんだんと高原に近づくにつれ、車窓に広がる景色が変わってきました。この道は「霧ヶ峰ビーナスライン」と名前が付いているだけあり、ドライブコースとしてはかなりおすすめできます。途中にドライブインがありますので、車を降りて散策してみるのもいいかと思います。

 この日は、観光客がたくさんいてお店も混み合っていました。道の両側にはレストハウスがあるのですが、諏訪湖側から走ってきて右側にあるレストハウスの方が大きく、お土産もたくさん置いてありました。


 ちょっと足を動かしたいという人には、散歩コースがあるので歩いてみてはいかがでしょうか。


 今回の旅行は、盛り沢山の内容だったのですが、かなり楽しむことができました。また、2泊3日の間、車のガソリンを補給することなく、あらためてかなり燃費の良い車であることを再認識させられたように感じます。
 「来年はどこに行こうかな〜」と考える今日この頃です。でもその前に、進路指導をしっかりやらないと。遊んでばかりもいられませんからね。