愛知県豊田市の開拓農場です
 J2農場
児山弥香さん


 愛知県の旧東加茂郡下山村(現豊田市)というところで、『J2農場』という一風かわった名前の農園を構えている人がいます。児山弥香さんがその人で、独のルドルフ・シュタイナー博士の提唱した『人智学』に基づいた、バイオダイナミック(生態的動的)農法を実践しています。

 この農法はシュタイナー博士が生前農業者を対象におこなった『農業講座』をもとに、後年系統付けられたもの。天体の運行とそれに関わりあう大地のエネルギー、サイクルを農耕作業に取り入れてゆこうとするもの。黄道十二宮星座と月と諸惑星との位置関係によって地球に及ぼされる『土・水・光(空気)・熱』の4つの要素(エレメント)と、やはり大地のもつ4要素との相関関係を『農事暦』として体系付けています。ただ、シュタイナー博士の視点が霊科学的でひじょうに謎に満ちており、近代農業の合理性とは相容れないという問題もあるようです。


茶 畑
 児山さんいわく「この農法が豊田市の山奥の風土に合致するわけではない。それをいかに応用してゆけるのか、というのが課題です」とのこと。

 山を切り開いて造成された1町8反の農地(うち畑は1町歩)を、肥えた土に育てるのにはけっこうな年月を必要とします。標高600mという高原に位置するため、夏野菜については好条件。とはいえ冬の寒冷期には現金収入が減ってしまうところがきびしい。しかしながら今年からアルバイトに出ることをやめ、現在専業農家へと発展しようとしています。本当にたくましく歩みを続けてきているところがさすがだと思います。道長のような仕事もそうだけれど、農業というのは、とにかく地道に年を重ねながら地力を向上させ、経験を積み、技術を上げてゆくこと。さらにそれをとにかく『続けること』だとつくづく思う。児山さんはそこのところを十分に心得ているのでしょう。

 レパートリーは、ねぎ、大根、人参、ジャガイモ、にんにく、加工用トマト、ズッキーニ、お茶、ナス、キューリ、イタリアンパセリ、エゴマなど。道長ではおもににんにく、大根、人参などを使わせていただいています。そしてその品質は年々着実に向上しています。

 児山さんの農場は彼女ひとりできりもりされているわけではありません。叔父であり、親代わりともいえる黒木さんの協力が非常に大きい。

 児山さんの性格については、ぼくの誤解があってもいけないのだけれど、とにかくがんばり屋で勝気なおとこまさり。閉鎖的なところがなく、そとに出てゆく性格。道長のようないいかげんな人種でも、お客としてあつかってもくれるところがありがたい。

ね ぎ

 2008年夏、児山さんがこの地に就農して12年が経過しますが、その間の努力がさすがに実を結びつつあるという実感がします。それは土作りの成果が確実に現れているということ。数年前には雨が降るとなだらかではあるが傾斜地の農場を水が流れ、砂土質の土を流してしまうためそれどころではなかった。しかしながら、現在では表土を丈の低い草が覆い、無駄に水が流れてしまうことがなく、保水力の高められた土に吸収されるという好条件を作り出している。J2農場ではその条件から、比較的窒素分の高い肥料(鶏糞を米ぬかともみ殻で発酵させた)を使用している。その他に購入する肥料は他にはなく、苦土石灰のみ。経済的負担はしっかりと抑えられている。

 豊田市とはいえ、標高600mという高知。当然育つ作物も味が濃く、密度が高い。今後の活躍を大いに期待します。


 他に雌犬『ボボ』と猫2匹が家族の一員です。

お問い合わせ:
〒444−3252
愛知県豊田市神殿町芦原37
児山 弥香
TEL:0565−90−3347