めぐみのにっき
西暦弐千年
四月三日(月曜日)四月九日(日曜日)まで
「歌」と内容は必ずしも関連していません(笑)
4月5日
往く日々に うつる色と香 惜しめども
風の断ちたる 花の未練や
雨が降る。
誠志堂を横を乃木坂の方へ歩いて行くと
斜めに入る道がある。
その道を少し歩くと
「BAR六本木」の小さな行燈看板が昔と変らずに灯っていて
マスターがシェイカーを振る姿が
窓越しにちょっとだけ見える。
ハリントンガーデンの看板を目印に
右に曲がると
あの日と同じように
もうすぐ満開になる桜の木があった。
その日の乾杯は
新しい暮らしへのお祝いだった。
近しい人達と
明日を語り、将来を語り
夢を語った。
すこし酔いがまわって見上げた桜の色と
星が散る夜空をはっきり憶えている。
少し雨に濡れた桜の木の下には
今朝の風に耐えることが出来なかった
もう今にも開きそうな蕾のままの花を付けた
小枝が幾本か落ちている。
階段を上り
交差点を渡った私は
六本木中学校の校庭の桜を一人で眺めてから
家路についた。
桜画像
25.8KB/26.1KB/20.6KB
の三枚です。少し重いかも(^^;;
4月8日
忘れじと 思いたれども 目をそむく
我に語るや 春を知る花
花弁も不揃いで花芽も少ない。
でもちょっと霞のかかった空から射す
まだ明けきれない朝の光に
花は咲いていた。
レースのカーテン越しに揺れている花を見つけて
窓を全部、開いてみる。
雑草と見間違えてしまうくらいの小さな株に
マーガレットの花が咲いている
手入れをしなくなって
半年近く経ってしまったプランターに
細い茎に似つかわしくないほどの大きな花だった。
私は枯れたままになっていた
秋の花達を始末して
ほんの少し肥料をあげる。
土の上には
思いもかけぬ数の
ちっちゃな芽が並んでいる。
ごめんね。
明日の朝からは
窓もカーテンも全開にして
お水をあげよう。
ありがとう
お花達に声をかけて
私は仕事へ向った。
お花画像
21.5kb4月5日
4月9日
Yahoo!さん登録完了!
そして日記不定期化のご連絡。
今日は歌はお休みです
「吉原遊び江戸の日々」がYahoo!さんに登録さた。
「Yahoo!さん」自体に思うことがない事はないのだけれど
やっぱり影響力はすごい。
登録されてからは、ページビュー数は2倍近くになっている。
カテゴリーが「アダルト/風俗/エンターテイメント」からなのかも
知れないけれど。
吉原遊郭と遊女そして
江戸時代の市井風俗や四季の行事等を
祖父の残してくれた資料を中心に追ってみようと思って作りはじめたこのサイトは
「せっけん王国」や
「風俗で見る20世紀」「ANNEXせっけん王国」とは
また違った思い入れがあったりする。
ある意味でやっぱ特殊なサイトなので
せっけん王国のお客様中心にご覧頂ければいいなぁと思っていたので
俗に言う「江戸サイト」への営業もまったく行っていなかった。
このサイトに目立って来客が増えたのは
偶然このページを見つけて下さった
文芸批評家の加藤弘一様が御自身のサイトで
リンクを貼って下さってからだったりする。
これはほんとに嬉しい事だった。
私自身が加藤弘一様の著作を何冊も拝読していたって事もあったのだけれど、
ネットの醍醐味と言うか、不思議な感覚があったりもした。
「せっけん王国」を始めた頃に
最初ページビューが激増したきっかけは
読者として仰ぎ見ていた
菜摘ひかる様がリンク下さった時だったし
コミケの輝ける星であり、「おたくアミーゴス」と言うか「と学会」の
眠田直さんにリンク頂いて、
色々な新しいタイプのお客様にご来場頂けたりもした。
そしてこの冬は検索エンジンJOY様でスノボページにHOTマークを
頂いたおかげで、そちらの関連の皆様にもたくさん来て頂けた。
ネットにサイトを公開しているおかげで
ほんとに色々な出会いがある。
日記猿人様やReadMe!様で大好きで拝見していた
日記作者様に御縁を頂けたり
色々なサイトで触れた皆様のおかげで
今日の私のサイトはある。
この週末には「せっけん王国」より
「吉原遊び」のページビューが上回ったりして
ちょっと嬉しかったりもしたけど、複雑な思いもあったりする。
でもそこから広がる新しい御縁が
楽しみでしょうがなかったりもしている。
このサイトで出会えた皆様と
リアル生活で御縁を頂いて
サイトへも来て頂けるようになった皆様、
ほんとにほんとにありがとうございます。
なかなか私事が落着かなくて
御無礼ばかりで申し訳ありません。
今月も日記があんまり更新出来ていないのだけれど
これからもこんなペースが続くと思います。
そんな中でぼつぼつだけれど
それぞれのサイトを作っていきたいなぁって思っています。
めぐみとめぐみのサイト達を
これからも宜しくお願い致します。
4月11日
その道の ぬかるむ日々や 長きせも
今日も歩し 選びし道ゆえ
文学部の門を過ぎて
学習院女子へと向う道の信号の脇に
一本だけ桜の古木がある。
私が初めて見たときには
ぬかるむ空き地に、ぽつんと立っていた。
空き地には
壊れた自転車や、映らなくなったテレビなんかが
捨てられていて
そのまん中で満開の花をほろほろと散らして
読み捨てられた雑誌の上やぬかるむ土を
一瞬だけ薄いピンクで隠していたりした。
時々きれいになるのだけれど
いつのまにかまた
棚が落ちてしまった本箱や小さな箪笥とかが
捨てられていて
首輪のない猫や犬が
夏の陽射しを避けていたりもした。
桜は葉を落とし花を付け
そして葉を伸ばし、また葉を落とした。
私はいつか切られてしまうのではないかと思って
なんだかとても心配だった。
何年かぶりに見たその桜は
遊歩道に囲まれて、花をつけていた。
草花が植え込まれた道に挟まれている桜を
のんびり歩いている人達が
愛でている姿が見える。
良かったね。
私も散る花びらの中に少しだけ立ってから
ちょっとスキップしながら駅へと向った。
4月16日
渡したる 花のひとひら その色や
幼き爪と 頬に似たりて
コンビニのレジ周りには
柏餅やちっちゃな鯉のぼりが置いてある。
私が育った浅草の街には
庭のあるお家はほとんどなかった。
4月も半ばを過ぎると
そこここの物干し台に小さ目の鯉のぼりが
ちょっと窮屈そうに
春の明るい空を泳いでいた。
ビルが増えて行く頃からは
だんだん鯉のぼりは減って行って
屋上の端っこから時々しっぽが見えてるだけになったりして
なんだかつまらなかった記憶がある。
私には兄弟はいないので
お家に鯉のぼりは無くて
御近所お友達が
「ちっちゃくて赤いは私のなんだよ」
なんて自慢されて、ちょっと悔しかったりもした。
確か一年生になったばかりだったと思う。
学校で紙の鯉のぼりを作った。
背中が真っ直ぐな鯉の絵を書いた
薄手の画用紙を二つに折ってから
先のまぁるい鋏でちょきちょき切って
お腹をテープで閉じてから
きらきら光る銀紙で作った鱗を少しだけ貼った。
思い切り走らないと泳がない鯉のぼりだったのだけれど
私の鯉のぼりだった。
ちょうど初めてのお片づけ当番だった私は
6年生の世話係のおねぇさんに教わりながら
ゴミをすててからちょっと遅れて教室を出た。
路地を伝ってちょっと大きな道に出た処に
破れてしまった鯉のぼりに
タイヤの後がくっきり付いて
雨上がりの地面に張り付いてしまっている。
その横には近所の同じクラスの男の子が
しゃくりあげて泣いていた。
「おとうとが楽しみにしてんのに・・・」
私は私の鯉のぼりをその男の子に押し付けて
何の涙か判らない涙をこぼしながら
お家まで走って帰った。
その日の夕方
男の子はおとうとさんと連れ立って
私のお家に来た。
おとうとさんの手には私の鯉のぼりが
しっかり握られている。
「ありがとう」
二人はぺこりとお辞儀をすると
「上がって行きなさいよ」
という母の声も聞こえないように、
二人で握って来た桜の花びらを、私の手に乗せて
勝手口から帰って行った。
私は母に頭を撫でてもらって
なんだかもう一度涙ぐんでしまったのだけれど
爪の色と、頬の色と
そして花びらの色が同じだった事を
今でも憶えていたりする。
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