日本往来・東海道ウォーキング
二川〜吉田〜御油〜赤坂
(2001.5.19)

■□ 退屈な二川宿〜吉田宿 □■

 JR東海の主催する「日本往来・東海道ウォーキング」のコースは,吉田(豊橋)〜赤坂となっているが,吉田宿はJRの豊橋駅から少し離れているので,JRの駅から程近いところを旧東海道が通る二川から歩く事にした.

 名古屋から新幹線に乗って8時32分に豊橋に着き,東海道本線に乗り換え8時46分に二川駅に着く.駅のすぐ前の通りが旧東海道で,駅前こそ道幅が広いが,少し東へ歩くと,急に道幅が狭くなり,この道が旧街道であることを感じさせてくれる.二川本陣跡まで行く[8:59].二川本陣に隣接して資料館が建っているが,午前9時30分の開館で,まだ30分近くあるため,あきらめて吉田宿に向けてUターンする.

 二川駅前を過ぎると,道はやや上り坂になる.火灯坂の交差点(四叉路だったと思うが…ちょっと記憶があいまい)に出て,まん中の,少し登りになった道を進む.両側には喫茶店やレストランが点在する坂を登りきり,信号のある三叉路を左に曲がる[9:33].この先,おしゃれな家が立ち並ぶ住宅地の中を歩く.なかには壁にミッキーマウスを描いた家もあった.二川駅前から約45分,東海道は国道1号線と合流する[10:01].この交差点にマクドナルドとスーパーのヤマナカがある.ここから豊橋の市街地まで国道1号線の歩道を歩く.車の排気ガスで,空気が黒ずんでいるのがわかる.10分程歩くとファミリーマートがあったので,おにぎりとスポーツ飲料のペットボトルを買う(このすぐ先の,上り車線側にサークルKがある).2kmほど歩いて,路面電車が走る通りに出ると[10:40],吉田宿はもうすぐである.
 二川宿から吉田宿まで1里半を,約1時間半で歩いた.普通だと2時間程度の距離であるが,道中あまり見るべきものがないため,比較的,早く着いた.

二川宿本陣

二川宿本陣

■□ 吉田から御油も,ただひたすら歩く □■

 豊橋市公会堂の裏手にある,豊橋公園へ向かった.公園内のベンチに腰掛け,先ほど買ったおにぎりを食べる.公園内には吉田城趾があり,鉄櫓(くろがねやぐら)が復元されている.吉田城の北側には豊川が流れ,天然の堀になっている.川幅の広い豊川を見ていると,海が近い事を感じる.
 吉田城を後にして,旧東海道に戻る.市内の東海道筋には「東海道」と書かれた大きな看板が立っているので,迷う事なく吉田宿の本陣跡に着いた.と言っても,本陣のあった場所は,今はうなぎ屋になっており,当時の建物は残っていない.吉田宿全体が豊橋市の市街地に飲み込まれてしまって,宿場を彷佛させるような建物は何も残っていない.何度も直角に方向を変える城下町特有の道を歩き,東海道は豊川にかかる豊橋を渡る.
 橋を渡るとすぐに左に折れて,しばらくは豊川と平行する.道が豊川から離れていくあたりに古い建物が残っている.その先のコンビニで今日2本目のスポーツ飲料のペットボトルを買う.少し歩くと豊橋魚市場に出る.ちょうどお昼時だったので,市場前の食堂にはたくさんの人が訪れていた.こういうところには安くて旨い店があるのだろう.入るのにはちょっと勇気が必要だが,ここで昼食も良いだろう.
 市場を過ぎるとすぐに豊川放水路にかかる高橋を渡る.道幅が狭く,歩道が無いので注意が必要だ.海からの風も強く,帽子を飛ばされないように,手で押さえながら歩いた.橋を渡ると,右手に子だが橋の碑を見て,その先の菟足神社でちょっと休んだ[12:30
 JR飯田線の踏切を渡る.足立歯科の看板が立っている資材置き場の様なところに,愛嬌のあるカッパの石像があったが,どうも仮置のような感じなので,いつまでここにあるか定かではない.12時56分.伊奈一里塚.江戸から数えて75番目の一里塚であるが,ここに一里塚があった事を示す碑が建っているのみである.しばらく歩くと国道1号線に出る.最初の信号で国道の反対側へ渡って,そのまま坂を降り,名鉄豊川線の踏切を渡り,最初の角を左折する.そのまま真直ぐ進み,生コン工場のある角を左折,軽乗用車がやっと通れるくらいの踏切を渡り,国道1号線の地下道をくぐって,国道1号線を西へ進む.すぐに斜め左に入る道を行くと国府の市街地である[13:50].

吉田城

豊橋を渡った先にある古い建物

街道筋で見かけたカッパ

■□ このコースのハイライト 御油の松並木 □■ 

 国府の町を過ぎると,秋葉山の常夜灯がある交差点に出るが,この道がいわゆる「姫街道」と呼ばれるみ道で,常夜灯の手前に「これより姫街道 遠州見付宿まで」と書かれた真新しい碑が建っている[14:15].姫街道とは「本坂越え」とも呼ばれ,新居と舞阪の間の今切の渡しを避けて,浜名湖の北側を迂回する街道であり,特に女性の通行が多かった事から姫街道と名付けられた.
 そして,すぐ
御油橋を渡り御油宿に入る.ところどころに古い町並みが残っている.ここでは御油ノ松並木資料館に立ち寄った.[14:30].入館無料ながら,御油ノ松並木や御油宿について,充実した展示を見ることができる.展示室の中央には,往時の御油宿を再現したジオラマがある.
 御油の宿場内で,この日3本目のペットボトルを買う.とにかく暑い.市街地を抜けると松並木が視界に入ってくる.御油ノ松並木である[14:50].松並木はここから約600mにわたって,音羽町の入り口まで続く.良く見ると1本1本に数字を書いた名札が付いている.ここでは暑さも忘れて,あっという間に600mが終わった.もっとゆっくり歩けば良かった…,と思うくらいに快適であった.松並木が終わると音羽町に入り,ウォーキング終点の赤坂の宿である.

 赤坂では尾崎屋大橋屋旅館を見るために,駅に続く道を行き過ぎる.まず右手に尾崎屋の建物が見えてくる.ここは明治元年創業の曲輪製品店.軒下にかかる提灯が目印である.そして,尾崎屋の斜め向いが,1716年創業の旅籠 大橋屋である.ここには松尾芭蕉も泊まったと伝えられている[15:20].建物の妻面がトタン張りになっているのがちょっと残念である.
 大橋屋から引き返して,名鉄の名電赤坂駅から豊橋に帰った.

御油の町並み 御油ノ松並木
旅籠屋「大橋屋」(赤坂宿)

■所要時間:約6時間半


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