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ソフトボール入門
ソフトボールの本を読もう


アイコン 磨けば光る子どもたち
久保田浩司著、文芸社、1000円
お勧め度:★★★★
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 サブタイトル「熱血野球教師、バリアフリーへの挑戦」とあるように、著者は、養護学校で知的障害者を生徒に持つ教師。
 プロ野球選手を目指した著者が挫折し、教師の道に立ったとき、今度は、学生たちとともに甲子園で優勝しようという夢を持った。しかし、新任で配属された先は、養護学校の知的障害者クラス。3年間勤めれば、転属願いを出すことができる、そのことだけを希望に著者の教師生活が始まった。クラスの課外活動でソフトボールがあったが、著者は本格的なソフトボールチームを作ることを決意。最初は、「集合!」と言っても集まらず、ユニフォームの上着をズボンの中に入れさせることから一苦労。しかし、やがて東京都の障害者の大会で優勝するほどのチームを作った。
 3年後、著者は普通校への転属願いを出す。しかし、彼の心の中は、自分の行くべき道を知っていた。転属願いが退けられたとき、本当にほっとして、自分が教師として、ソフトボール指導者として、心から生きがいに思える場所がここだったんだと気づかされる。
 以後、チームは東京都5連覇をはたし、また運動障害を持つ子供でも参加できるティーボールの普及に努めている。
 ソフトボールチームの成長記としてもおもしろいが、著者が自分の願うことを手放しながら自分が本当に喜べる道に気づいていく様子、そして何事にも正直で、感情をあらわにする子供たちの成長の様など、いろんなすばらしい内容がつまった本だ。



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