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ソフトボール入門
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アイコン 現代ソフトボールの戦法(全4巻)
[内野手][外野手]編、[投手][捕手]編、[打者][走者]編、[日米比較]編
吉村 正著、ベースボールマガジン社、各1600円
本書は町田市立中央図書館にて貸し出し可能です。

アイコン  日本とアメリカでソフトボールをプレーし、その道を求め続けてきた著者が、ソフトボールマガジン誌にかきためたものの集大成。圧倒的なボリュームで資料的価値も抜群。広い視野から書かれた文章は、はっとさせられるところが数多くある。
[内野手][外野手]編




[投手][捕手]編 お勧め度:★★★★★
 ソフトボールの投手に関して、これほど詳しく、あらゆる内容を網羅した本はないだろう。男女さまざまなタイプの10人以上の投手の連続写真を載せ、そのフォームについて詳しく解説している。スローピッチの投球技術にまで言及しているのには、脱帽してしまう。さらに、変化球マニア(?)の著者は、日米の多くの投手が投げる変化球の投げ方を研究しており、握りやフォームについて、数十種類あげて解説している(変化球の投げ方の連続写真は、著者の実演によるが、こちらは、実際に投げたフォームではなく、投げ方を解説したスローモーションの連続写真となっている)。手の大きさや投球のタイプはさまざまだが、自分にあった変化球の投げ方をいろいろ試してみることができる。次に、投手の心構えについて、これまた延々と述べている。例えば、打者のフォーム、立ち位置、スタンス、バットの構え方などから、打者の特徴を知る、ということに関して10ページもさいている。さらに、投手の守備、トレーニングと、ここまでで200ページ。捕手編はサインの出し方までも詳述して60ページ。さらに練習編が120ページ。絶対手に入れて損はない本だ。
[打者][走者]編 お勧め度:★★
 相変わらず、連続写真を多様して、これでもかというほど、あらゆる事柄に関して述べている。いったいソフトボールの本で、最初の最初からバットの選択の仕方に10ページも割いたものがあっただろうか。打法には6種類ある(プルヒッティング、スプレーヒッティング、チョップヒッティング、バスター、プッシュバント、バント)と言い、それぞれについて詳しく解説。打者の構え、グリップ、心構え、スイング、フォロースルー、速球・変化球の打ち方と解説して、さらに、左打者はどう利点を生かすかについても、「1塁が近いから転がしたら有利」といった通り一遍の解説ではなく、12項目ももうけて詳しく説明。第2章のバント編だけで45ページ。本当に、学ぼうと思えば学ぶべきことはたくさんあるんだなあと感心する。第4章の走者編は、打者走者、1塁走者、2塁走者、3塁走者と、それぞれの場合をあまりにも細かく解説。スライディングと走者の心構えまで、しめて70ページ。最後に練習編では、打撃練習として、素振り、トスバッティング、ティバッティング、フリーバッティング、シートバッティング、バント練習について述べ、走塁練習とあわせて70ページ。まあ、読んでみてください。
[日米比較]編 お勧め度:★★★
 ソフトボールに対する意識が日米で大きくちがうことがあり、驚かされる。このシリーズの中でも本書は異色で、もちろんアメリカ流には良いところも悪いところもあるのだが、私たちの常識を再検討することを求められる。以下にアメリカでの考え方を列記する。/週に3回はグランドに出ないでウェートトレーニングをする/素振りよりも筋力強化に努める/バックスイングを大きくとる(これはすごく大事)/フルスイングで引っ張る・強打することしか考えない/二死からバントしない/バントが下手・スリーバントしない/1塁を踏んだあと、大きく駆け抜けない/1塁ベースコーチの指示に信頼せず、自分で打球を見て走る/ツーステップもジャンプスローもOK(日本人はルールを守りすぎ?)/投げ込み・走り込みはしない/肘や手首を自由に曲げて投球する/逆シングル、片手取りもOK/1、3塁手の守備位置は投手の力で決まる(へぼい投手なら、前進守備しない)/
 あと、練習方法や監督・コーチとの関係など、微に入り細にわたって書いている。(このテーマで400頁の本を書くことは、出版人から見ても、驚異だ)


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