〜 屋久島 〜


1998年11月2日〜14日



念願の屋久島へ行ってきました。想像以上にデカイ島でした。今回は屋久島の森散策と口永良部島の温泉がメイン。どちらも最高でした。
欲を言えば屋久島での登山の時に晴れてくれればよかったです。



11月2日 東京 → 屋久島

羽田から鹿児島経由で屋久島へ向かう。鹿児島からはYS-11が老体に鞭打って飛んでくれた。飛行機を降りるとまだまだ暖かくムっとしていた。もう11月だというのに...
午後は、明日からの登山の準備と下山後の宿探しの為、宮之浦の集落をウロウロした。本日はオーシャンビューキャンプ場泊。ロケーションは名前の通り、そのものズバリでした。


11月3〜6日 宮之浦岳登山

今日から4日間、屋久島の森にどっぷりとつかり、ついでに宮之浦岳登山もやってしまおうという計画だ。しばらくは下界とオサラバ。普通は車で登山道入口まで一気に行くが、私の場合は時間があるので海沿いの楠川集落からスタートする。門出を祝うように天気は快晴。気温もグー。

<コース>
楠川歩道 → 白谷雲水峡 → 白谷山荘(泊) → トロッコ道 → 縄文杉 → 新高塚小屋(泊) → 宮之浦岳 → 淀川小屋(泊) → 屋久杉ランド

楠川歩道
楠川歩道

苔むした石が敷き詰められている。登山道としては歩きやすい。

楠川歩道
楠川歩道

高度が上がるに従い、怪しい形の木が多くなる。

昼頃、白谷雲水峡に到着。白谷雲水峡は森全体が苔むしていてとてもきれい。駐車場近辺は遊歩道が整備されて興ざめだけど、奥の方は感動的。

白谷雲水峡
白谷雲水峡

倒木が苔で覆われている。

白谷雲水峡
白谷雲水峡

切株の内側から上を見上げる。

本日の宿泊地、白谷山荘は以前は有人の山小屋だったようだが、今は廃虚のようになっている。飛び石連休直後だったので、今夜は私以外に利用者はなし。めちゃくちゃ恐い。殆ど眠れずに夜を明かした。

2日目は曇り空。峠を越えて一気に山を下ってトロッコ道へ。今まで稼いできた高度がどんどん減っていく...

トロッコ道は森林軌道跡が登山道になっている。もちろん今は走っていない。ここは縄文杉へのメインストリート。軽装の観光客がどんどん抜いていく。一方、自分は4日分の生活道具一式(約17Kg)を背負ってヒーヒー言いながら歩く。もちろん追いつけるわけがない。

トロッコ道
トロッコ道

線路は続く〜よ...

トロッコ道
トロッコ道

と、思ったら流失してました。

トロッコ道から縄文杉までは登山者(観光客)も多く、登山道も荒れていて非常に疲れた。登山道の土が流出して木の根が浮き上がっている。このままだとこのような木は枯れてしまうだろう。ちょっと複雑な気分。

縄文杉に着く直前から霧が立ち込めてきた。やっと縄文杉に到着。縄文杉を見れた感動よりも荒れた登山道が終わったことの方が感動した(縄文杉さんゴメンナサイ)。

縄文杉
縄文杉

フレームに入らない... デカイ

縄文杉は確かに凄いが、見学は展望デッキからのみ、根元は土砂が流れて無残な姿をさらけ出していて、ちょっとがっかり。

ここから先は登山者も激減して登山道も歩きやすくなる。雨が降り出しても精神的にはすごく楽になった。本日は新高塚小屋まで。今夜は他に利用者もいるので安心して眠れる。

翌日も雨。今日は九州最高峰の宮之浦岳へのアタック。しかし、雨、雨、雨、視界不良、強風、寒さ...
登山は辛い...

宮之浦岳
宮之浦岳山頂

登山の証拠写真。景色は真っ白...

てな訳で、山頂に約10分いただけで撤退。そのまま一気に淀川小屋まで下山した。

最終日は豪雨。雨男の本領発揮。本当は海沿いの尾之間温泉まで一気に下山してそのまま温泉に飛び込む予定だったが、途中川渡りがあるらしい。この雨では無理と判断し、林道経由でバス停のある屋久杉ランドまで約2時間半歩くことにした。どしゃ降りの雨の林道を黙々と歩くのは非常に辛かった。

無事下山し、バスを乗り継いで島の南にある尾之間温泉へ向かった。あ〜 やっぱり温泉は最高!

 この日は宮之浦の民宿に宿泊。久しぶりの布団は気持ちよかった。


11月7日 屋久島周遊

今日は休養日、そして洗濯日。洗濯後にレンタカーを借りて島を一周した。レンタカーは地元業者が安くてお得。バスを利用しての観光より安くて効率がいいかもしれない。

島を時計周りに一周する。千尋の滝、大川の滝、西部林道、屋久島灯台etc。屋久島は島内でも場所によって天気&気候が全く異なる。南部はまだまだ夏の陽気だった。

千尋の滝
千尋の滝

一枚岩の斜面が豪快。じゅんちゃん、ソリで滑って!


11月8〜9日 口永良部島

この島の存在は屋久島の地図を見ていて気がついた。しかも温泉マークが3つもある。これは行くしかないと思い、口永良部島の宿の手配等を行った。

宮之浦港からの町営フェリーは時化で大揺れだった。整然と山積みされた金と銀の洗面器を見てますます気分が悪くなっていく。でも、なんとか持ちこたえてくれた。

口永良部島は人口約160人の火山島。商店3、郵便局1のみであとは何もなし。しかし、ここはDocomo携帯が繋がる。札幌の友人IからTELがかかった時は感動した。

口永良部島
口永良部島

まだ夏。1日1便の船が屋久島へ帰っていく。

ここでの目的は温泉に入ること。島内にはバス、タクシーなどはないので、14Km先の湯向温泉までひたすら歩く。1時間40分歩いた所で初めて車が通りかかり、温泉のある集落へ帰るというおじさんに乗せてもらった。湯向温泉はしっかりした建物の温泉(無人)で、ぬるめなので長時間入ることができた。

次は寝待温泉へ向かう。今来た道を戻って途中から海岸方面へ降りていく。1時間程歩くと車道が終わり、そこから恐ろしく急な下り坂を10分程度降りていった所にある。降りるということは帰りは登らなければならない。考えるとゾッとする。ここは湯治場で専用の宿泊施設もある。海岸の岩場にコンクリートの避難小屋みたいな建物の温泉がある。乳白色でやや熱目。風呂から出て海風に当たるととても気持ちがいい。

しかし帰りに急坂を登ると汗がどっと出てしまい、温泉の後の爽快感が台無しに。湯治に来ているじーさんばーさんは荷物を持ってこの坂を行き来しているらしい。スゴイ... 民宿のある港の集落へ向かって1時間ほど歩いていると、港へ行く車に拾われた。島の人はみんな親切だ。

翌日は港の集落から20分程の所にある西の湯という温泉へ向かった。ここも波打ち際にある。波の音を聞きながら湯船に浸かる。透明お湯で、適温だった。

帰りのフェリーまでまだだいぶ時間があるので、港で昼寝をしようと思ったら、漁師のおじさんが「暇なら船に乗るか?」と誘ってくれた。途中海が荒れてて飛び跳ねてたけど、痛快だ。

口永良部島の漁船
口永良部島

漁船初体験。

島の人はみんないい人ばかり。時間ものんびり過ぎていく。
帰りのフェリーに乗る。出港すると、先程のおじさんが乗った漁船が夕方の漁に向けて同時に出港した。手を振ると応えてくれた。また行きたい思った。


11月10日 再び白谷雲水峡

再び白谷雲水峡へ。気に入ったのでもう一度行くことにした。

白谷雲水峡
白谷雲水峡

枝が多い!

白谷雲水峡
白谷雲水峡

水がきれい!

白谷雲水峡5
白谷雲水峡

空気がきれい!


11月11〜14日 屋久島 → 鹿児島 → 博多 → 東京

ついに屋久島ともお別れ。鹿児島行きのジェットフォイル「トッピー」に乗り込むと直ぐに離岸した。本当にあっけない。やはり普通のフェリーで帰った方がよかったかもしれない。

昼ごろ鹿児島に到着した。まずは腹ごしらえということで歩いていると、リンガーハットを発見。無性に食いたくなってきた。鹿児島名産なんてどうでもいい。ということで長崎ちゃんぽんを頂く。満腹感に浸りながら歩いているとデパートで北海道物産展をやっていたので、北海道の土産を買う(^_^; (鹿児島のみなさんすいません)

鹿児島で1泊して朝から列車に乗り込んだ。列車で旅をするのは久しぶりだな〜と思いながら、車窓の景色を食い入るように見てしまった。人吉へ向かう列車は運転手の観光案内及び景勝地での停車サービスまであった。「あ〜ちょっと記念碑のある場所を行き過ぎたのでバックしますねー」と実況放送しながらのんびり進む。なんてのどかなんだ!

人吉温泉で一風呂浴びてまた列車に乗り、博多へ向かった。博多ではカヌー仲間のYさんと会い、1晩お世話になった。

翌日、博多の街から船で志賀島へ行き、ぶらぶらする。夕方船で戻ってくると、港の近くで大相撲九州場所をやっていた。ちょうど武蔵丸、若貴が到着した所を見ることができた。でかい...  夜は博多にいる高校時代の同級生Aと会う。お互い全然変わっていない。

翌日、飛行機で帰るにはあっけないと思い、新幹線で帰ることにした。久しぶりの新幹線。こんなに速かったのかと感動しまくった。通過駅を確認しようと駅名標を見るが、速くてわからない。何度も試みるがダメ。ふと車内の通路の上を見ると通過駅が表示されている。最近はこんなに便利になったのかと感心する。


その後

東京へ帰ってきた。あまりの寒さに風邪を引いてしまった。
おしまい。



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