《技研》
《戦略技術研究所》
『ニル・アドミラリ・ブラボー!』
オンライン・ゴシップ&ウィット&プラグマティックス・マガジン
"Nil Adomirari BRAVO!"
《告知》編集後記
にるあぼ編集部 2000年 01月 03日 04時 54分 17秒
オンラインマガジン『ニル・アドミラリ・ブラボー!』をご愛読頂きありがとうございました。
当誌には、前進である『ニル・アドミラリ』同様、読み応えと楽しさを読者に与えるべくさまざまな企画を散りばめてみました。今にして思うとそれらは、言語・文字への挑戦であった気がします。文字のみにより表現される事象、その事象の与える感情、感情から導き出される意味、そして意味の作り出す新たなる疑問。
ライター陣による記事は内容はもとより、その表現手段においても常に挑戦的であり、また革新的でした。それら全てが成功ではなかったでしょうが、当然全てが失敗だった訳でもないでしょう。これまでの経過について当誌なりの結論を見出したので、ここに記しておくことにします。
人それぞれの視点、色とりどりの手法、溢れる素材と主題。記号である言語(文字・言葉)の組み合わせは原理的には無限です。しかし文字の組み合わせの集合である文章が表そうとしている「意味」の数は、その組み合わせのバリエーション数よりはずっと少なく、実はたった一つです。SF小説、恋愛小説、手紙、事件記事、論文、社会風刺……どんな種類の言葉も、その内容が示そうとしているものはたったの一つなのです。ですが文章により人に湧き起こる感情もまた一つ……ではないところが、今後の我々の課題といえそうです。
「言葉の意味はたったの一つ」、これが当誌の得た結論です。さて、その意味が何であるか、については機会を改めることにします。
それでわ、新創刊でお会いしましょう、
シーユーアゲン、バイバイ!
(編集・ライター一同)
《連載》える子の部屋〜今朝の運勢(姓名判断編)
漕戸える子(死相占い師) 1999年 12月 27日 16時 12分 04秒
『姓名総画数が奇数のあなた』
割り切れないという奇数の特徴が性格に出るようです。
本来は内向的なのに、人前に出ると無理に明るく振る舞ってしまい「八方美人なのでは?」と悩む傾向があります。八方向が美人ならバッチリですよ。理想である十六方向美人に向かって努力です。
『姓名総画数が偶数のあなた』
割り切れる偶数は安定や平穏の象徴であり、人間性もそのようになるようです。
純粋なほどの正直さは長所ですが、真実は時として人を傷付けることがあるようです。馬鹿正直というのは「馬鹿で、ついでに正直」ということでしょうか? そうなら、救いがありませんね。
『姓名総画数が実数のあなた』
画数が実数になる方は世界的に多いようで、これは凡庸さの表われだと考えられています。
平凡であることを嫌い「自分探しの旅」などに出る方もいらっしゃるようですが、旅立つ前に鏡を見ることをお勧めします。探し物は案外近くにあるものですよ。
『姓名総画数が虚数のあなた』
画数が虚数になるあなたは世界の命運を左右するほどの重要人物です。現代のキリストか仏陀か、それほどの使命を背負っている筈です。溢れんばかりの才能を持っているので、必ずや使命を成就できるでしょう。幾度と無く苦難が立ちはだかるでしょうが、自分を信じて下さい。
『姓名総画数が英数のあなた』
Gomen-ne sorry... This page is Japanese only.
See you again. Bye Bye.
《連載》『シャングリ・ラララ♪』たけし・ほん号
鳩羽美咲(クリスちゃん) 1999年 12月 27日 15時 09分 59秒
メリークリスマスド(過去形)! 鳩羽じゃけい。
さささ、皆様、残すところあと僅かですよ。苦楽色とりどりの思い出が走馬灯のように駆け巡りますが、いよいよカウントダウンです。私なんてもう浮き足立って大変ですけど、皆様はいかがです?
でわ、若干フライング気味ですけど……。
『ヒトゲノム計画』完了おめでとう!!!!!!!!
《連載》『病は気から』防空号
怺無二州徒(こらむ・にすと) 1999年 12月 06日 19時 00分 51秒
『バカルディ?』
今日はとってもローカルなお話――。ある日、地元の町のホームページを発見。トップページにはこんな言葉が……。
『このサイトは現在、私が個人的に管理、運営していますが、後々は行政が管理してくれる事を願っています。一日も早く私の手を離れる事を期待しています』
願うだけかよ!
《連載》『シャングリ・ラララ♪』国際連号
鳩羽・F・美咲 1999年 12月 04日 00時 24分 50秒
『クレイジー・エンサイクロペディア(?)』
ジェロニモぉー、鳩羽れば。えるちゃん(占いの漕戸える子女史)との井戸端テレビネタを再び。
誰もが一度は通る道、『ドラえもん』の道具、一つだけもらえるとしたら……。
みさき「ここはシブめに『ひい木』だね。地味だけど割と使えるっしょ」
える子「あたしは欲張りなんで『もしもしボックス』かな」
えるちゃん! それはドラえもんじゃなくってNTTの道具だ。ちなみに編集長は真顔で『からくり武者』とかいってました、ちゅう。
《連載》RT-FM119「岸里徹のミッドナイト・ミー」
岸里徹(きしり・とおる 白いお髭) 1999年 12月 03日 15時 32分 04秒
(ミミミ、ミッナァーイ、ミィー!)
岸里徹のミッドナイト・ミー、こんばんは、岸里徹です。今夜も皆さんに、素敵なひとときをお送りします。
今年ももうすぐ終わりですね。お正月だと思っていたらあっという間に大晦日です。皆さんはそんな経験、ありませんか? 今日はそんな曲をお送りします。
忙しくてなかなか会えない恋人同士のせつない思い、グリーンランド民謡『恋人はサンタクロース』です、どうぞ。
〜♪(グリーンランド民謡『恋人はサンタクロース』)
さあ、そろそろお別れの時間です。それではまた次回、この時間、この場所で。岸里徹でした。
(ミミミ、ミッナァーイ、ミィー!)
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』6
ジミー・ハーディー(詩人) 1999年 12月 02日 01時 51分 04秒
『赤の他人を理解するには、深い愛情よりも浅い解剖学の方が有効である』
《読切》イッツァショータイム
江戸屋小犬(浅草玄人ブーイング大賞) 1999年 12月 01日 22時 03分 13秒
寒くなってきましたね。あまりの寒さに眉間にしわがよっちゃって。
――しわっす
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』5
アニー・チャム(生命科学担当) 1999年 11月 27日 04時 19分 57秒
『勝たすトロフィー』
木枯しの音身にしむ昨日今日、いかがお過ごしでしょうか。
以前の話ですが、とあるテレビ番組でロボットについての特集があり、その番組の最後に「何故人は人型のロボットを作るのか」との問い掛けがなされていました。番組内での結論は「人間社会(人間の為の場所)での活動のしやすさ」と「人間の、人間への憧れの表われ」となっていましたが、私はこれを見てあることに気がつきました。
人間が人形や人型ロボット、胸像や自画像を作り続けているのは、「自己保存本能」によるものではないでしょうか。人間という種を存続させる為の本能、或いは、遺伝子の乗り物としての体を作り続けるシステム、これをここでは「自己保存」と呼びます。
あらゆる生物(私の別仮説では無生物、無機物も含まれる)が持つ仕組みです、人間の場合、他の多くの生物と比べ若干の違いがあるように思います。人間の自己保存本能は他の生物に比べると「甘い」気がするのです。例えば昆虫などの繁殖の様子は電波時計の如き正確さなのに対し、人間のそれはさながら砂時計です。
さて、ロボットです。人間が、人形や人型ロボットを作るのは、それらを自らの「複製」と捉えているからではないでしょうか。人形を作る事と子孫を作る事を重ねて認識しているのではないでしょうか。本能活動に緻密さが欠けた人間は、その認識力に幅があり、外観が似通ったものを「複製」と誤認できるのかもしません。人間の形をしたものは全て子供という訳です。
この仮説を発展させれば、宇宙人を探し続ける人々の行動原理も上手く説明できそうです。映画や小説などでは前述のロボットや、宇宙人への憧れを「孤独感」と解説しているのを良く目にしますが、これは如何にも「人間的」で、理論というには稚拙すぎます。ですが、宇宙「人」を探しているとは即ち「人間に似た姿の存在」を探しているのであり、これも歪曲した「自己保存本能」の仕業かもしません。
第一「孤独感」など、人間以外の、人間的感情を持たない生物には一切当てはまりません。
増えるためにだけ存在するのが生物であり、人間とて生物なのです。その目的はただ「増える」ことにあり、しかしこの結論はどうにも気味悪く、人が、愛だ恋だ夢だと声を荒げる気持ちは理解できます。
真理とは、それを知っていようが知らずにいようが関係の無いものであり、知ったからとて何かが変わる訳でもないのだと改めて思いました。
《連載》『病は気から』長居号
怺無二州徒(こらむ・にすと(八人兄弟)) 1999年 11月 26日 16時 31分 04秒
母親が自分の子供を殺すのは『子殺し』や『虐待』が原因(一因)となるだろう。だが、母親が他人の子供を殺す原因は何であろうか?
確かに幼児虐待ではあるが、大半が『誘拐殺人』だろう。では何故『誘拐』するのか? 子供が欲しかったから? それもあるだろうが、今回は『母親』と被疑者を指定しているので当てはまらない(もちろん「男の子が」又は「女の子が」という特定の性別の子供が欲しいという理由も考えられるが、今回は子供の性別は想定しない)。大きな理由は『金』だろうと推測する。ではそれ以外には何が考えられるか。
『親同士の軋轢』から犯行に及ぶ可能性もある。親への憎しみがその子供へと移行する。そして殺してしまう。正常の精神では無いと思うかもしれないが、私はそうは思わない。何故ならその犯罪者は『幼い』のだから。
皆さんはご経験が無いだろうか?(残念ながら私には無いが) 小さい頃、嫌いな(憎らしい)同級生の持ち物を隠したり、捨てたりした事が。大事にしている物を捨てたりした事が。
憎い相手の宝物を盗む。大事にしている物を壊す。すべて幼い頃なら(それなりに)許される事である。幼い頃なら――。
『精神異常者』の犯罪はそれほど多くはないのではないだろうか? それよりも『精神未発達者』の犯罪が多くの割合を割いているのだろうと考えるのは、私の希望的観測に過ぎないのだろうか。
《連載》『シャングリ・ラララ♪』交代号
鳩羽美咲(冷え症) 1999年 11月 25日 18時 19分 35秒
『デンデケデケデケ』
デカルチャー、鳩羽とか。人様のことを書いたので、今回は私事などを。
冬です、寒いです。実は、つい半年前に今の家に引っ越してきたので、ここでは初冬なのです。我が家、山の上にある住宅街のど真ん中なので静かなのは良いのですが……寒い!(仕事場は暖かいのに) 北側の寝室なんてまるで地下室か玄室かってくらい寒い。それなのに我が家には、可愛らしい電気ストーブと、狭いホットカーペットだけで、コタツもエアコンもなく、それどころかカーテンすらないのだ(涙)。
絶対に覗かれない立地条件なので気にしていなかったのですが、ガラスには保温効果なんてこれっぽっちもなく(数センチほどの厚みがあれば別ですが(って、無意味な注釈だわ))、弱々しく輝く電気ストーブの熱はあれよあれよという間に逃げて行くのです。家の中でカーディガンはおって靴下はいて、外なんだか内なんだかといった感じです。
とはいえまだ11月末です。この先、1月2月あたりを想像すると、寒いだけにぞっとします(2点)。そんな訳でようやく暖房器具購入を決意(勿論カーテンもね)、暫し悩み、火力と機動力に優れた「石油ストーブ」という結論に達しました。
ちなみに、石油は精製しないと使えません。灯油です、はい。でも「灯油ストーブ」じゃないのね、とか(ありがち)。
ところで、私は車の運転はしません。だから石油とか灯油とかをどうやって買うのか知りません。車に乗らず、石油ストーブ(灯油だけど……しつこい?)を持たない私にとって、石油も灯油も重油もがま油も同等に縁のないもの。幾らするのか、何処で買うのか知りません。
かすかな記憶ではガソリンとか灯油は危険物指定で、バス、タクシー、電車には持ち込めなかったように思い、だからきっとガス・スタンドが専用車両(タンクローリーかしらん)で配達するのだろうと、早速電話で尋ねることに。
(ポリリリリ〜)
「もしもし。そちら、灯油の配達はしてくれますか? ストーブに使うくらいの量なんですけど」
「――いえ、配達はしません」
「――お得意様にだけ、やってますけど」
……ななななんだ! ポリタンク担いで買いに来いと!? お得意様ってどんな!?
この国では、車に乗れない人間には石油を売らなのですかい!?
この時のショックといったらもう、歯が欠けるくらい凄かったです(はい)。車とか無いし山の上だしで、買いに行けないから配達をお願いしようとしているのに、配達しないのが当たり前みたいな返答のオンパレード。ガス・スタンドってサービス業じゃなかったっけ?
あんまり腹が立ったので、お役所の消費者相談センターに電話しました。といっても密告じゃなくって(笑)、「灯油を配達してくれるお店を教えてちょんまげ」ということです。
で、教えてもらったお店(なんのお店なのか知らないけど(笑))に問い合わせると、年配の男性が腰の低い営業声で「一度にポリタンクを二つくらいだったら配達しますよ」とのお返事。それがどれくらいの量かはピンとこなかったのですが(18リットルがどうこうとか……)、ま、配達してくれるのならリッターでもガロンでもOKなのよ、この際(ドラム缶とか来たらヤだけど)。
ほっと一安心、後日お願いするといって電話を切りました。声色一つで顧客ゲット、営業なんて実際はそんなもんですよね。
石油ストーブ(……灯油)一つ使うのにこんなに手間が掛かるなんて、せちがらい世の中です(違う)。
といった具合で来週には石油ストーブ(と灯油とカーテン)をゲットなのよ〜! ぬくぬくの部屋、ストーブの上でビーフカレーをコトコト煮込むのだぁ!!(じゅるっ!)
ああ、これで私もアジア経済の動向を気にしなきゃいけないのね……(原油は輸入率100%)。
※石油>パイプライン>ベンチャーズ(バンド)>青春デンデケデケデケ(映画)
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』4
木下大地(きのした・だいち) 1999年 11月 24日 22時 31分 40秒
『ラジオ放送は、密かに無法地帯だったりする』
FM放送を聞いていたら、こんなCMが流れていた。
『「(女性の声で)――インターネットって、世界中に繋がってるっていうけど、外国からメール来たこと、そういえばないよねぇ……」
(ナレーション)あなたと世界を繋ぐ、○○新聞』
どうして外国からメールが来ないかといえば、あなたが外国の見ず知らずの人にメールを送らないからです。インターネットという媒体は、コミュニケーションにおいては新聞に劣る、みたいな言い方はどうかと思うのですが……。
じっと何かを待つだけで動こうとしない、ハエトリグサにも似た民族体質の一端を見たような気がします。
でも、来ますよね? 商用メールですけど(笑)。
《告知》編集後記
にるあぼ編集部 1999年 11月 23日 17時 14分 51秒
最近のバラエティや娯楽雑誌は「悪ノリ」が酷くて見るに耐えません。新人や売れない芸人を捕まえて、馬鹿な格好をさせたり叩いたり蹴ったりして、その様子を見て笑う。一握りに人間が、事情を知らない読者には全く読めない話題で勝手に盛り上がる。ああいった人達の感性は一体どうなっているのでしょうか。
悪ノリというのはつまり「盲人が眼鏡を捜しているというシチュエーションで笑える」「昨日のコンパの公開品評会をする」ということです。
――ライター各位
品性を疑われるような記事は構いませんが、「知らずに」特定の人物・団体を誹謗中傷する内容は自重して下さい。なお、記事に対する責任は全てライターにあり、編集部は一切関知しません(編集部による謝罪や記事削除は行いません)。
自由には相応の代償と責任が伴うということと、この雑誌とて「世界中に繋がっている」ということを決して忘れないで下さい。ワールド・ワイド・ウェッブとはそういうものです。
――読者各位
『ニル・アドミラリ・ブラボー!』掲載記事に関するお問い合わせは編集部へ電子メールにてお願いします。読み応えのある楽しい記事、より深くて為になる記事を目指しておりますが、そうではない記事が掲載されることもしばしばあります。
苦情・意見についてはライターへ取り次ぎます。後の意見交換などは双方で行って頂き、編集部は介入いたしませんのでご了承ください。
――君の感性が未来を作る! さあ、少年よ、鯛塩鮭(たいしおじゃけ)!
(前編集長の言葉)
それではまた。
《連載》『行け! 僕らの宇宙船地球号!』ハッシュドビーフン
鳩羽深弓(もしかしたら妊婦?) 1999年 11月 22日 20時 32分 45秒
『あら? こんな所に牛肉が! タマネギ、タマネギあったわね』
グッモーニン、エブリバディ! アメリカ帰りの深弓です。
先日言っていた『宇宙人様の家』ですが……。行ってきました! なんと宇宙人様の家はアメリカに在ったんです。それも『エリア51』に。
空港に着いたら、なんか黒いスーツに身を包んだSPみたいな人に両脇を固められて目隠しされた日にゃあ、内心ドッキドキでしたが、着いてみたらそこは天国! 砂漠の真ん中にエデンの園が広がっていたのです。まさに失楽園、地に堕ちた天国。草木は生い茂り、牛達は内臓が無いにも関わらず生きているんです。まさにキャトルミューティレーション。
そしてお目通りかなった宇宙人様は、背が高くて恰好良かったの。そう、まさに編集部のV君みたいに。
私決めました。お姉ちゃんには悪いけど、一足早くお嫁に行っちゃいます。だってそうでしょ? もしかしたら私が知らない間に、既にお腹の中には新しい(新種ってことかしら?)命が宿っているかもしれないでしょ? それとも、もう抜き取られたのかしら?
それでは、またね。
《読切》予測――次なる事態
留歩雷太(これ、一般教養です) 1999年 11月 21日 22時 39分 23秒
警官の犯罪、教師の猥褻行為、そして親による幼児虐待。最近になってメディアをざわつかせているこれらの事態には実は共通した原因があるのだが、このことを報じているメディアは少ないように思う。
今回は僕の考えるこれらの原因と、それによって予測される「次なる事態」をここに記しておこうと思う。予言者を気取るつもりはないが、幾らか価値はあるような気がするので。
結論、つまり原因は簡単だ。警官、教師、親、職業にしろ役割にしろ、そのどれもこれも「未熟な人間」「適性のない人間」がやっているからなのだ。
制度として、警官や教師というのは、一定の試験を通過したり必要な経歴を持っていれば誰でも就ける職である。だが、試験を通過した「だけ」の人間が警官だとは、誰一人として認めないだろう。
例えば警官というのは、正義に燃え、悪を憎み、実直で誠実で、人格的に一般以上のものを持っている人間だけに出来る特別な職業である。それが現実かどうかではなく、皆、そう信じていて、一昔前は実際にそうだったのだ。
警官(だけではないが)とは特別な才能が必要な職であり、それに適していない「試験を通過しただけの」人間がやれるものではなく、だからこそ、取り締まるべき立場でありながら犯罪を犯す警官などという愚かな結果となる。
※今現在幼い子供を育てている方、近いうちにそうなるであろう方、以下の文章をきちんと理解して頂きたい。
親というのは子供を外敵から守り、成熟するまで養う(意味は異なるが便宜的に「育てる」もここに含めよう)ための存在であり、これらは本能として脳が刻み込まれている。親個体は子個体を成熟させる、生命の仕組みがそうなっているのだ。親による幼児虐待は明らかに生物として「狂った」状態なのだが、これも「未熟な人間」という観点から解析できる。
世間一般は「親」というものを正しく認識していないと断言する。
「ある個人が親となる瞬間とは、果たしていつか?」
との問いに、皆は間違いなく、
「子供が出来たとき」
と答えるだろうが、そんな馬鹿な話はない。
例えば日本で、12歳の女性が妊娠・出産したとする。彼女は親たりうるか? 経済力の全くない男性が、同じく経済力のない女性との間に子供をもうけ、二人はその子供を養えるか? 答えはNOである。12歳の女性が自分の子供を「外敵から守り」「養う」ことが可能か? 考えるまでもなく、不可能だ。12歳の女性の肉体が出産に十分な機能を有しているとしても、「出産能力」と「親としての能力」は全く別次元のものなのだ。これを決して忘れてはならない。
親になるには「外敵から守り」「養う」能力が必要で、これらは年齢や肉体的成熟だけでは手に出来ない。親には「どうやって守るか」「どうやって養うか」といった「知識」が必要で、これは肉体的成熟によって身に付くものではない。
30歳の夫婦間に子供が出来たとする。皆、二人は親としての役割をこなせるだろうと疑わないだろうが、そうではないのだ。二人に一般の30歳が持つであろう「知識」が欠如していた場合、二人は親という役割をこなしきれない。当たり前だ。
「どうやって子供を育てたら良いのか」とは、純粋に知識である。本能として刻まれているものは余りにも少なく、人間の社会において、本能だけではどうやっても子供を育てきれないのだ。
一般論。妊娠したので子育ての本を読み漁ったり、胎教について勉強したりする。出産後に育児方針を相談する。自分の子供が他よりもハイハイを始めるのが遅いと医者に訴え、そういうこともあると教えられ安心する。
本を読み、学習が終了した段階で始めて「親としての知識(=能力)」を身に付けるのだから、妊娠・出産の段階ではまだ「親たりえない」、にもかかわらず子供を作る……滅茶苦茶だ。自分が親として必要なもの全てを身に付けることが「出来るかどうか」解らない段階で子供を産む? 奇天烈ぶりに寒気すら起こる。
親になることを、日焼けや食事作法くらい簡単なものだと思っているのだろうが、そうではないのだ。親とは、親たる知識や技術を持った特別な存在で、誰にでもなれるものではない。
産んではみたが、とうとう親になれず、果ては幼児虐待。
「産まなければ良かった」との声も聞くが、子供にしてみれば「産んでくれなどと頼んではいない」といったところだろう。
革命的医療技術によりどんな人間でも生き続けられる現代は同時に、生存に適さない人間をも許容している。社会秩序や人間的知識を充分に身に付けていなくとも生き長らえ、子供を作る。そういった人間が親になどなれる筈もなく、歪みが生じるのだ。
あるSF映画にあったが、権力による出産統制が必要なのかもしれない。出産する権利を政府による許可制にし、試験や適性検査を実施する……馬鹿馬鹿しい。
人権の平等、雇用機会均等。しかし、適さないことはある。何事も相応しい能力を身に付け、「それから」にして欲しいものだ。
『予測――次なる事態』
警官、教師、親。まさか、が現実となる今、次は「自衛隊員による犯罪」か?
(留歩雷太)
《連載》RT-FM119「岸里徹のミッドナイト・ミー」
岸里徹(きしり・とおる ハッピー噛む噛む) 1999年 11月 19日 23時 14分 45秒
(ミミミ、ミッナァーイ、ミィー!)
岸里徹のミッドナイト・ミー、こんばんは、岸里徹です。今夜も皆さんに、素敵なひとときをお送りします。
寒い日々が続きますね。夏だと思っていたらあっという間に冬です。皆さんはそんな経験、ありませんか? 今日はそんな曲をお送りします。
今月発売、「Sing me a song」のニューシングル『猿、モンキーから落ちる』です、どうぞ!
〜♪(Sing me a song『猿、モンキーから落ちる』)
さあ、そろそろお別れの時間です。それではまた次回、この時間、この場所で。岸里徹でした。
(ミミミ、ミッナァーイ、ミィー!)
《連載》とっさのひとごと「ワンポイント日本語会話」4
氷野本仁(ひのもと・じん 甘党) 1999年 11月 19日 22時 18分 43秒
(映像。夜更けの繁華街に、土産片手に千鳥足で上機嫌の若欄さん。そこへ困り果てた顔のジムさんが駆けてきた)
ジムさん「助けて下さい」
若欄さん「どうかしましたか?」
ジムさん「気持ち良くなる薬を裏ルートで仕入れたので売りさばいていたのですが、地元マフィアに見付かってしまいました。殺し屋に追われています。死にたくありません」
若欄さん(薬? 殺し屋? そりゃ凄い。助けてくれっていわれても、相手がプロじゃ手の打ちようが無いよ。巻き添えはゴメンだけど、どう云えばいいのかなぁ)
ジムさん「妻と子供が半年前から行方不明です」
若欄さん「ええ、その……、まいったなぁ」
(スタジオ、氷野本仁)
闇世界に顔を突っ込んでボロ儲けを狙ったジムさんですが、分不相応だったようです。ともかく関わりたくない若欄さんですが、上手く云えません。
このような時に使える表現に「それが仕事ですから」、があります。それではスキットをご覧ください。佐久間さん、エルザさん、お願いします。
(路地裏風セット、佐久間とエルザ)
エルザ「助けて下さい」
佐久間「どうかしました?」
エルザ「殺し屋に追われています」
佐久間「それが仕事ですから」
(スタジオ、氷野本仁)
発音です。アクセントは付けず、全体に抑揚なくすると事態のリアリティが増してくれます。伏し目がちで、吐き出すように発音することに注意しましょう。
関連表現に「習うより慣れろといいますし」や「次の機会にお願いします」などがありますので、使い分けましょう。
さあ、若欄さん、今度は上手く云えるでしょうか?
(映像。若欄さんとジムさん)
ジムさん「助けて下さい」
若欄さん「どうかしましたか?」
ジムさん「気持ち良くなる薬を裏ルートで仕入れたので売りさばいていたのですが、地元マフィアに見付かってしまいました。殺し屋に追われています。死にたくありません」
若欄さん「まぁ、それが仕事ですからね」
(おわり)
《連載》リレーコラム『病は気から』
火風水(ひふみ)うらん(サハリン在住) 1999年 11月 19日 17時 46分 32秒
みなさん、はじめまして! うらんです。近頃は大分寒くなって、いよいよ冬本番! といったところですが、みなさんはいかがお過ごしですか? うらんは冬が苦手で、速効で炬燵やら何やらを押し入れから出してきて、既に ♪猫は炬燵で丸くなる〜♪ 状態です。
これから更に寒さが厳しくなると思うと毎日が憂鬱ですが、今日、電気屋さんに行ったら石油ファンヒーターが手ごろな値段で売られていました。む〜ん。いいなぁ、石油ファンヒーターかぁ。よっし! 今度の原稿料で買っちゃおう。
あれ? “石油”ファンヒーター?
大変! アラブのお大尽のところに買いに行かなくっちゃ!
《読切》年間企画第二弾! 『少し良い噺』
江戸屋小犬(浅草新人園芸大賞受賞) 1999年 11月 18日 23時 49分 57秒
ちょっとした傷心旅行をしていた私は、とある田舎街に降り立った。
ぶらぶらと散歩がてらの名所巡りを終えて、旅館への帰路に就く頃にはすっかりと日は落ち、辺りは真っ暗になっていた。
一時間に一本しか通っていないバスに乗ると、年老いた男性が一人屈託の無い顔で微笑んできた。
「どうも」等と愛想笑いを返して、私は一番後ろの座席に腰を下ろした。
バスが街灯も何も無いバス停で止まると、その老人はもう一度こちらを見て頭を下げながら笑顔を覗かせる。
老人がバスを降りて暫くしても一向にバスは発車しようとしない。運転手は唯黙って前方を見ているようだった。
二分、三分と時間が経過しても未だ発車しない運転手に痺れを切らした私は、運転手に尋ねた。
「どうしたんですか? 何かトラブルでも?」
すると運転手は殊更特別な事でもない様に言った。
「この辺りは街灯も無い。だからあの爺さんが暗闇に困る事が無いように、こうやって家に着くまで照らしているんだよ」
「だったら家まで送ってあげればいいのに」
《告知》編集後記
にるあぼ編集長(素直に名乗ることにした) 1999年 11月 18日 22時 33分 46秒
とうとう『ニル・アドミラリ・ブラボー!』も残すところあと半分となりました。読者も増え、評判も右肩上がり、それもこれもライターの皆様のお陰です。今後は記事の充実はもとより、新創刊への検討も同時に行います。
そんな訳ですから当誌に関して要望や意見などありましたら、どしどし送って下さい……電波を。
《連載》とっさのひとごと「ワンポイント日本語会話」3
氷野本仁(ひのもと・じん 割と多忙) 1999年 11月 18日 22時 10分 36秒
(映像。近所の公民館で行われる年一回の健康診断。ソファに腰掛け一息ついている若欄さん。そこへ困り果てた顔のラムさんが近付いてきた)
ラムさん「参りました。もうお終いです」
若欄さん「どうかしましたか?」
ラムさん「健康には自信があったのですが、内臓がボロボロだと云われてしまいました」
若欄さん(ボロボロ? 顔色も悪いし、そうだろうなぁ。元気付けてあげたいけど、えっと、どう云えばいいのかなぁ)
ラムさん「先月、父が肺ガンで死にました」
若欄さん「ええ、その……、まいったなぁ」
(スタジオ、氷野本仁)
自己管理を怠った愚か者のラムさん、体調と共に気分も優れないようです。他人事とは思えないので励ましてあげたい若欄さんですが、上手く云えません。
このような時に使える表現に「人は外見ではなく中身ですよ」、があります。それではスキットをご覧ください。佐久間さん、エルザさん、お願いします。
(ホスピス風セット、佐久間とエルザ)
エルザ「もう駄目です」
佐久間「どうしました?」
エルザ「末期の肝臓ガンを患っています」
佐久間「人は外見ではなく中身ですよ」
(スタジオ、氷野本仁)
発音です。「人は外見ではなく中身ですよ」の「中身」のアクセントを強めると虚脱感を増してくれます。また冒頭の「人は」を力を抜いて発音すると親身に聞こえます。
関連表現に「諦めが肝心です」や「ままならないのが世の中です」などがありますので、使い分けましょう。
さあ、若欄さん、今度は上手く云えるでしょうか?
(映像。若欄さんとラムさん)
ラムさん「参りました。もうお終いです」
若欄さん「どうかしましたか?」
ラムさん「健康には自信があったのですが、内臓がボロボロだと云われてしまいました」
若欄さん「でも、人は外見ではなく中身ですよ」
(おわり)
《連載》『シャングリ・ラララ♪』ひゃうぃ号
鳩羽美咲(いちおう代表取締役) 1999年 11月 18日 21時 48分 15秒
『ヤン・デボンってことかしらん』
ナマシテぇ、鳩羽でしょ。前回が予想外に好評だったので、今回も内輪ネタ、いきます。
表には出てきませんが、にるあぼ編集部のニューフェイス、バイトのV君をご紹介。甘いマスクでにるあぼ女性陣のハートをサルゲッチュな彼ですが、やっぱりそこはにるあぼ、妙な人なのです。
(電話したらV君が応対。打ち合わせを切り上げ雑談を開始)
みさき「ねねね、V君ってば、彼女いるの?」
V君 「いや、今はバイトなだけにフリーです」
みさき「……(石化中)……へぇ。ときにV君、女性のタイプは?」
V君 「えっと、SPEEDとか割とタイプですね」
……わ! わからん!
《連載》メディア批評『プロパガンダラ』復活編
バリー・ゾーゴン(あの件はどうなった?) 1999年 11月 18日 19時 41分 59秒
日本の皆さん、お久しぶりです。バリーです。ただいま空爆中で通信条件が悪く、余り長く話せませんのでさっそくです。
「特命リサーチ200X」
インターネット・セクション。誰でも依頼可能なあれは「特命」ですかね?
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』3
阿波忠志(あわ・ただし インテリコーディネイター) 1999年 11月 18日 19時 19分 01秒
『狭い部屋、狭い心』
狭い日本、そんなに急いで何処吹く風か。こんばんは、阿波忠志です。日本の家屋の狭さは日本人の体型と国土面積に相応との声も聞きますが、諸外国から見るとやはり「うなぎの寝床」……もとい、「うさぎ小屋」だそうです。
起きて半畳、寝て一畳、そんな慎ましやかな生活はしかし人格形成において少々問題があるようです。
夫婦と小学生の男女二人というごく平凡な家族がありました。郊外に狭い、それでも愛しい我が家を構える、中流の一家です。
ある休日、この家族は海水浴へ出掛けました。夫婦共働きという事情もあり、子供たちは久しぶりの行楽に大変喜び、また夫婦も上機嫌です。そこが穴場的な海水浴場だったこともあり人も少なく、家族はゆったりとした時間を堪能しました。
さて、そろそろ日も傾き家族は帰り支度を始めました。広げたパラソルをたたみ、ゴミを集め、父親はキャーキャーと騒ぐ子供を呼びました。と、砂浜を見た父親は呆然としてしまいました。
砂浜の上に子供たちが刻んだ無数の足跡、それが何と「四畳半」の範囲にしかなかったのです。そう、子供たちは普段生活している広さでの行動が体に染み付き、延々と広がる砂浜においてもたった四畳半の範囲でしか動けなかったのです。
こういったことが実際にあります。
ワンルームマンションと呼ばれる空間があります。景気華やかなり頃に林立した、都市圏での生活空間です。私も若い頃、これのお世話になりましたが、音{ね}を上げてしまいました。
寝室と居室を同一空間でまかなうことにはさまざまな無理があります。テレビをはじめとしたオーディオ機器の僅か数メートルで眠れるのは、鈍くて図太い若者だけです。電源ランプの瞬きは大した明るさです。酷い間取りだと枕元から冷蔵庫が見えたりしますが、冷蔵庫の駆動音というのは想像以上に大きく、それほど神経質な人間でなくとも眠れるものではありません。
手足を動かす範囲は、生活空間の必要広さとイコールではありません。六畳一間でも暮らせそうですが、実際は圧迫感を感じるでしょう。毎日毎日同じ壁、同じ天井を眺めていると、余りの変化の無さにウンザリしてしまいます。これに耐えられるのは帰って寝るだけ、という生活スタイルの人間にのみです。
行動範囲と生活範囲の違い、これは人間が空間を視覚によって捉えていることに起因します。逆をいえば、視線が飛ぶような長さを空間に持たせることが出来れば、六畳一間もまた快適になるのです。とはいっても、バルコニー外に澄み切った空や水平線でも望めればですが。
皆さんの中には「そんな事を云っても、広い部屋になんて簡単に住めない」とおっしゃる方もいるでしょうが、それは残念ながら情報不足です。賃貸物件の場合、鉄筋コンクリートのワンルームと、木造の2LDKはほぼ同じ家賃になります。駅から徒歩5分などという奇天烈な立地条件を望まない限り、グレードを下げれば広さを手に入れることは簡単です。
一般に、住まう場所は商業領域から遠ざかるほどに快適性を増します。コンビニエンスストアや駅を重視する余り、騒がしくて落ち着きの無い地域に住みつくと、後で泣きを見るでしょう。
さあ、狭苦しい穴蔵を出て、まっとうな生活をしましょう。
(おわり)
《連載》とっさのひとごと「ワンポイント日本語会話」2
氷野本仁(ひのもと・じん 二児の父) 1999年 11月 18日 12時 57分 59秒
(映像。アルプス山脈をひた進む若欄さん。ブリザードに遭遇し視界もままならない若欄さんに、困り果てた顔のサムさんが近付いてくる)
サムさん「すみません」
若欄さん「はい、どうかしましたか?」
サムさん「下山したいのですが道が解りません。どうしたら良いですか?」
若欄さん(下山? この吹雪じゃ歩けないし、ビバークするのが妥当だろう。えっと、どう云えばいいのかなぁ)
サムさん「食料は3日前になくなりました」
若欄さん「ええ、その……、まいったなぁ」
(スタジオ、氷野本仁)
神々の座の前にひれ伏したサムさん、諦めて下山したいのですが天候が悪く無理なようです。危険が伴うのでビバークを薦めたい若欄さんですが、上手く云えません。
このような時に使える表現に「迷わず進みなさい」、があります。それではスキットをご覧ください。佐久間さん、エルザさん、お願いします。
(山岳風セット、佐久間とエルザ)
エルザ「すみません」
佐久間「はい」
エルザ「道に迷ってしまいました」
佐久間「迷わず進みなさい」
(スタジオ、氷野本仁)
発音です。「迷わず」の「ま」のアクセントを強めると威圧感を増してくれます。また語尾の「なさい」は、吐き棄てるように発音するとやけっぱち感が出ます。
関連表現に「自分を信じなさい」や「あなたは一人ではありません」などがありますので、使い分けましょう。
さあ、若欄さん、今度は上手く云えるでしょうか?
(映像。若欄さんとサムさん)
サムさん「すみません」
若欄さん「はい、どうかしましたか?」
サムさん「下山したいのですが道が解りません。どうしたら良いですか?」
若欄さん「大丈夫、迷わず進みなさい」
(おわり)
《連載》とっさのひとごと「ワンポイント日本語会話」1
氷野本仁(ひのもと・じん 室蘭工科大学非常勤講師) 1999年 11月 17日 19時 17分 39秒
(映像。休日、昼下がりの公園。若欄さんはベンチで週刊誌を読んでいる。そこへトムさんが困った顔で近付いてきた)
トムさん「すみません、ちょっとよろしいですか?」
若欄さん「はい? どうかしましたか?」
トムさん「自動販売機でコーヒーを買ったのですが、冷たいコーヒーが出てきました」
若欄さん(ああ、ボタンを間違えてしまったのか。お店なら交換してもらえるけど、自販機じゃあ無理だなぁ。えっと、こんな時はどう云ったらいいんだっけ……)
トムさん「暖かいコーヒーだと体が温まります」
若欄さん「ええ……ボタンがね……ああ、その……。まいったなぁ」
(スタジオ、氷野本仁)
トムさんは暖かいコーヒーを飲みたかったのですが、どうやら自動販売機のボタンを押し間違えたようですね。困り果てたトムさんに、若欄さんは諦めるしかないと説明したいのですが、上手く言葉が浮かびません。
このような時に使える表現に「世紀末ですから」、があります。それではスキットをご覧ください。佐久間さん、エルザさん、お願いします。
(屋外風セット、佐久間とエルザ)
エルザ「すみません」
佐久間「はい」
エルザ「暖かい飲み物を買ったつもりだったのに、冷たい飲み物が出てきました」
佐久間「世紀末ですからね」
(スタジオ、氷野本仁)
発音です。「世紀末ですから」の「紀」のアクセントを強めると緊張感を増してくれます。また語尾の「ですから」は、溜め息のように発音すると悲壮感が出ます。
関連表現に「2000年問題は深刻ですからね」や「時代が変わる時、情勢は乱れるそうですからね」などがありますので、使い分けましょう。
さあ、若欄さん、今度は上手く云えるでしょうか?
(映像。若欄さんとトムさん)
トムさん「すみません、ちょっとよろしいですか?」
若欄さん「はい? どうかしましたか?」
トムさん「自動販売機でコーヒーを買ったのですが、冷たいコーヒーが出てきました」
若欄さん「ああ、世紀末ですからね」
(おわり)
《連載》『それ気のせいですよ』特別編
怺無二州徒(こらむ・にすと) 1999年 11月 15日 22時 54分 09秒
こんにちわ、お初にお目にかかります。怺無二州徒です。今日は留歩雷太さんにお許しを(ここで)得てお話させていただきます。
最近、テレビ番組の特集で世の17歳に焦点をあてた番組を見た。しかし、その中で特に失笑を禁じ得なかったのが、人気ポップバンド(決してロックではない)のコスプレをして、休みの日などに街に繰り出す女の子の話である。同じ様な恰好で集まった人々を『友達』と呼称してワイワイ言っているのだ。私はハテナ? と感じていたのだが、次の一言で思わずテレビに「オイオイ」とつっこみを入れてしまった。
「(ここで作った友達は)学校の友達とは別。私が自由になれる場所は沢山あってもいいと思う。私は私なんだから」
をい。コスプレしてる時点で、それはもう誰かのものまねだぞ。
《連載》『シャングリ・ラララ♪』ひろみ号
鳩羽美咲(斗うライター) 1999年 11月 12日 23時 58分 14秒
『シュシュッシュー』
グーテンターク、鳩羽かな。今回は珍しく内輪ネタです。
こないだ久しぶりに編集部にお邪魔しました。そこで、えるちゃん(占いの漕戸える子女史)を見かけたので捕まえて無駄話を展開。いかつい編集長、せわしない編集面々を尻目に、私達二人は『仮面ライダー』の話題で盛り上がりました。私の次くらいにグラマラスなプチプチギャルのえるちゃん、実はテレビっ子なのです。
みさき「へぇ、えるちゃんブラックのファンなんだ。私は断然ストロンガーだね。やっぱりエレキっしょ」
える子「え? それってカブトムシみたいな奴ですよね。あたし、どうも虫は苦手で……」
えるちゃん! 仮面ライダーはぜんぶ虫だぞ! それと「科学忍法」はキャプターじゃなくてガッチャマンだぜ。キャプターは「現代忍法」。って、あんた、年代ずれまくってるよ。
《連載》シリーズ・民族論 ジャポン編「児童虐待と教育水準」
留歩雷太(憤慨モード) 1999年 11月 12日 23時 54分 29秒
児童虐待に関する特集番組を観た。現在、日本では児童虐待の件数が急増しているそうだ。
児童虐待に対応する公的機関「児童相談所」は、児童福祉法による強力な権限を持っている。家屋への立ち入り調査と、児童の一時保護などである。だが、実状は親の持つ法的権限である親権との対峙により殆ど機能していない。
親権に属する権限の中に懲戒権{ちょうかいけん}というものがある。これは親が自らの子供に対して「しつけ」であれば暴力を振るうことを認めるもので、先進国では珍しい権限である。児童を暴力を振るう親から救うには保護施設へ預けることになるのだが、この最終決定権は家庭裁判所にあり、児童相談所にはない。親と児童相談所との間には家庭裁判所が介入するのだが、その際に親権が尊重される余り、児童への虐待を阻止できず、最悪のケースでは死に至る。
児童相談所はその権限の行使に際し法的根拠を必要とする。だがしかし暴力としつけの違いを客観的に証明することは難しく、実際、親がしつけだといってしまうとそれを覆すことは困難である。
以上が番組で報じられていた内容なのだが、この現状に対して僕は激しい憤りを感じた。児童相談所がその持てる「力」を使い切れていないのはこの場合仕方がない。なんといっても日本は法治国家である。とはいっても、救える力を持つのにそれを使えないことは、その力を持たない僕からすると残念で仕方がないのだが。
だが、なにより虚しいのは児童虐待の根本的原因が、それを行う親の教育水準の低さにあることだ。幾つかのケースが報じられていたが、そのどれもこれもが俗で無知な親であった。あるケースでは父親が虐待を行っていたのだが、それに至る原因が何とリストラへの焦りであった。彼はある町工場に勤めているらしいのだが、そこからリストラされるとなると彼がいかほどの人間か見て取れるのだが、その行動原理はもはや中学生である。
虐待を受けていたのは生後間もない子供だった。小児病院に運ばれたその子供は虐待により四肢の関節が動かなくなっており、診察した医師も驚いていた。虐待による度重なる骨折と復元により骨格が歪んでいたのだ。そのレントゲン映像は正視に堪えない、悲惨なものだった。
幼い子供に対して暴力を振るうという行為がどれだけ馬鹿げているかは語るまでもない。誰かに教わるまでもなく、まっとうな人間は決してその様なことをしない。一定水準の人間的教育を受け、「普通の」価値観を持っているものは、児童虐待など決して行わないのだ。それを行う彼らは、無知か、或いは壊れているか、そのどちらかであり、もはや人間ではなく単なる動物以下である。
そういった輩に親権などと称して力を与えてしまう日本の法体系は、一刻も早く見直すべきであろう。
なにより、子供を産み、育てるという行為がどれだけ重大で大変なことかを再認して欲しい。若気の至りなどで育てられるほど、子供は単純ではないのだ。人間の子供というのは、観葉植物でもペットでもないのだ。教育水準が低いといっても、せめてそれくらいは知っておいて欲しい。
日本では人口に対する出産件数が年毎に低下しているらしく、これは唯一の救いかもしれない。
《連載》『今週の星座占い』得る鳥産む号
保志宇良祢(ほしうらない(私が本家)) 1999年 11月 10日 21時 42分 51秒
☆牡牛座のあなた☆
鋭利な刃物に注意が必要。特にサーベル状の物に気を付けて!
それにマントは危険信号。迂闊に近づくと銀の矢が飛んでくるかもしれません。
アンラッキーアイテム――ビッグライトと(歌が下手ないじめっ子の)強肩
☆天秤座のあなた☆
優柔不断が顔に出てるタイプのあなた。はっきりとした意思表示をしないとあなたの役目は果たせませんよ。重いのか、軽いのかをはっきりと!
アンラッキー観光名所――ピサの斜塔
☆射手座のあなた☆
いわれの無い不運に見舞われるかもしれません。それはあなたが中心にいるのが原因です。これはもうどうしようもありませんね。あぁ、もうすぐ臨界点を突破します。さようなら。
アンラッキー哲学者――カルネアデス
《連載》『行け! 僕らの宇宙船・地球号!』ハトが怖くてど〜するの?
鳩羽深弓(おば〜ちゃんといっしょ) 1999年 11月 10日 20時 09分 17秒
ジャンボ! 鳩羽深弓でぇす。んもう、お姉ちゃんズルイ!! 『にるあぼ』創刊の事を今迄黙っているなんて! ひどいと思いません? みなさん! これはアタシに対するイジメですね。もう、幾らアタシが宇宙人様とラブラブだからって、こんなひどい事しなくてもいいのに……。
そうそう、報告が遅れましたけれど、アタシは今、宇宙人様とお付き合いしているんです。といっても、相変わらずやり取りはパソコンだけですけれども、何と! 今度宇宙人様と会う事になったんです。それも宇宙人様の家に招待されたんですよ。もう、今からドッキドキです。
宇宙人様の家って何があるんだろう? やっぱり、某『マーズアタック』みたいに人間と犬の首が挿げ替えられる機械とかあるのかな? みなさんはどう思います?
それでは次回、『宇宙人様の家、大公開』の巻をお楽しみに!!
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』2
言語道断(いわかた・みちたち 他営業) 1999年 11月 09日 23時 04分 21秒
――犯人は誰だ?
「最近の若い者はテレビゲームばかりで外で遊ばなくなった」
「テレビゲームを作ったのも遊ぶ場所をなくしたのも、あんたらだよ」
「最近の未成年犯罪は悪質極まる」
「その未成年を生んで育てたのは、あんたらだよ」
《読切》ビギナーズ・ラック!(ネット初心者へのアドバイス)
留歩雷太(るぽ・らいた) 1999年 11月 09日 19時 30分 28秒
「メール・掲示板における紛争回避について」
昨日、某有名サイトの文学掲示板のログを大量に読んだ。以前、別の文学サイトにおいて論争の末、裁判沙汰にまで発展した掲示板ログを読み、それを僕なりに分析したことがあるのだが、それと同じ事がこの掲示板でも起こっていた。
掲示板での議論において、激化し論点がずれてイザコザが発生するのは、一般に「一部の」思慮の浅いものや確信的愉快犯によるとの結論が出ているようだが、前回及び今回の閲覧で僕は別の結論を導き出した。誤解や曲解の原因は全て、書き込み文章への「統語法的解釈」によるようだ。
間抜けな言い訳で恐縮だが、以下の文章における言語学的な解説は、僕の知識不足により余り信頼性が高くない。それを踏まえた上で読んで頂けると幸いである。
統語法的解釈とは、文章中の単語の意味の全てを、辞書に掲載された意味「のみ」で理解し、更に文章や文脈を文法解釈「のみ」で理解しようとすることだ。統語法による意味解釈は、長文などでは何ら問題無い。また、公文書や法文などにおいて統語法的解釈は必須であり、それ以外での意味解釈は信憑性が薄いとすら考える。だが、インターネットの掲示板に書き込まれる文章は、統語法には余り向いていないようだ。
統語法の弱点は、代名詞や比喩的表現を多用した短文を的確に翻訳できないことにある。言語によるコミュニケーション、つまり会話において、発言された内容は発言者の属性や場所などに大きく左右される。全く同じ文章でも、それを発したものや発された場所が違えば、意味が異なることがあるのは良く知られている。また、代名詞や比喩は、前後の文章によって補完される性質のものであり、これはある文章が前後の文章によって意味を変えることを指す。
さて、掲示板や電子メールでの文章は、パソコン通信での技法を継承し、相手の発言の引用を多用する。
>お元気ですか?
はい、元気です。
この「>**」は、ある者が発した「お元気ですか?」という言葉に対し、これから発言する(返答する)という意味で、パソコン通信・チャットなどの「同時多数」のコミュニケーションの場において使われるものである。複数の発言のうち、どれに対して返答するのかを明確にするためのものだが、これには意外な落とし穴がある。
発言の一部のみを抜き出すことにより、前後の文章があって初めて完結する発言の意味を変えてしまうのだ。返答者は、ある発言の「全体」に対してではなく、引用した部分のみに返答するのだ。引用した部分へ「統語法的解釈」をし、その解釈に対して返答するのである。そして、これが「揚げ足取り」「重箱の隅を突付く」であることに気付かないのだ。
例を示してみよう。
*******************************************
「発言1」A氏
昨日久しぶりに映画を観ました。○○というアクションSFですけど、皆さんはご存知ですか? しかし、最近の邦画(特にアクション)は面白くないですね。どれもこれもハリウッドに影響されていて、でもハリウッドほどの予算はなく、結局中途半端になっているようです。セットなどの造りが荒く、また最近流行のCGも日本人が作ると「いかにもCG」という感じがして、興醒めしちゃいます。
邦画の監督にはもっとプライドを持って欲しいですね。邦画にはハリウッド映画にない良さがあり、それを観たいから足を運ぶんです。ハリウッドの真似などせず、邦画の良さを追求して欲しいです。
「発言1への返信」B氏
>日本人が作ると「いかにもCG」という感じがして
そんなことはないですよ。日本のCG技術はアメリカなどに決して負けていないと思います。CGの塊ともいえるゲームでは、日本は世界有数の技術を有しており、その評価も決して低くないですよ。最近発売された○○というゲームは、国内はもとよりアメリカでも大絶賛だったようですから。
「B氏への返信」A氏
>アメリカで大絶賛
アメリカでの評価を鵜呑みにするのは日本人の悪い癖ですよ。アメリカがCGの最先端だということは事実ですが、アメリカで大絶賛であるとは「アメリカ人好み」という意味であり、そのまま日本で通用すると考えるのはどうでしょうか。
「A氏への返信」B氏
>アメリカで大絶賛であるとは「アメリカ人好み」という意味
そうはならないんじゃないですか? 評価を与えているのはアメリカの「技術者」であり、技術者は純粋に技術のみを評価します。それがたまたまアメリカ人であったというだけです。僕はアメリカでの評価を鵜呑みにしたりしません。Aさんがどうかは知りませんがね。
(このログは創作です)
*******************************************
いかかだろうか。誇張はあるが、どこの掲示板もおおよそこのような流れである。第三者として読めば滑稽でしかないのだが、当事者にはそれが解らないのだ。相手の発言を引用して返答する際に、「全体の」意味を踏まえた上で返答すれば何ら問題はないのだが、決してそうしないのが掲示板の面白いところである。だが、これには理由がある。
掲示板での発言への返信は「賛成」か「反対」のどちらかである場合が多いのだが、賛成か反対かを決めるのに、発言内容ではなく、全体の(文体の)「雰囲気」を拠り所にしているふしがある。発言での「結論」ではなく、発言そのものの持つ雰囲気である。賛成は良いとして、問題なのは反対の場合だ。
反対意見を書き込む者の心理は、「偉そうで気に食わない言い草だ、反論してやろう」という場合が多い。彼(とする)は反論するために反論の材料を探すのだ。引用する部分は「反論可能な」部分であり、それがその発言の「中心部分かどうか」は問題ではないのだ。反論されてもそれが発言に無関係であれば無視するのが最善なのだが、それが出来ないのが悲しいところだ。誰だって濡れ衣を着せられて黙ってはいない。そうこうするうちに誹謗中傷合戦となり、収拾がつかなくなる。
発言者が戦術として「撤退」を持つ懸命な人であれば、事態はそれほど深刻にはならないのだが、掲示板という「匿名性の高い場所」においてその戦術を使う必要に迫られることは余りない。いざとなればトンズラが可能だからである。
以上は、電子メールにおいても同じである。不愉快なメール(商用ではないもの)の殆どは、不適当な引用よる曲解がある。さて、僕からささやかなアドバイスを。
「掲示板やメールでは、引用の使用は最低限にしましょう」
掲示板などの複数同時な場であっても、特定の発言に返信したいのであれば「○○さんへ」と一言つければ事足りる。引用などなくともコミュニケーションは成立するのだ。知人・友人とのコミュニケーションでは、相手の「発言傾向(真意)」が解るので問題無いが、見ず知らずの人の発言の「真意」を見極めるのは思う以上に難しく、それを実につけるまでは、見ず知らずの人の「発言部分」を安易に引用するのは避けよう。思いやりやネチケットではどうにもならないことは無数に存在するのだから。
(おわり)
《読切》イッツショータイム
内山光良(ウーチャンナンチャン) 1999年 10月 30日 20時 20分 03秒
ハ〜イ! グッモーニンエブリバディ! キョウハ、トッテモないすナあめりかんじょーくヲオオクリシマ〜ス。
とある田舎町での出来事。二人の酔っ払いが夜空を見上げて何やら口論しています。
「何言ってんだよ! あれは月に決まっているじゃあないか!」
「お前こそ何を寝ぼけた事を言っているんだ? あれは太陽に決まっているじゃあないか」
「月だよ!」
「太陽だ!」
そこへ一人の警官が通りかかりました。
「よし。じゃああのおまわりに聞いてみようじゃあないか」
「良いだろう」
「もし。あの空に輝いているのは月ですか? それとも太陽ですか?」
「え? 申しわけにない。私はこの辺りの者ではないのでわかりません」
ハッハッハ! べりーないすネ。デハマタドコカデオアイシマショウ。
《連載》リレーコラム『それ、気のせいですよ』1
あんでる先生(愚理夢のライバルらしい) 1999年 10月 30日 07時 56分 11秒
『序文』
はじめまして、あんでるです。もっぱらオンラインで自作を発表している、素人作家の一人です。本業(農業)を楽しくやっており、暫くは今のスタンスを維持しようと思っているのでプロ志望ではありませんが、今回、小説・執筆に関するコラムを書くことになりました。よろしく。
さて、これまで私はオンラインで作家の真似事のようなことをやってきました。書き上げた小説を自分のホームページ(編集部註:現在は閉鎖)に掲載し、創作小説サイトで宣伝や転載を行い、それに関して電子メールや掲示板で第三者との対話を行ってきました。俗にいう感想や意見交換です。
ですが、それら全てに対して私はある疑問を抱きました。その疑問の正体が何なのか、今回はその答えを探ってみましょう。
結論の前に復習をしばし。
『実際は……』
創作小説サイト(個人を含む)において、素人作家(プロ志望ではない、趣味の作家をも含む)同士の意見交換や感想は、公開された作品と並ぶほどの地位と価値をもっているようです。HP冒頭に刻まれた「読んで下さい」という訴え(笑)は当然だとしても、どこもかしこも「感想を下さい」或いは「感想を書くべきだ」という言葉で溢れかえっています。ですが、皆さんのやり取りしている意見や感想は、私からはひどく的外れに見えました。
ちなみに、何故意見や感想を欲するのかについては、それはもはや本能に属する欲求である、とだけ記しておきます。これに関しては別の視点による論述が必要ですので……。
『意見』
創作小説サイトの掲示板で、執筆に関する技術を論じていることがあります。つい最近見かけたものは、物語中で登場する「造語」への解説をどのように扱っているか、というものでした。質問(?)が掲示板に書き込まれ、それに対して幾つかの返答があったようです。
そこに寄せられた答えは「極力、造語の使用を避ける」や「冒頭で丁寧に説明する」などでした。私はその質問と答えを見た瞬間に眉をひそめました。これは、一見すると創作小説サイトらしい質問と答えなのですが、私はこれをどうしても「作家」同士の会話とは認識できなかったのです。何故そんな会話を行っているのか、いえ、何故それを行う「必要が」あるのかがどうしても解らなかったのです。
造語の扱いなどはケースバイケースで、他人に聞くものではない、との持論もあるのですが、もう一つ決定的な原因がありました。
『感想』
送られてくる感想についてです。私の長篇や短篇を読み、それに対して「面白かった」以外の感想がつづられていることも幾つかありました。送られた当初は喜びもしましたが、今となってはその殆どに対して何の感情も抱きません。ですが、何故わざわざ送られてきた感想の価値が時間の経過によりそこまで落ちてしまったのか(送ってくれたことには感謝していますが)については、それほど明確に結論付けていませんでした。
『結論』
さあ、余りじらしても仕方がないのでそろそろ結論を述べましょう。
『作家同士は発表した物語の「テーマ」について意見を交換する筈であり、それ以外の意見などそもそも存在せず、ないものを送ったり交換することは出来ない』
読者と作家の交流は、物語への賛辞やそれぞれへの励ましなどに終始します。他に交わす言葉がないからです。ですが、作家と作家は違います。作家とは、ある思想(考え方)を物語に仕立てて世に送り出す職業(?)であり、または物語とは作家の思想そのもの(の断片)です。
何故作家が物語を書くのかといえば、彼、彼女はそれを発言するという欲求や使命感を抱いているからです。ならば、作家が物語について発する意見・言葉とは、当然、物語中で語られた「テーマ」に関するものでしょう。
『具体例』
戦争の愚かさを執拗なまでに描いた作家がいたとして、その作家が何らかの意見交換を行うとすれば、それは「戦争」に関する意見以外は有り得ないでしょうし、それ以外のものに関する意見(例えば文体やページ数)などは興味もないでしょう。
私が尊敬するあるプロ作家は、同時期にデビューしたライバルを持っていました。彼らはお互いを磨きあっていたそうです。さて、この二人が言葉を交わしていたとして、それが「奇麗な文章とは」だったり「造語の数について」だったり……する訳がありませんね。
想像ですが、きっとこんな感じでしょう。
「あなたは○○という作品において人類の文明を××と捉えているが、私はそれには賛同しかねる。だが、彼らの行った新しい形のコミュニケーションについては、大変興味を持った。私の作品◇◇では人類を△△として描いているのだが、良かったらあなたの意見を聞かせて欲しい」
作品の冒頭や末尾に「感想を下さい」と書いていた場合、著者が送って欲しい感想とは「物語の主題に関する」感想であり、文字列そのものについてではありません。「面白かったです」「きれいな文章ですね」「独創的な世界ですね」、感想と呼ばれるものに多く見られる定型文です。その作品がきれいな文章「のみ」を研究・追求して綴られた物語であれば文体への感想は意味を持ちますが、そんなことはまずないでしょう。
友情の素晴らしさを描いている物語であれば、作者が抱いている意見とは「友情のありかたについて」「友情とは?」といったものであり、作者は「友情」について語りたいと思うでしょう。
『小説とは?』
小説を書き、小説を読み、交わす言葉が「小説について」では、マーケティング論かメディア論です。作家は文字によって表現した「思想」について意見を持っているのであり、磨いたり高めたり交わしたりする対象とは、その「思想」なのだとそろそろ気付かなければ、インターネットと呼ばれる「デジタルコミケ」の淀みは増すばかりでしょう。
蛇足ですが、作家同士が言葉を交わそうと思ったら、それぞれの文章を読み、相手の思想を知ることが大前提です(オンラインでは、です。顔を合わせることが可能なら、これがもっとも理想です)。仮に「コミュニケーション」を欲するのであれば、まずはそれに値する相手を見付けることが先決です。
また、だれとでも交わせる会話とは、前述の「小説(という媒体)について」の域を出ず、そんなこんなは退屈で無意味で、思う以上に危険なのです。そういう「作家ごっこ」は程々にしたほうが良いと私などは思うのですが……。
『付記・コミュニケーション』
といっても、言葉を交わすに「値する」相手を見付けることは、そう簡単ではありませんけどね(笑)。これについては助言があります。
日本人は対話において、知識をひけらかす、自慢する、偉そうに振る舞う、相手をおとしいれる、というように、他者に対して上位を得る言動を「知らずに」やる癖をもっています。また、助言を求める、へりくだる、誉めちぎる、のように自らを「必要以上に」下位に置く癖もあります。
この両極端な性癖がさまざまないざこざを起こす、そう断言できます。ならばどうすれば良いのか? 答えは簡単です。
常に「対等」であることを意識し、しかし決して「礼節」を軽んじないことです。対等は「なれなれしさ」ではありません。また、礼節は「へりくだる」ことではありません。これらを間違わないように注意すれば、対話は楽しく、実のあるものになる可能性が高くなるでしょう。
(おわり)
《連載》える子の部屋〜今朝の運勢
漕戸える子(地層占い師) 1999年 10月 27日 02時 31分 01秒
『大吉のあなた』
好調です。そのままを維持しつつ、うまい具合にやればOK。
死後硬直に注意。
ラッキー海溝はケルマディック海溝。
ラッキー拳銃はH&K・P7M10
『中吉のあなた』
悪くありません。向上心は大切ですが、野心は禁物です。
株価暴落に注意。
ラッキー産業は鉄鋼。
ラッキー幕府は室町幕府。
『小吉のあなた』
程々です。危機管理と健康に注意しましょう。
別件逮捕に注意。
ラッキー部族はグルカ族。
ラッキー戦術戦闘機はEA−6Bプラウラー
『小凶のあなた』
ちょっと下降気味。でも、努力すればどうにかなります。
不当解雇に注意。
ラッキー魚はめばる。
ラッキー時代は白亜紀。
『中凶のあなた』
芳しくありません。前向きさとひたむきさを忘れずに。
条約破棄に注意。
ラッキー国家はグアテマラ。
ラッキー大臣は通産大臣。
『大凶のあなた』
最悪です。占いなんて信じない方が良いですよ。
絨毯爆撃に注意。
ラッキー気候はサバナ。
ラッキー言語はタガログ語。
《連載》編集後記
Mr.BRAVO!(表記をワールドワイド化した編集長) 1999年 10月 26日 23時 07分 09秒
どうも、たまに登場する編集長です。『ニルアド』時代のライターのお一人(待機中)から、当誌『ニル・アドミラリ・ブラボー!』の愛称(略称)を『ニル・ア・ボ』にしたらどうか、との意見を頂きました。……いや、何だか「あ・ぼ」ってのがどうも……ねぇ?
《読切》創刊記念・読者プレゼント企画(3)
談合三兄弟・三男(みんなやってるよ) 1999年 10月 26日 23時 06分 04秒
「ダウトクイズ! 間違いを探してサイパン旅行にレッツゴー!」
実は「読者プレゼント企画(1)」のなかに一つだけ間違いがあります。解った方は、官製はがきに、クイズの答えと、住所、氏名、年齢、性別、職業を伝えて下さい。厳選な抽選の上、一名様に、「JAROで行く〜魅惑の島、サイパン7日間旅行〜」がお似合いです。
なお、発表は発想をもって代えさせて頂きます。
《読切》創刊記念・読者プレゼント企画(2)
談合三兄弟・次男(固くなりました) 1999年 10月 26日 23時 04分 39秒
「クイズに答えて五千円分の図書券をGODしよう!」
クイズの答えと、住所、使命、年齢、性別、職業と、本誌へのご意見などを書いてください。抽選で5名さまに、全国の書店で使える図書券五千円分をプレゼントしてみたいものです。
※次の言葉の○部分を埋めて下さい。
『○○○○○○○わ○○○○○○』
(ヒント:え? なんですって? もう一度いって頂けますか?)
《読切》創刊記念・読者プレゼント企画(1)
談合三兄弟・長男(すぐに仲直り) 1999年 10月 26日 23時 03分 24秒
「モニター募集のお知らせ!」
オンラインマガジン『ニル・アドミラリ・ブラボー!』の創刊を記念して、モニターを募集します。対象は以下の5つです。
・15インチCRT
・17インチCRT
・9.5インチDSTN
・10.4インチTFT
・150メガトンTNT
※各一名さま限り
「生まれてこのかた、私はブラウン管だ」という方、「実は僕、液晶なんです」という方、お便りをお寄せ下さい。当選されたモニターの方には「今こそ語る、人間社会で暮らす機械の気持ち」と題したレポートを提出して頂きます。
《連載》『シャングリ・ラララ♪』脳散らす号
鳩羽美咲(落研(スカイダイブ)) 1999年 10月 25日 19時 02分 24秒
ヴェーナスノーチェス、鳩羽だね。さて今回は、オフィスみさきプレゼンツ! コメディー決定版だ! チェキラゥ!
『天高く……』
「クイズだよ。嫁に食べさせない、秋に美味しい事業団ってなーんだ?」
「う〜ん、難しいなぁ……あ! 解った! なすだ!(NASDA)」
『〜夢にまで見た〜』
(^O^)「――さあさあ皆さん、遠慮なさらずどうぞ」
(゚o゚)「わぁ、奇麗なお部屋! フローリングよ」
(^.^)「まぁ、出窓! 溜め息でちゃうわぁ。都心に一戸建てだなんて」
(^_^)「それも新築。羨ましいわねぇ」
(^O^)「ほほほほほほ、いえいえ、それほどでもなくてよ」
(・_・)「あら? キャサリンさん、どうかしまして?」
(@_@)「オウ……ナンデモアリマセーン」
(・_・)「ほんと、顔が真っ青よ。どこか具合でも?」
(・_・)「大丈夫かしら? 寝室で横になったらどお?」
(@_@)「ノープロブレム、イツモノコトデース」
(・_・)「いつも?」
(@_@)「イェス。ワターシ、チョトダケ、ヘイショキョウフショウナノデース」
(-.-)「……へいしょ、きょうふしょう?」
(+_+)「…………閉所、恐怖症」
(T_T)「………………閉所」
《連載》『シャングリ・ラララ♪』蔵出し号
鳩羽美咲(従軍○○婦(!)) 1999年 10月 15日 20時 34分 15秒
「メディーック!(衛生兵!)」
ヴォンジョルノぉ、鳩羽でぃす。ところで、皆さんは平和ですか? 空爆とか、受けてませんか? さて今回は、こないだ体験したミリタリックな出来事です。
オフィスみさき、月一回の定例打ち合わせを終え、怒涛の人波を掻き分けて地下鉄新橋駅に向かっていた時のこと。鳩羽の前方には数分前から若いカップルが歩いていました。どちらも茶色い長髪で、その警戒色バリバリのファッションは目に痛く、ピアスやらネックレスやらのオンパレードは、まるで何処かの部族を思わせました。
と、信号待ちで立ち止まり、二人の話し声が聞こえたのですが、何とその彼氏は軍人様で! しかも彼女はその上官様だったのでした!
(録音テープ)
♀「――あっそぉ、で? アンタどうしたの?」
♂「えぇ? だからサー、いってやったんだよ、俺はサー……」
おおぅ! 人を見掛けで判断してはいけませんよ! 皆さん! アイゲッチューサー!!
《連載》『シャングリ・ラララ♪』新連載・ご挨拶号
鳩羽美咲(移籍したの) 1999年 10月 14日 23時 21分 17秒
「第一印象が悪いのよね」
アンニョぉ〜。沈む船から逃げ出した、ネズミ娘の鳩羽です。ここ『ブラボー!』では、不定期でコラムとかエッセイとか書きますので、よろしく。
さてさて、宇宙人様との日々の攻防の甲斐あって、わたくし鳩羽もパソコンやインターネットに随分と慣れました。見ず知らずの人にメール送ったり送られたりなんてレボリューションなこともやっております。今回はそのメールについて、ちらほらと。
あれってばハイテックな「手紙」ですよね? っちゅうことはやっぱり、マナーとかは手紙と同じなのが理想。先日、面識のないヒトからメールを頂いて、そのメールの件名が「RE:〜(こちらの送った件名)」ってなってたんですが、あれって結構「ヤ」じゃあないですか? 相手は別に深い意味を込めている訳ではないんでしょうが、「件名考えるのもダルい」「そもそも返信面倒」って感じで、だったら送ってくんなよ、ってなフィーリング。プレゼントを新聞紙でラッピングしてるみたく、個性も味気もあったもんじゃない。
脳みそ化石なヒトは「ワープロは心がこもっていない」とかいうけど、それに近いのかな? ……いや、若いのよ、まだ。
《告知》ブラボー!
ミスター・ブラボー(編集長) 1999年 10月 14日 22時 14分 07秒
満を持して、オンラインマガジン『ニル・アドミラリ・ブラボー!』がスタートしました! 新たなライター陣共々、多彩な企画を持ってして世界平和に貢献すべく、尽力する次第でございますので、それっぽい声援をお願いします。
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