証明
背理法・対偶・場合わけ
(1)背理法 1、√12が無理数であることを証明せよ (証明)もしも√12が無理数でない、つまり有理数とすると √12=q/pとおくことができる。ここでこの分数は約分されており、pとqは互いに素であるとする。 両辺を2乗すると、12=q2/p2 よって、12p2=q2 左辺は偶数になるので、q2は偶数。奇数の2乗は奇数だから、したがって、qは偶数でなければならない。 ここで、q=2q'とおくと、12p2=(2q')2 12p2=4q'2 3p2=q2 右辺は偶数であるから、左辺は奇数×偶数、つまり、p2は偶数でなければならない。 これはpとqが互いに素であることと矛盾する。 ゆえに、√12を有理数としたことは誤りである。 したがって、√12は無理数である。 (証明終わり) 2、1+√2が無理数であることを証明せよ (証明1)1+√2が有理数であると仮定する 1+√2=p (pは有理数)とおくと √2=p-1 ・・・@ @の左辺は無理数、右辺は有理数になり、これは矛盾するから、1+√2は無理数である。 (証明終わり) (証明2)1+√2が無理数でない、つまり有理数であると仮定すると 1+√2=q/pとおくことができる。ここでこの分数は約分されており、pとqは互いに素であるとする。 両辺を2乗すると、3+2√2=q2/p2 したがって、2√2=q2/p2-3 2√2=(q2-3p2)/p2 2√2*p2=q2-3p2 両辺を2乗して、8*p4=(q2-3p2)2 左辺は偶数であるから、右辺の(q2-3p2)2は偶数になる。 とすると、奇数2=奇数、偶数2=偶数であるから、q2-3p2は偶数である。 p,qがそれぞれ偶数または奇数の場合を考えると 偶数2-3偶数2=偶数 偶数2-3奇数2=奇数 奇数2-3偶数2=奇数 奇数2-3奇数2=偶数 の場合が考えられる。これによって、pもqも偶数の場合があることがわかる。 これは、pとqが互いに素であることと矛盾する。 したがって、1+√2は無理数である。 (証明終わり) 3、√2+√3が無理数であることを証明せよ (証明)√2+√3が有理数であると仮定する √2+√3=p (pは有理数)とおくと 両辺を2乗して、5+2√6=p2 2√6=p2-5 左辺は無理数、右辺は有理数になり、これは矛盾するから、√2+√3は無理数である。 (証明終わり) 4、4K+3の形の素数が無限にあることを示せ (2)対偶 (a)命題の対偶をのべよ 命題 「Aである→Bである」に対して、対偶は、「Bでない→Aでない」 (b)その命題は真か、真ならば証明し、偽ならば反例を示せ (c)命題の逆を述べよ 命題 「Aである→Bである」に対して、逆は、「Bである→Aである」 (d)その逆命題は真か、真ならば証明し、偽ならば反例を示せ 1、abが無理数ならば、a,bの少なくとも一方は無理数である。 (a)「abが無理数」の否定は、「abは有理数」 「a,bの少なくとも一方は無理数」の否定は、「a,bの両方とも有理数」であるから 対偶は、「a,bの両方が有理数ならば、abは有理数」 (b)「真」である。 (証明)a,bは有理数であるから、a=n/m,b=q/p(m,n,p,qは互いに素である整数)とおくと ab=n/m*q/p =nq/mp したがって、abは分数で表されるので有理数である。 (証明終わり) (c)逆は、「a,bの少なくとも一方が無理数であるならば、abは無理数である」 (d)「偽」である。 (反例)a,bがともに無理数、例えば、a=√2、b=√2のとき、ab=2となり有理数になる。 2、a+b>2ならば、(a>1)∨(b>1)である 3、a+b>1ならば、(a>0)∨(b>0)である ただしこれらの変数はすべて実数とする。 (3)場合わけ 1、任意の自然数nについて、nの3乗を6で割った余りと、nを6で割った余りは常に等しい。 2、次の覆面算は解を持たないことを示せ(覆面算では各文字がひとつの数字を表し、同一文字は同一の数字である。また各行の先頭の文字は0にはなれない。このような条件下で、正しい計算式を作るパズルの一種である) A B C + A B C ――――――――― D B D A